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「あはっ!バカじゃないのー?こんなのにも耐えられないんだ〜?へぇ〜〜!」
「あっっははははっ笑 笑えるわ〜」
「それな〜〜」
「っ…..!!」
「ん?何?文句あんの?あんなら言ってみろよ!」
「っ、無い、です……」
「はははw バカめっ!」
「プププッww」
「……」
そう、私 ――梨々花(りりか) はクラスメート二人からいじめを受けている。
それも酷い いじめで、だんだんエスカレートしているように感じていた。
放課後にいつも呼び出され、それを断るとすぐに刑をくらうはめになる。
私は何も抵抗できず、ただただヤラれてばかりの毎日だった。
「はぁあ……」
―――私にもっと強い力があれば、あの二人に復讐することなんて簡単だったのかな…
そんな、現実では有り得ない事ばかり考えてしまう。
一言にすると、『現実逃避』…
「も……う や… だ…、」
いっそ、死んでしまおうか。
こんな恐ろしい発想がよぎった、その時だった___
「やぁ、そこのお嬢ちゃん。何かお困りかい?」
「え……」
私に話しかけてきた人は、真っ黒の大きな帽子を被った、独特な少女だった。
髪はショートで、帽子のせいで顔は隠れている。
だが分かるのは、青白い肌で 人間らしく無い、という事だった……
「だ、誰ですか…?」
「私はねぇ、困った人を助ける仕事をしているんだぁ。」
「お嬢ちゃん、どうやらストレスが溜まっているようだからねぇ… 助けてあげようじゃないの。」
「ほ、本当ですか……?」
「えぇ、本当よ。ふふっ、私に任せなさいな。」
彼女は顔を隠したまま、不気味な笑みを浮かべて話していた。
――何故か分からないが、この少女とは関わっちゃいけないと、心が叫んでいるような気がする。
でも、ここから立ち去るなんて恐ろしいこと、私は出来なかった…
すると彼女は、無言のままどこかへフラフラと向かっていった。
一人で待っていると、闇に包まれて 一生帰ってこれないような気まで起こる。
私は一人が苦手、というより怖い。
こんな場所だと、余計に怖くなってしまう。
まぁ、こんな少女相手に怖くなるのも無理は無いと思うけど……
そんな事を考えていると、彼女がまたここに戻ってきた。
「はい、準備できたよ。お嬢ちゃんのための、特別な薬さぁ。」
「薬…?」
「あぁそうさ。これを飲むときっと、ストレス発散出来るんじゃ無いだろうかねぇ。フフフ…!」
「…そうですか…!じゃあ、頂きますね…!代金は…」
「ただで良いよ、特別にね。」
「え!ただ?! 嘘…」
「良いのさ。じゃ、私はこれで。」
「あ、ちょっと待って下さいッ…!」
そう言って立ち去ろうとする彼女を、私は急いで引き戻した。
大切な事を聞くのを忘れていた。
「あの… これ、一日何錠飲むとか、ありますか…??」
私がそう聞くと、彼女は口を大きく開けて微笑んだ。
「一回ぽっきりだよ。それを一回飲むだけで、効果はすぐに現れるはずさ。」
「そ、そうなんですね…!ありがとうございます…」
「あぁ。じゃあね。ストレス発散できる楽しみを、思い切り味わうと良いよ。ふふっ!」
「はい! ……」
最後の彼女の笑いが少し引っかかったけど、この時はこんな些細な事、まだ気にしていなかった…