テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
慧「竜也! お前、彼女できたんだって!?」
あの瞬間、
私ははっきりと理解してしまった。
――あの時、私は確かに、選択を間違えたのだと。
竜「バカ!! それ言うなって……」
彼は一瞬だけ、私のほうを見てから慧太にそう言った。
その横顔は、私が知っているどんな表情よりも穏やかで、
そして――見たことがないほど、幸せそうだった。
胸の奥が、静かに軋む。
*************************************************
七か月前――
『ごめん。別れてほしい』
思い出の多すぎる公園で、
私は二年間付き合っていた彼氏を、自分の言葉で振った。
竜「……そっか。
ごめんね。理由、聞いてもいい……?」
『最近、お互い喋ることも減ってたし……
このままだと、きっと良くないって思った』
その言葉が、どれだけ彼を傷つけたか。
言った瞬間から、私は分かっていた。
ずっと片思いをして、
やっと付き合えた相手だった。
片思いしていた時間の、半分も経たないうちに、
私はその手を、自分から離してしまった。
正直、自分が最低だという自覚はある。
それでも――
彼には、私よりももっと大切にできる人がいる。
そう思ってしまったのも、事実だった。
その日、私たちは決めた。
恋人ではなく、友達として、これからも関わっていくことを。
――この日が、
私たちの「恋」の終わりであり、
そして、後悔の始まりだった。