テラーノベル
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すると、意外にもカルアさんは、憂いに満ちた表情で俯いてしまった。
「…やっぱりそうよね。ただ、あとに引けなくて」
驚いた。
カルアさん、武闘大会にめっちゃ燃えてるって話だったのに…。この様子じゃ、明らかに後悔してるっぽいじゃないか。
「最初はアライン様の指示だったのよ。出場者が集まらないかも知れないから、騎士達は強制参加、って。私も、鍛えればいいセンいくと思ったし」
カルアさんは、さらに大きくため息をついた。
「少し話が流れただけで、各ギルドは腕まくりで最強の冒険者達を推挙するわ、カエン様経由で伝説の勇者達は出てくるわ…正直相手にならないと思うけど、せめて情けない戦いはしたくないのよ~…」
カルアさんの苦悩が偲ばれる。
予想より遥かに強敵揃いだもんな。
しかも、王室主催で開催するというのに、王国騎士団がボロ負けしたら、シャレにならないだろう。俺はとりあえず、消極案を提示してみる。
「マジで今回、出場しない方がいいんじゃないか?アライン王子も、もう強制参加にはこだわってないみたいだし」
「でも…」
「ハッキリ言って、ちょっと鍛えたくらいで、勇者レベルといい勝負とか無理だから。騎士がボロ負けしたら、恥をかくのは王様達だからな?」
「ハク、言い過ぎ…!」
ゼロに止められたけど、俺は事実しか言ってない。
カルアさんは、俺をキッと睨む。
…そしてその後、悲しそうに項垂れた。
「…分かってるわよ。そんな事…」
「じゃあ、今回は諦めろ」
「ハク!」
カルアさんは唇を噛んで、黙りこくってしまった。…なんか、俺がイジメてるみたいじゃねーか…。言っとくが、カルアさんと王様達のために言ってるんだからな?
「…でも、僕もハクと同意見です。今回は出場者達の力量を見て、次回に向けてしっかり訓練した方がいいと思います」
ゼロの言葉に、カルアさんはいよいよ辛そうな表情だ。眉間に深い皺がより、目が充血している。
ダンッ!!
突然、カルアさんが机に拳を叩きつけた。
「悔しい!!……悔しい…っ!!」
ブルブルと肩を震わせるカルアさん。
うちのヘタレマスターは、ビビって二、三歩後ろに下がり、距離をとっている。
ちょっとした静寂の後、カルアさんはなぜかキッ!と俺を見た。
「今回は出場しない!」
「あ、ああ…。その方がいいと思う」
「次に向けて、死ぬ程特訓してちょうだい!」
右左一奥
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いいけど…俺に言わないで欲しい。
コメント
1件
おお、第148話読んだわ。カルアさんの本音が見えた回だったな。強制参加から始まったのに、気づけば勇者クラスがゴロゴロいて「情けない戦いしたくない」って弱音吐くところ、すごく人間味あって好きだわ。ハクが「出ない方がいい」ってズバッと言うのも彼らしいし、ゼロがフォローするのも良いバランス。最後の「悔しい」連発はグッときた🔥 次回の特訓編、楽しみにしてる!