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執事side
やはり主が絡むと全員仕事が全力になる。人数もあるが主探しは着実に進んでいた。しかし主がいなくなり10年が経とうとしていた。ボスキは元気なため主が生きていると言うことがわかる。しかし肝心な場所から突き止められないのだ。執事達で探した場所を地図に印づけしていくが主は見つかっていない。もう印で埋まり探すところが少なくなってきていた。ルカス達はほとんどの反悪魔執事の貴族をグロバナー家から離すことができ順調だ。流石の交渉役という他ない。
ロノ「まーじで主様がいないっすね」
印をつけながらロノが言う。
ベリアン「どこにいらっしゃるのでしょうか、」心配そうに外を見る。
ハナマル「かくれんぼがうまいんだなーウチの主は〜」
ミヤジ「フィンレイ様が隠されているのだろうか、」
ルカス「いや、グロバナー家の屋敷には主様はいなかったよ」
ユーハン「えぇ、一応探しては見たのですが、気配がしませんでした」
フルーレ「行き詰まりましたね、、」
フェネス「もう10年になるんですね、、」
ラト「あっという間でした。すごく寂しいです。」
ラムリ「うんうん、早く会いたいよ」
ベレン「それにムーもどこいったんだろう、」
シロ「主の元にいるのだろう、あやつなら主のそばにおっても怪しまれないからな、」
テディ「とりあえず元気でおられるならいいんですが、、」
そうですね、その言葉が飛び交っていた中勢いよく扉が開かれた。
バンッッッ
ラムリ「うっわ何ッ!?って、ナックじゃん、びっくりするってば」
ナック「はぁ、っはぁ」
ルカス「どうしたのかな?ナック君」
ナック「主様の場所が分かったかもしれません!!」
執事達「!!?」
部屋に一気に熱が入る。この言葉を心待ちにしていたからだ。
ベリアン「本当ですか!詳しく教えてください、ナック君、」
ナックが話し始める。
「私はフィンレイ様の行動を探っていたのですが、そこで月に一度夜に誰にもバレないよう静かに手紙を咥えた鳩を送る姿が見られました。
送り先は不明ですが、森の方はまだ執事さん達が見てないですからあの鳩を追えばつくと思います、」
クロウザー「確かに、そっちの方はグロバナー家の土地のため部下を送れていないんだ」
可能性は決して多くないが全員がそれに賭けることにした。違ったとしても可能性は一つずつ潰していきたい。
ナック「それにもしかしたらこれを交渉材料にフィンレイ様が教えてくださるかもしれませんし、」
ルカス「そうだね♪やってみる価値ありだね」
ベリアン「やっと会えるかもしれないのですね、、主様に」
ミヤジ「急に行っては驚かせてしまうかもね」
アモン「確かにっすね笑」
ルカス「とりあえずフィンレイ様と明日お話してくるよ」
ルカスに任せるということになり今日は一旦それぞれ部屋に戻っていった。皆、目に光を戻していっていた。会える、、二度と会えないと思っていた者に会えるなんてこれほど幸せなことはない。何を話そうか、、そんなことを考え久しぶりに明日へ希望を馳せていたのだった。
次の日グロバナー本邸
フィンレイ「今日はルカス一人か、、主の事なら、もう他の執事に随分前に話しておるはずだ」
ルカス「はい♪そうなのですが一つお聞きしたいことがありまして」
フィンレイ「、、、まぁ話してみよ」
ルカス「単刀直入にお聞きいたしますね。
定期的に鳩を飛ばされておりますがどちらの方に飛ばしておられるのですか?♪」
屈託のない笑顔でフィンレイに聞く。
フィンレイも気付き出したかと少し含みの笑いをした。
フィンレイ「ふっ、まぁ良い。なんと思おうが個人の自由だからな。それで鳩の送っている場所を教えろと?」
ルカス「できれば教えていただきたいのです♪」
ルカスにしては真っ直ぐな交渉でルカス自身会いたくてしょうがないのだろうと察する。ルカスとの付き合いも長いがこんなにも真っ直ぐな交渉は初めてだ。
少しフィンレイは考えた。きっとこのままなら彼らはすぐに主の元へ行くのだろう。だが、彼女は強い決意と彼らの幸せの為に離れることを決めてくれた。そんな彼女の意思を尊重しなくてはならないことくらい誰だってわかることだ。それが私の仕事だ。
しかしそんな考えもすぐなくなってしまった。彼女は執事といた方が幸せだ。執事としても主としても一緒にいた方が絶対にいいのだ。
フィンレイ自身引き離してしまったことへ罪悪感が襲ってきたことは何度もあった。もう貴族と言う敵はほとんどいない。帰ってくる場所を執事自身で作ったのだ。そんな彼らの想いを止められるはずがない。止めてしまえばどうなるだろうか、、色々考えてしまったが一言で言うと
「元に戻せばいい」
ただこれだけだ。簡単なことだ。
ルカスを見て言う。
「次の鳩にでもついて行ってみるといい。そこがどこでも入る許可はやるぞ」
にこりと笑い言ってやる。
ルカスは静かに頭を下げ、感謝を述べる。そして部屋を退室する時一言フィンレイに告げた。
「主様と引き離したことは許せませんが、私たちを守ろうとしてくださっていることを悪魔執事を代表し感謝申し上げます。」
その日のフィンレイはいつもより笑った顔が増えたそうだ。
主side
いや、10年早や。
これが率直な感想だ。寂しさは消えないが ムーとの生活に慣れ、特に不自由もなく暮らせている。ムーも元気にいつも通りいる。この森は春になると寒いが花が沢山咲く為寂しくも綺麗でもあった。お散歩を増やしたりするのが毎年の恒例になってきた。ムーといつも通り散歩をし家に帰ると家の前に大きな荷物が置いてあった。
普通に何これ、、嫌がらせ、、?
「主様!この荷物なんなんでしょうか!?」
ムーが走って駆け寄る。
「な、なんだろう。フィンレイ様からだろうけど、いつもの倍、、いやそれ以上っぽくない?」
フィンレイの送りミスか、、
中身は2人分とは思えないほどの食材だった。
張り紙もなく何でこんなことしてきたのか全くわからない。この10年そんなことしたことなかったじゃん、、10年の節目か?お祝いにしたって何を祝えばいいのだ。皮肉っぽく荷物を見る。
分からないが外に置いておくと腐る為とりあえず家の中に入れる。冷蔵庫には入り切らず肉や魚以外は外に出しておく。春先で寒い為寒さが逆にラッキーだ。それでも食べきれないし、早めに食べなければ腐ってしまう。
この量どうすんだよと困惑状態だ。
「手紙も来ないし、、なんなんだろうね」
「フィンレイ様からのプレゼントなんじゃないですか!」
ムーが元気よく答える。その純粋な笑顔に申し訳ないが、 普通に考えて私が知っているフィンレイはそんなことをしてくる人ではないだろう、
とりあえず届けてくれたことには感謝し、その日はもらった食材でご飯を作って二人で食べた。一ヶ月の量を考えて節約し作っていたがこの量があれば少し自由めに作れた。お腹いっぱい食べていつも通り眠る。寒いがムーがいれば暖かい。二人で少しベッドで戯れあって眠りについた。
2日後朝
いつもどおり早起きして朝ごはんを作る。飲み水であるお水汲みに行かなきゃとバケツを持って外にでるとムーはニコニコしながら私についてきてくれる。途中花をちぎって私にくれたりする。ありがと〜なんて言って水を持ち帰る。重たいがもう慣れっ子だ。強くなったものだ。早く暖かくならないかなと空を見上げて家につく。水の入ったバケツを置き洗濯の準備だ。ほぼルーティン化してきたこの日、このルーティンが壊れた。
一旦家に入り洗濯籠を持つ。冷たい水は嫌だが洗濯機なんてないため全部手洗いだ。洗う服が少なくても冷たいのは辛い。それでも洗濯はしなければならない。他にやる人もいないからね。家の時計は9時をさしていた。よいしょっとお持ち上げドアを開けた。
なにかがおかしい、、
家の前の森から誰かが、、いや一人ではない。
静かに警戒する。騒がず敵を探す。これはナックが教えてくれたことだった。ムーも感じ取り静かに身構える。
ザッザッザ
そんな不安はすぐに消えた、
時が止まったような気がした。風だけが吹いて動いている。
目の前に、この世で一番守りたかった彼らが歩いてきた。体が固まる。いや、なんで、ここが分かったの、?
手に持っていた洗濯かごを動揺で落としてしまった。
落とした音に気づきこちらを見る。
目を見開いた。気づけば私は泣いていた。
「主様!!」
久しぶりに呼ばれた声に耳が赤くなる。
走ってきたベリアンに抱きしめられていた。
「ぁ、あべりあん、ベリアンなの、、?泣」
声がうまく出ない嬉しいのに、、っ
続々と執事達が集まってくる。
聞こえるのは泣き声や主様と呼ぶ声。
また、会えたんだ、、、会えたんだね。
ベリアン「主様!!どうしてあの日私を置いて行ってしまわれたのですか、、っ」
私を抱きしめながらベリアンは号泣していた。
耳が痛い話だ、っ
主「ごめん、っごめんね、辛い想いさせちゃったよね急にごめんなさい、っ」
久しぶりの再会に涙が止まらない。抱きしめられてこんなに安心したのはいつぶりだろう。
一人はやっぱり怖かったのだ。
それからゆっくりとみんなと話をした。
ルカス「主様、、無事で何よりです♪久しぶりすぎて舞い上がってしまいますね」
ナック「このナックまた会える日を楽しみにしておりました、、っ泣感無量です、」
ラムリ「主様ーっもう会えないのかと僕怖かったです泣」
ハウレス「主様お久しぶりでございます。一人にさせてしまい、執事として失格ですね、」
フェネス「主様一人で背負い込まず俺あの時相談して欲しかったんです、また会えてよかった」
アモン「勝手にいなくなるなんて主様は大胆なんすから、心配させすぎっすよ、」
ボスキ「元気そうで何よりだ。迎えにくるの遅くなっちまったな、」
ロノ「主様、俺すっげぇ寂しかったんです。もうこんな思いはしたくありません!っ泣」
バスティン「主様が俺たちを守ろうとしてくれたことすごく嬉しかった。だが急に居なくなるのは寂しいぞ」
ミヤジ「無事でよかったよ。大きな決断をした主はすごいね、尊敬してしまうよ」
フルーレ「俺ッすごく怖かったんですっ、もしかしたらお別れも言わずに会えないのかッて」
ラト「フルーレ泣きすぎですよ、主様?執事をここまで泣かせるとは酷な人ですね」
ユーハン「やっと会えましたね、貴方が目の前にいる事が何より嬉しいのです」
ハナマル「ちょーと流石に心配かけすぎだね。
でも元気にやってたならよかったよ」
テディ「もう勝手に居なくならないですください!っ主様がそばいないと俺嫌ですよっ泣」
ベレン「一人でよく頑張ったね。えらいよ、でも相談くらいはして行ってほしいね」
シロ「我の前から勝手にとは、やるではないか。もうこんなことは二度と起こさないがな」
クロウザー「かくれんぼが上手だったね、まっ結局は見つかっちゃうんだけどね」
精一杯みんなに謝る。温かい言葉を掛けてくれる執事達、久しぶりに会っても接し方も変えず私を慕ってくれる。なんて良い人達なんだろうか。そこからとりあえず寒いだろうと家に入ってもらった。ムーもすごく喜んでいた。
主「みんな入ると狭いかな、ごめんね」
フェネス「いっ、いえ大丈夫ですよ!」
執事達がキョロキョロしている。主が暮らした場所が気になるのだろう。
主「しっかり見ないでよ、掃除甘くやってるんだからさ、」
掃除はあまり得意ではなく、なんなら広すぎて手が回っていないため恥ずかしい、、
ナック「いえいえ、しっかりと掃除が行き届いていますよ?」
笑ってナックが言ってくれた。
主「とりあえず寒いからさ、みんな暖炉がある部屋に行ってて、飲み物出すから。ムー案内してあげてー」
ムー「はい!わかりました!皆さん着いてきてください〜」
元気に執事達を案内する。ここの構造はムーの方が知っていて少し誇らしらしそうだ。だが、主にお茶を入れてもらうなど言語道断。
慌てて執事達が私達がしますッとムーと逆の方にくる 。相変わらずだなぁなんて思いつつ私の方が場所とかわかるため少し手伝って貰った。
家 大広間
お茶を配り終え一息ついたところルカスが静かに話し出した。
ルカス「それでは主様、これまでの経緯を話していただけますか?」
やっぱり話さなきゃダメか、、急にいなくなったとか理由を聞きたくてしょうがないはずだ。だが、話してしまっていいのだろうか。まず私は執事と会ってはもうダメな存在なはずなのに。彼らとまた会ってしまった。バレる前に早く離れなければならないのでは、、、色々悩んでいるとベリアンがそっと私の手を取って話し出す。
「大丈夫です、主様が心配していることは決して起こりません。ゆっくりでいいのです。我々に教えてください」
切実に目をしっかり見て話した。
周りの執事達も頷いている。
もしかしたらもう全部彼らは知っているのかもしれない、、、それじゃあもう隠す物はない。心の中で決心しぽつりと話し始めた。
コメント
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ちょむさん、第4話読みました…! 10年ぶりの再会、すごく胸にきました😢 ベリアンが泣きながら「どうして置いて行ったんですか」って言うところ、もう私ももらい泣きしそうでした…。 執事たち一人ひとりの言葉に、それぞれの想いがこもってて、じんわりしました。 フィンレイが「元に戻せばいい」って決断したのも、主を想ってのことだと思うと余計に切ない。 続き、主が話す決心したところで終わったので、すごく気になります!