SideKirby
ある少女に出会った。
確信はなかった。
でもきっと、彼女がダークマター族の生き残りだと、そう思った。
星を守るため、勝負を挑んだ。
彼女はそれまで無表情だった。
戦っている途中、だんだん彼女の表情はどこか寂しそうになっていった。
そういえば
「私の仲間を、トモダチを、全部…返してよ!!!!」
そう彼女が叫んでいた。
仲間もトモダチとやらも、全部ダークマター族のことだろう。
ぼくが倒してしまったから、彼女は寂しい思いをしていたのだろうか。
ぼくが倒さず追い返しただけならば、彼女は寂しい思いをしなかったのだろうか。
ぼくは剣を振り下ろした。
彼女は光の粒子となってどこかへ散っていった。
…本当に、これでよかったのだろうか。
いくら侵略者だからといって、彼達にも守りたいものがあったのかもしれない。
『…はは。』
自分に嫌気が差した。
なにがヒーローだ。
なにが英雄だ。
銀河みんなの希望を、守れていなかった。
決めつけて、倒して、彼女の希望を奪っていた。
……ぼくには、『英雄』なんか似合わない。
せめてあの子は、仲間に、トモダチに会えたのだろうか。
今のぼくにできることは、もう何もなかった。
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