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──────茶子さん視点──────
彼女は語る。自身の生い立ちを。
「あなた、私についてどれくらい知ってるんですか?…まあ、分からないので初めから話しましょう。大前提として、悪魔はどこで生まれるか覚えていますか?」
悪魔なら誰もが知っている常識について尋ねてくる。私がそこに居たのは1000年以上も前のことだが、まだ覚えていた。と、言うより日常的に聞いているため、聞き馴染みがある事だった。
「地獄から、ですよね。輪廻転生の輪から生まれ、地獄へ通じる穴をはいあがり、そしてほかの悪魔によって1年間は安全が保証される。そのはずですよ。」
「はい、つまり、悪魔は生まれた時は安全な場所で生まれる、ということですね?」
当たり前のことを念入りに確認してくる様に、少し戸惑いながらも小さく頷く。
めめさんは私の反応に満足気に頷きながら、話を再開した。
「その答えは半分間違いです。何故ならば、私は戦場で生まれた悪魔だから。」
「…?どういうことですか?」
「察しが悪いですね。私は、戦場で最後の兵器として生み出された悪魔ですよ。」
──────ひとつだけ、心当たりがあった。戦場で生まれる、それはありえないことだ。しかし、それを可能とする禁忌の魔法があることを思い出したのだ。───他者と、魔力を強く込めれば込めるほど強い魔力を持った悪魔を生み出すことができる。そして、それが生命と宿るためには悪魔の一生分の魔力が必要となるのだ。そして、それに祈りと呪いを込めることで意志を持つのだ。
「私は、戦争で道半ばに死にかけた悪魔数人分の一生分の魔力を込められて生まれました。産まれた瞬間から死の危険があり、その祈りが私を戦場に引き止め、呪いで私は殺さざるを得なくなる。」
哀愁が漂うその姿に私は心臓がぎゅっと締め付けられたような感覚がした。なぜだか、目の前の相手を哀れに思ってしまったらしい。しかし、同情することはなかった。他人に情をかけないのは生きる上での鉄則であった。
「長くなりました。私の欲は戦争を終わらせること。この呪縛を解き放つためにはそれをするしかない。ただ、それを実行するためには私一人では戦力不足。だから、私の駒になれ。茶子。」
「…可哀想だとは思います。けど、戦場は私が死ぬ可能性がある。私は、生きるために生きている。あなたの命令には従えない。」
私が、キッパリと拒絶する。こうなってしまっては仕方がない。可能性は低いが、能力を駆使して菓子を生き返らせるしか───
「そうですか、残念ですよ。今なら望みを叶えてあげるって言うのに。」
そこまで残念なさそうな声音で死の悪魔が言う。私は早々にこの場を去ろうと出口へと向かう。
───瞬間、私の真下に魔法陣が現れ、瞬時に光景が変わる。
違う。光景が変わったわけじゃない。場所が変わったのだ。これは、つまり。
「決闘ですよ。茶子さん。相手を従わせたい場合はやはりこちらの方が早い。」
「…どういうつもりですか?」
私が、尋ねる。死の悪魔は死ぬほどどうでも良さそうに答えた。
「戦って、勝った方が相手を従わせられる。嫌なら死ねばいい。わかりやすいでしょ?」
「つまり、契約を諦めて、武力行使に出たと?あなた、目の前にいるのが1000年生きた悪魔だと知らないんですか?死にますよ、あなた。」
私が脅しに近い言葉を吐けば、そいつは呆れていう。
「死んだって構わない。私にとってそれはある種の解放でもありますから。私は、生きている限り戦争で勝利を導かないといけないのだから。」
「なら、死で救済してあげますよ。感謝してくださいね」
「死ぬのはあなたですよ?」
「ご冗談を。」
そんな軽い言葉を交わし終えた瞬間、戦いは始まる。相手は鋭い剣を構え、迷わず突進をしてくる。私は、素早く魔法を展開し、星の弾幕を飛ばす。相手は素早く星を切り刻みながら突進をやめない。あと数メートル、というところで私は地面から用意していた弦を伸ばし、相手を拘束する。
だが、そいつは自身を中心とした爆発を起こし、拘束を簡単に解いて見せた。やはり相手は相当な手練。簡単なものでは死んでくれない。
だから私は魔法、ではなく能力を発動する。
そして、星は目覚める。
私は瞬時に、金平糖のような見た目の鉄球を四方八方に飛ばし、片手に星の剣を作り出し、足元には星を置き、光の速度で相手に一撃を加えてやる。
心臓にひとつき。いくら悪魔でも、致命傷を喰らえば動きは止まる。その間に、何回も、何回も突き刺してやる。
殺意とともに、もう一撃入れようと、振り返る。
その瞬間、私は何かによって拘束されていた。
一瞬の出来事に私はパニックにおちいり、隙を見せてしまう。それがダメだった。最初に目が覆われる。私は、その拘束をとこうと、星を出そうとするが、それは叶わないことを知る。だって、星が私を助けようとしてくれないから。
なんで。困惑の声が出ることはなく、口を覆われていた。
「やーっと捕まえられました。まさか、本当に殺されるとは。星を殺さなかったら一生殺され続けてましたよw」
私を嘲笑うかのように言う。その間にも、私は抵抗する気力を減らすためか、拘束をだんだんきつくさせられていた。
声が出せず、耳しか機能していない私には、その言葉の意味を問うことができなかった。
しかし、饒舌に喋るその口が私の疑問に答えてくれた。
「私の能力は『死天輪廻』。死ねば死ぬほど強くなって生き返る。私は、この力のせいで死ぬことは絶対にないんですよ。」
嘲笑う声。敵を侮辱するその言葉。哀愁を誘ってからの言いぐさ。その本性こそがそいつを悪魔だと物語る。クソが、そうとしか思えなかった。しかし奴はうれしそうに笑う。私の反応そのものを楽しんでいるようだ。こんなにも侮辱されたと言うのに、私は言い返すすべを持たなかった。
と、言うか。そいつの能力が本当ならば、私は最初から勝ち目がなかったってことではないか。
「あ、今更気づいたんですか?最初の条件を飲んどけば、少なくとも菓子さんは助かったのにね。あなたは賢いと思ったのに。残念ですよ。
ま、ということなので。降参してください。あなたの欲は生存欲。死にたくは無いはずです。」
ばーか、と思う。私という悪魔が欲よりも嫌なのは縛られることだ。説得されるわけがないと言うのに。
「あ、素直に従ってくれるとは思ってないです。なので、認めるまであなたは暗闇でお過ごしください。」
──────え?
その瞬間、私は耳の感覚すら奪われ、すでに目と口が封じられていたのに、さらに触覚すらも奪われ、まるで暗闇に置き去りにされたような感覚。
これが一生続くのか?あいつは多分こちら側が諦めるまで絶対に諦めない。だって、その間はあいつが戦争から離れたいという欲望が満たされ続けているからだ。
根気の勝負。───正直勝てる気がしなかった。孤独に勝てるほど、私の心は強くない。
私は──────
ここで切ります!
えー前回、茶子さんの能力は星、そう言いました。嘘でーす!
正確には、星という能力は菓子さんの魂で出来てます。茶子さんと菓子さんは元々ひとつの魂で、偶然ふたつに別れた結果双子になってます。元々ふたりは1人だったわけです!で、片方が死んだ場合、もう片方の体に魂が戻り、それが能力として相方をサポートするわけです。なので、茶子さんのは厳密には能力ではなく、魂です。菓子さんが星となり、みちびいているわけですねー。
まあ、こんな設定いつ使うんだって話ですけど。今回めめさんが星を殺した、って発言は星として現れていた菓子さんが殺された、というわけですね。ちなみに、いっかい殺されると茶子さんの体の中で回復しないといけないんですよね。
まあ、つまりそゆことです。普通星は見えないんですけどねー。
あ、ちなみにれいまりさんの悪魔すがたver.のイラスト描きましたー!まあ、幼いのでまだ成長しきってないので…。小説の中で大人になったら投稿します!予告的な感じで見ていただければ!
それでは、おつはる!
コメント
2件
めめさん特殊なんだろうなとは思ってたけどそんな生い立ちだったんや