はじめに
書こうとして、挫折したやつ。
某月某日の今日この日、太宰治、本名津島修治は、
非常に機嫌が良かった。
理由は主に2つ。
一つ。
太宰本人の休みが取れたこと。
ニつ。
その休みの期間が、一週間になったこと(正確にはもぎ取った、が正しい)。
三つ。
太宰の妻、詩人の中原中也も同じ日から、同じ期間、休みであること。
そのため、今の彼の顔は、芥川の新作を手に入れたときよりもにやけていた。(実際、数日前に新作は発表されていたが。)
よそ行き用ではなく、部屋着を着ているため、かなり身体も動かしやすい。そのため、気も楽である。(『女生徒』に出てきた服装のこととは思わないでいただけると助かる。)
それでは、中也はというと…
くっ、くっ、とまな板の上で魚を切っている。
昼餉は、太宰の好物、厚切り鮭だ。
(太宰いわく、斜めに包丁をいれると、貧しい食生活の象徴のようであるらしい。)
また、着ている服もエプロンである。
桃色の生地にヤギのワッペン、紅い髪によく映える青緑のほっかむり。
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