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※在り来り、オリキャラ、短い、注意※





期待って、なんなのか。

私を待つ誰かが善意で投げかけた言葉が

私には大きな負担になる。



















「よし……」そう余韻を残して吐いた

天才かと自賛して、そんな明確では無い評価を自分につけて投稿した。

幸福感に包まれ、暫くはページを開いては閉じてを繰り返した。

でも、気がつくといつの間にかshortの動画を見ていた。

あっ、と気が付きマイページを開いた。


そこには2件のコメントが送られてきていて、そのまま吹き出しのマークをワンクリックした。


『この人、曲の歌詞完璧に捉えてくれてて嬉しい』

『歌声綺麗すぎ』


暖かい言葉に感動した。

私はあるレジェンド曲の歌ってみたを投稿した。

コメント主は私の歌声と表現を褒めてくれた。

その日はふたつのコメントに返信をして画面を閉じた。











数日後、動画を収録しようと今流行っている高音の名曲を選曲した。

これもまた、喜怒哀楽で云うと哀になる。

だからこの曲を必死に捉えようと永遠と聞き続けた。

コメントをくれた人の期待を裏切らぬように。必死になった。

そこから1ヶ月以上が経った頃にやっとその動画は完成した。普通こんなにかかることは滅多にないしオリジナルのMVにした訳でもない。




私は期待を裏切りたい訳では無い。

でも期待を裏切ぬように必死になった訳でもない。

きっと私は一度抱いてくれた 私の褒める点が

たとえ気まぐれだとしても、

絶対に呆れて欲しくないのだと思う。



二度ともう離れて欲しくないんだと思う。



母のようにはなりたくないんだと思う。



母は完璧でまさに才能の原石以上のものだった。

けれど、私が母のお腹にいるとわかった時に

父は母と私を捨てた。

きっと父にとっての

母の欠点は私だったのだ。

簡単に言えば私は父にも母にも邪魔な存在だった。




母にそれを言えば決まって

そんなことないのよ。産まれてきてくれてありがとね。と、言ってくれる。

でも私はそんな母が大嫌いで、

産まれてきてくれてありがとう、が私を苦しめた。

それは私に向けた母からの大きな期待で

私にとっての大きな負担だった。

そして、私が産まれたから、 私がいるから母は

愛した人と別れた。

その現実が私の首をしめた。


それから逃れるために始めたこの活動も

また私を苦しめた。


それでも私は今日も投稿のボタンをワンクリックして永遠の沼に沈んだ。




































もう開放されることはない永遠_。

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