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さて!第3話目!
どうぞお読みください!
図書室で僕は本を読んでいる。いつもの解剖学の本と、殺人大百科を取り、いつもの席へ座る。
山田がいる席、今日は生憎山田は仕事でいない。
そんなある日、同じくクラスメイトの関根が来た。
「おっ、イッチ、今日も本読んでるじゃん〜杏奈がいない分気楽?」
「…いや、いつもアイツは騒がしいから…逆に落ち着かない。」
「分かるにゃー…杏奈がいないと静かでなんか落ち着か無いよにゃー、」
でも、関根がいることによって、その落ち着きのなさは収まった。
「イッチはさ、いつから杏奈の事が好きって気づいたの?」
突然の話にびっくりした。
「ぇ、!?!」
「そんなに驚く、?」
「いや、関根からそんな話出るとは思ってなかったから…」
……思い返してみる。
付き合ってほぼ半年が経つ今、初めて好きだと自覚した頃の事を。
事はあの事件に遡る、バスケットボール事件のことだ。
山田が保健室に運ばれた直後、僕もついて行って、ベッドの下で山田の様子を見ていた時。
僕が足立の紙と引き換えに渡したあの絵。
そして、その絵がパスケースに大切にしまわれていた事。
そして…仕事に真っ直ぐで、努力している姿。
そんな山田を見て、好きなんだと気づいた。
でも、その当時は気づいてしまった事に過ぎなくて、叶わない恋だということを自覚していた。
結局僕は、最初から山田が好きだったんだと思う。
山田を殺したいと考えていた“あの時”から。ただ、気づくのが怖くて、好意が憎悪に変わってしまっていただけなんだと思う。
「……イッチ?」
はっとする。
僕はボーッと考え込んでしまっていた。
「ご、ごめん、考え込んでた」
「そんなクソデカ感情抱えてたのかにゃ?」
……図星だ。
だって、殺したいと思っていたのだから。
僕はきっと気づくのが怖くて、きっと、叶わない恋だからと、恋が憎悪に変わっていたのだから。
「ああ、好きな気持ちが分かるのが怖くて、きっと……変な方向に突っ走っていたんだと思う。」
「ふーん?それはどんな?」
「今だから言えることだが……」
「山田を殺したい、と。」
「え゛」
「い、今は全然!そんなことないぞ!…と、というかこれ、本人には言うなよ!恥ずかしいから!」
「この萌が言うの我慢出来ると思う!?」
「信頼してるから…言った。」
「!」
……キモかっただろうか。
「…ふ、ふーん、?なら言わないでおこうかにゃ……汗」
「……うん。ありがとう」
翌日。僕は昨日と同じ場所、同じ席で本を開いていた。
「市川! やっぱり今日もここにいた!」
聞き慣れた弾むような声。昨日は仕事へ行っていた山田が、僕の隣に滑り込んできた。
「あぁ、昨日と同じくな」
「そういえばさ……昨日から萌子が、私の顔を見るたびにソワソワしてて。……あれ、何?」 「っ……!?」
関根ぇえええ!!
「……い、いや。関根は……多分、何も。ただの情緒不安定だろ」
あいつ……! 暴露は踏みとどまっているようだが、隠し事が顔に出すぎている!
「ふーん……ならいいんだけど」
山田の追求をかわし、僕はふと気になっていたことを口にした。
「……なぁ。山田は、いつ僕のことを……その、好きになったんだ?」
「えっ、えぇっとね……」
山田は視線を泳がせ、真っ赤になりながら指先を弄ぶ。
「……市川が、私の絵を描いて、渡してくれた時……かな」
「……え、あれ、覚えてたのか」
「もちろんだよ! 忘れるわけないじゃん」
あの、お世辞にも上手いとは言えない僕の「あの絵」。 彼女はあの日からずっと、それを大切にしてくれていた。
……僕が恋に落ちる、ほんの少し前から。
「い、市川は? 市川はいつなの?」
「……僕が自覚したのは、体育の授業で目が合った時だ」
「えっ、じゃあ私のすぐ後じゃん!」
「……そうだな」
僕たちは、ほぼ同じ時間に、同じように互いを見つめていた。
そんな僕らも、付き合って半年。
あの日、殺したいほど遠かった彼女が、今はすぐ隣で僕の名前を呼んでいる。
どうでしたでしょうか!
良ければ♡とコメントくれると嬉しいです!
次回作もお楽しみに!
また今度お会いしましょう!
またねー!