__________________
どうして、構ってくれないの。
ずっと構ってくれないのか、
毎日のように考えている。
事の発端は2ヶ月前。
学校生活に窮屈を感じた中で、
彼から告白を受けた。
僕は、ただ、嬉しかった。
だって彼は僕の憧れで、
僕の中では生きている人だったから。
僕の返答はもちろんOK。
彼は喜んで感情を抑えきれずに
満面の笑みで僕に笑ってくれた。
彼は僕が思うより甘えん坊だった。
誰もいない場所では性格が豹変した。
誰かいる場所ではいつものような
冷静さを保ち僕に友達のように話す。
そんな彼が僕に見せる笑顔、性格
それが特別感の他何も感じなくて、
僕はただ嬉しかった。
そんな日々が続けばよかったのだ
学校生活だから、試験や行事、
大体忙しい何かがある。
彼は生徒副会長だった。
生徒副会長は企画を考える要になるらしく、
それに判断を下すのが生徒会長らしい。
その為彼はとても多忙で、
仕事に追われる日々を過ごしている。
彼は僕と一緒に帰れぬこと、
とても謝ってくるが、僕はその度
心をすこし痛めてしまう。
本当はもっと一緒にいたい。
そう思うけど、仕方の無いことだ。
彼も僕が足りない、とずっと
連絡で嘆いている。
僕も寂しいよ、とは言いたいけど、
それで彼が無理をしてしまえば
本末転倒なので言わないようにする。
わがままは、言えない。
彼のためにも、彼を思うためにも。
きっとそれがいけなかったのだろう
ちゃんと寂しければ寂しいといえば、
それで良かったはず、だった
そうじゃなきゃ彼は苦しまなかった
きっとこれが発端だ。
そうして冒頭に戻る。
ここ2ヶ月彼は僕に構ってくれない
1週間に1回している電話も
なくなってしまったし、
帰るのもなんだか冷めたように
話も弾けない
はじめて付き合う、なんてしたし
こういう時踏み出せることできなくて、
僕はただ考えて日を終わらせていた
そんなある日の事だ
天気があまり優れない日だった
彼とクラスの違う僕は
窓側の席でつまらない歴史の授業を
受けていた時の話だった
僕のクラスは歴史で、
彼のクラスは体育。
僕のクラスの窓側はグラウンドが
一望できる仕組みになっていて、
僕はこの時間は彼を見る時間にしていた
でも最近は見るのが怖くて
目を逸らしていたが、
今日は彼を見ることにした。
彼が楽しくサッカーをしているのを
満足しながら見て、たまに先生から
見ろ、という指示を受ける時は
目を逸らして、すぐに彼を見る。
彼は少し抜けた所をみんなに見せて、
僕だけにみせていた笑顔を見せていた。
それを見た時は言葉を失って、
目を伏せてしまったがすぐに彼を見た。
辛いけど、見なくては、
歴史の授業が終わり、みんなが
騒ぎ出すくらいには彼は
クラスに戻るため走っていた。
その時に見てしまった
彼のクラスとおなじクラスの、
眼鏡をかけた地味な子
やっぱり、女の子か
僕は男、彼も男
同性はやはり目を引かれるから
僕と一緒にいるのを拒んだんだろう
僕だけに見せてくれた笑顔で
へらへら笑っているのが見るにたえない
怖い、辛い。
ただただ、分からないまま辛い
家に帰って、きっと僕は彼と
離れることになると思った
付き合った、「始まり」があるのは
当たり前のように「終わり」がある。
分かっている
付き合った時に分かっていた
彼と出会えば彼と出会う数は少なくなっていく
時間は有限、分かっている
本当に、分かっている、
わかっている、、、はずだった
今、辛くてたまらないのは、
僕が分かりきれなかったからだろう
きっとそう、いや、絶対そう
僕が、知らないままでいたかったから
僕が知りたくないままで拒んでいたから
彼から否定されるのが辛くて堪らないから、
僕から否定しようと思った。
僕から、言おう。
「別れよう」
返事も既読も即つかない
前まですぐついてたのに、
今の時間帯、絶対家にいるのに
ブロックされちゃったかな、
ブロックされてるなら、
きっとそういうことなんだろうな
こんなに辛いんだ
別れるのって、
彼から返事がくるまで、
今までしたことを振り返った
大体、1年2年ほど付き合って
記念日は必ずどこか行って、
今までだと、遊園地デートしたっけな、
彼が絶叫系に沢山乗るのに率先して行って、
僕は絶叫系にはあまり乗りたくない派。
彼が僕の手を引っ張って行って、
僕に上目遣いするから断れないで
何十回もジェットコースターに乗った。
それから手を繋いだ日は
付き合って2週間くらいで、
はじめてハグをした日は
付き合って1ヶ月くらい。
僕らは確実に幸せだった
子供みたいに楽しかったのに
その楽しさでよかった、はずなのに
そう思っていた時、スマホがなった
驚いて僕は飛び起きるように
スマホに吸い付いた
彼からだった
「俺のせい?」
本当は全部わかっているくせに
とぼけてかわそうとしている
「ううん、最近話せてないでしょ」
「だから僕、飽きられてるかもって」
「飽きてるわけないじゃん」
「ずっと好きだよ」
「あのさ」
「俺はずっと好きだよ」
「同じクラスのメガネの子好きでしょ」
「女の子」
「僕って男だしやっぱり
女の子の方がいいじゃん普通」
「なわけないよ」
「俺はお前が」
「なんで名前で呼ばないの」
そこから連絡は途切れた
彼は僕の名前を忘れるほど
あの女の子と話していたのだろうか
呆れてしまう、どうして、
どうして、僕の名前を忘れるほど、
「止まるってことはそういうこと?」
「今までありがとう」
____________________
change
どうして、君はいなくなったのだろう。
君の名前、どうして思い出せないのだろう
どうして、分からなくなるの。
どうして、わかんなくなったの。
他の人の名前もわかんない。
生徒会長の名前もわかんない。
自分のことすら分からない
大好きな人1人失うほどこんなに、
名前って本当に大事なんだ
でもわかんないんだよな
名前って、本当にわからなくなる
どうしたらいいのかな
名前を忘れていっちゃうなら、
何時しかもっと大切なことも
思い出せなくなっちゃうのかな
でも、君はもう戻らないみたいだし、
俺はそのまま何かを忘れていきながら
生きていくのかもしれないし
親もいない環境のまま、
病名も分からないまま生きていくんだ
だってほら、今
悲しみも忘れていってしまう
君がいなくなったのに
大好きな、君もいなくなったのに
本当に大好きなのかも
分からないくらいなのに
悲しくならないな
どうして、君がいないのに泣けないのかな。
______________
重症
コメント
2件
投稿ありがとうございます😭 これ程までに「好き」というスタンプが実装されて欲しいと願ったのは今日が初めてです…
そういや、君の声も分からないな