テラーノベル
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──────Iれいまり視点──────
ほとんど強引に約束を持ち込まれ、胃が痛くなってくる。
とりあえず話し合いは終わり、私が死の悪魔───めめさんを呼ぶかわりに、茶子さんは魔法の実験に付き合う、という契約となった。
私の中で問題となっていた、どうやってめめさんを呼ぶのか?という件についてすでに解決している。どうやら、私の魔導書の表紙に載っている魔法陣はどうやらめめさんを召喚できる魔法陣らしい。あとは、それに魔力を込めるだけで良いとの事だ。───どうやら、常識らしく、恥ずかしい思いをする羽目になった。
別室で待たせていたゼンと合流する。
「あ!椎名!終わりましたか?」
「…条件飲まされた。」
「ちょ!?ちゃ、ちゃんとそっち側に有利な条件ですよ!!」
私がいやいや、という表情をすれば、茶子さんは初めてあった時と同じような明るさで否定してくる。相変わらず本心を隠すのがお上手だな、なんて皮肉混じりのことを思いつつも、私は地下の実験場兼闘技場へと向かう。
本来なら、私の魔法の練習の時や、ゼンとの稽古のときしか使わない。が、スペースが広くて、他の悪魔の目につかない場所ならここくらいしか思い浮かばなかったのだ。仕方がない、と腹を括り、私はいただいた本を床に置き、魔法陣に魔力を込める。
そうすると、昔刻まれた魔法陣が現れ、共鳴するように、ふたつの魔法陣が強い光を放ち出す。一瞬、空間全てを白く塗りつぶす。
その瞬間、眩い光が小さな粒子となって、流れ星のように瞬間を飾った。
魔法陣の中心には、透明な青白い光が炎のようにゆらゆらと揺らめく。そして、それがだんだん人の形を成していき、実体を得ていく。
そして、それは、悪魔となる。そう、あの日あった死の悪魔───めめんともりだ。
「…あら?95年お早い召喚ですね。…今は、椎名さんですっけ?お久しぶり、という程でもないですね。こんにちは。」
相も変わらず美しい顔立ちだが、魔界に来てしばらく経っていたからか、その強さを肌で感じられた。前提として、5年が短いわけがない。だが、めめさんの中では短いらしい。年齢の差をだいぶ感じつつ、大方の経緯を説明する。
その説明を終えて、私はさっさとその場を離れることにする。
離れようとしたらゼンが困惑の声をあげる。
「え、え!?も、もう行くんですか!?置いてくんですか?」
「そりゃ、ここからは私関係ないですから。契約は守ってます。結果がどうなろうか知ったこっちゃないです。」
私がそうはっきり言うと、ゼンは唖然とするが、茶子さんとめめさんは当然と言わんばかりに笑顔で手を振ってくれる。
ゼンの手を握り、そのまま引っ張る。ここからこの場に居続けるのはただの邪魔だからだ。ゼンはボンッと音が出そうなほど赤面しながら、私にされるがまま、引っ張られる。相変わらずこの子は初心なことだな、とその純粋な騙されやすさに癒されつつ、その場を後にした。
──────茶子さん視点──────
あの二人が出ていったあと、私は、死の悪魔に向き直る。300年程度生きた悪魔。悪魔の平均年齢から考えるならば、長生きなほうである。
また、彼女の噂はかねがね聞いている。最も多くの戦場に赴き、そして最も仲間の死を見送った、通称『死神』。彼女が危険、という訳では無い。彼女の行く場所が危険なのだ。まあ、その影響で死の悪魔となり、能力を授かったらしい。
私の能力と噂ではこの程度の情報しか得ることができなかった。しかし、今は星すらも欺いた彼女に、頼らざるを得ない状況だった。
「──────椎名から聞いた通りです。死の悪魔さん。私の妹を生き返らせてくれませんか?」
「嫌だけど。メリットがないじゃないですか。」
あっさりと断られるが、想定の範囲内である。私は用意していた条件を提示する。
「私が生きた、1000年分の知識をあなたにあげます。きっと、あなたのために───」
「そんなんじゃ足りないですよ。悪魔との交渉を舐めてますか?目の前にいるのが誰だかご存知ないんですか?」
割と、有益な交渉条件だと思ったがそんなことはないらしい。上位悪魔だからといって、ここまで融通が効かないと思っていなかった。世界は本当に私たちに厳しくあたるものだな、なんて思いつつも、冷静を装い、めめさんが提案したいであろう条件を聞いてみる。
「…どんな条件ならいいんですか?」
「私の駒となって死ぬまで働いてください。」
「──────は?正気ですか?その契約。公平性の欠けらも無いじゃないですか!!」
私がそう拒絶の反応を示せば、死の悪魔は、はぁと深いため息をつき、ギロリとこちらを睨む。
「公平性の欠けらも無い?何言ってるんですか?輪廻転生の輪からあなたの妹さんの魂を探し、救いだし、肉体を元の状態に戻して、万全の状態に戻してあげる、と言ってるんです。1000年も生きたんですから、駒になる価値くらいしかあなたにありませんよ。」
バッサリと言い捨てられる。たしかに、死者蘇生は禁忌の魔法だ。だから、その専門の死の悪魔に頼んだと言うのに。彼女なら容易いと思ったのに。なぜだか裏切られた気持ちになり、どす黒い感情が渦巻く。
私の判断の遅さを見かねてか、死の悪魔は語り始める。
「いいでしょう。私の最終目標を教えてあげます。───私の人生を投げ打ってでも渇望する欲望を。」
彼女の自分語りが始まった。
ここで切ります!今回は悪魔の自分中心の価値観につけてかけたので良かったです!今日も今日とて毎日投稿継続中!冬休みの宿題やるので、サクッとおつはる!
コメント
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いや、もう…なんか、神すぎてどういうことをコメントしたらいいかわからなくなってきた
簡単か否かなんて問題じゃないんだろうなぁ