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いやっふぃ⤴︎
――秋。
風が少し冷たくなって、銀杏の葉がぱらぱらと舞う。
万事屋の軒先には、銀時・彩音・新八・神楽の4人。
神楽「銀ちゃん!団子焼けたアル!!」
新八「おぉ〜うまそう!」
彩音「……ちょっと焦げてるけどな」
銀時「まぁ、団子は焦げてナンボだろ。ほら彩音、あ〜ん」
彩音「はぁ……ん、これ結構うまいな」
銀時「“団子日和”だからな」
彩音「そんな日初めて聞いたわ」
神楽「秋は団子と焼き芋と食欲の季節アル!!」
新八「……どれも食べ物の話じゃないですか」
夕方。
風が冷たくなってきて、神楽と新八は先に帰る。
残ったのは、銀時と彩音。
彩音「……静かだな」
銀時「珍しいな、神楽がいないだけでこうも平和か」
(ふと空を見上げて)
銀時「なぁ、秋の空ってなんか寂しいよな」
彩音「そうか?」
銀時「ほら、夏みたいにうるさくもねぇし、冬みたいに忙しくもねぇ。なんか……間の季節って、ちょっと不安になる」
彩音「……らしくねーこと言うじゃん」
銀時「お前が冷たい風みてぇな顔してっから、つい」
彩音「は?」
銀時「冗談だよ。……でも」
銀時、真面目な顔で彩音の手を取る。
銀時「お前がいなくなったら、俺きっと秋空みてぇな顔してっからさ。いなくなるなよ」
彩音「……」
(少し黙って)
彩音「……誰がそんな心配しろっつった」
(けど、手は離さない)
銀時「強がりだな〜」
彩音「うるさい」
夜の公園。
屋台がぽつぽつと並び、落ち葉が風に舞う。
彩音がふと立ち止まると、目の前に――りんご飴の屋台。
銀時「ほら、買ってやるよ」
彩音「子ども扱いすんな」
銀時「じゃあ、じゃんけんで勝ったら俺が奢る。負けたらお前が奢れ」
彩音「勝負する気満々じゃん……」
(そして数分後)
銀時「……なんでだよ」
彩音「残念、私の勝ち」
(りんご飴をかじりながら)
彩音「お前の運、秋風にでも飛ばされたんじゃない?」
銀時「はいはい。どうせ俺の人生なんてそんなもんだ」
(けど、笑ってる)
月明かりの下、ベンチに座る二人。
彩音がりんご飴を半分差し出す。
彩音「……食う?」
銀時「……いいのか?間接キスPart2だぞ」
彩音「あー、あれだ、食わないと寒くなるだろ」
銀時「いや、りんご飴であったまるのは無理だろ」
彩音「うるさい」
(でも、二人で笑って――)
銀時「……なぁ彩音」
彩音「なに」
銀時「今年の秋、悪くねぇな」
彩音「……そうだな」
風が静かに吹いて、落ち葉がふわりと舞う。
それを眺めながら、二人は並んで――
手を、そっと繋いだ。
ふぅぅぅぅ⤴︎