誤字で皇太子の中に康二が2人いました。修正します。
第五皇太子 向井康二→宮舘涼太
「ご主人!しょーたさまからお手紙きたぁ!」
専属メイドのミラが翔太から手紙を預かってきたようだ。
人間関係が少し雑な翔太とマイペースな俺は、引き取られるタイミングが同じだったこともあってか、親友のような仲だ。
「ああ、ありがとう」
【面白いのが2匹行くぞ笑 お前も仲間になって 飯作ってー 翔太】
相変わらず雑…何が言いたいかいまいちわかんないよ…w
こんこんこん
「ミラ、誰がきた?」
「ぉわ…第一、第四皇太子様です…っ」
「っえ?」
扉が開き2人が入ってくる。
「舘さん、お久しぶり」
辰哉様…ッ
初めて喋った時の彼は、冷徹でどこか心ここに在らずって感じで。
どうでもいいって言葉が似合うような人だった。
「ぁ、…ッ帝国の月に祝福を…」
第一皇太子に会ったら言わねばならないことだ。
長らく喋ってないとはいえ、身分は違う…油断は危ない。
「て、てーこくの月にしゅくふくお…」
ミラも慌てて言う。
第五皇太子以降は継承権が無いのとほぼ変わらない。
礼儀を持って接するべきだ。
「いやいや、そーゆーのなくていいよ」
「流石にそう言うわけには…」
「りょ、りょーた!久しぶり!」
「大介様、お久しぶりです」
「にゃ、それやだー!」
なんだか大介の影響かわからないが角の取れた辰哉様は話しやすい青年になっていた。
明るい表情がなんとも美しく儚い…
「では、どうお呼びすれば?」
「佐久間がいい!こっちはふっかね!」
「ぇ、さすがに…って、旧姓ですか」
「うん。舘って俺らも呼んでいい?」
「は、…い」
「敬語やだ」
「わかり…わかった…ふふ」
なんだか面白くて、笑えてきちゃった。
「俺らの仲良し計画、舘さんにも参加してもらいたくてさ」
「わたし…俺、に…どうして俺に?」
「えっとね…
ーーーーーーーーーーー
「はは、なるほどw…翔太はどうやら料理ができる俺に参加して欲しかったみたいだ」
「んぇ?!料理できんの?!」
「仲間でご飯計画…これ、いけるかもな?」
子供みたいにはしゃいでるのに話は大真面目。ギャップがすごいなw
「微力ながら、お手伝いさせてよ。いずれレストラン開きたいんだ」
「っやったあああ!ふっか!おいしーご飯みんなで食べよ?今から?今からぁ?!」
「ちょ、さくちゃん。今、夜中w。明日ね?明日の夜」
「よし、舘様ァ、明日バルコニーに料理!4人分お願い!」
手で4を作ってお願いしてくる佐久間は可愛くて、元気が出る。
「はぁい、仰せのままに…w」
「舘さん笑っちゃってるよぉ?佐久間」
「んええ?なんでっ?!あ、4階のバルコニーね!3階じゃないよッ!」
「ご丁寧にどうも、リクエストある?」
「「肉!!!!」」
「なんだよもぉ〜っw、はは、おっかしww」
久しぶりにこんな笑ったかも。兄弟仲良くって当たり前だけど難しい…
みんなで笑えたら幸せだな。
「楽しみにしてるでやんす!」
心から感謝を
「…ありがとう。」
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皇帝が5人しか集まっていない晩餐で口を開いた。
「…辰哉、翔太…それに大介と涼太がいないな。どうした?」
シャロンが「恐れながら」と言い前に出てこう言った。
「バルコニーで…集まっているようで。夕飯はいらないと仰っていました」
そしてそのまま広間を出ていく。
亮平はそれを聞いてシャロンに冷たい眼差しを向けた。
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「「「「かんぱーーーーいっ‼︎」」」」
バルコニーで涼太が作ってきたローストビーフを食べる。
それぞれがパンやスープ、果実を持ち寄って立派に夕飯として過ごせていた。
「ぅっわ…やっぱ涼太天才だわ」
「翔太これ好きだもんね」
「舘さんこれやばいって…味ある料理ってこんな美味いんだ…」
「にゃはは!確かにあの晩餐味感じる暇ないよなーw」
「あ、いや俺普通に晩餐の時間、味覚障害になってたから」
「ブフォォ…は?ふっかマジ?流石にやべーな、第一皇太子様ってのは」
「ちょ翔太汚い…はい、拭くよー」
「え、俺知らなかった…えと、今は美味しいんだよね?」
「うん、佐久間ありがとな」
わいわいと楽しくご飯を食べているとバルコニーの扉がバンッと開けられる。
扉の近くに立っていた佐久間の専属メイドがそれで倒れてしまう。
「アン!!!!大丈夫?!」
「…っ、問題ありません」
「声かけてくれてもよかったんじゃない?阿部ちゃん」
辰哉がそう言うと扉を閉め亮平が入ってくる。
「翔太と涼太まで…なんのおふざけですか?」
「亮平様…」
「…ッ夕飯を、たべていただけ…です」
「翔太…」
2人も反抗しようとしているが第3皇太子の翔太はまだしも、涼太には厳しい状況だ。
「阿部ちゃ…なんでそんな怒ってるの?」
「阿部もこっちに来るかー?w」
辰哉だけは相変わらずだ。
「いけませんよ、辰哉様。由緒正しき我が帝国の皇太子でありながら…ッ皇帝陛下と晩餐を共にしないなど、あってはならない行為です。いけませ、こんなこと許されません‼︎‼︎」
辰哉以外はその勢いに慄いている。
「阿部ちゃんはさぁ、…皇帝になりたいの?」
「当たり前でしょう、皇太子なんですよ?僕たちは」
「俺らなりたくないのよ笑、もっといい形が帝国にあんじゃねーかなってみんなで話してんだ。だから…阿部ちゃんはまだ参加できないね」
「参加したくもありませんが」
「いずれ…きっとこっちに来てくれるってわかってるよ」
にこっと辰哉が微笑めば、それに反してキッと亮平が睨みつける。
「…今日は失礼します。いつまでも黙認されると思わないで頂きたい」
そう言い残せば、踵を返しドアを乱暴に開け帰っていった。
緊張していた皆の体からズルズルと力が抜ける。
「こっっっっわ。なんだあれ」
「この場所無くなるの…俺やだよお」
「うーん、何かしらの対策なしではやっぱ厳しいみたいだね」
未だ静かに扉を眺める辰哉。
「「「ふっか?」」」
「ああ、…うん。奪わせないよ?もちろん」
微笑む顔とは裏腹にドス黒い感情が彼の中で芽生えていた。
「まあ、解決すべきことがある、ってだけで進展じゃない?」
「にゃ…んで?」
「確かに、集まるだけじゃどうしようもなかったもんな…」
「案外はじめの一歩とも呼べるね」
「そうと決まれば…っ、俺っちに任せて!」
そう言って大介はバターンと扉を開き走って行った。
大介の突発的な行動にすっかり見慣れてしまった3人はまたいそいそと亮太にローストビーフのおかわりを催促した。
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「ただいまぁあああ!!」
「おっ」
「ほはへひー」
「おかえり、何持ってきたの?それ」
「じゃっじゃーん!俺の家紙の生産の受注とかもしてるからさ!
おっきーー紙持ってきた!」
「いるかァ?」
「え゛?!よく漫画とかでよくあるじゃーん!計画用紙?みたいな!」
翔太が呆れても大介は楽しそうな姿が、辰哉にとっては理想の兄弟だった。
「さくちゃん、いいねそーゆーの」
ニヤリと笑って大介の紙を取り、近くのテーブルに広げる
「そんじゃあ、仲良し計画始動!」
続く
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