この作品は、人間の残酷さを描いた物語です。
この作品は第二章です。先に第一章を読む事をおすすめします。
いじめシーンがあります。苦手な方はブラウザバックを。
人によっては胸糞シーンもございます。
閲覧自己責任となります。
食事前の閲覧はおすすめしません。
この物語はフィクションです。
これをすべて読んだのなら、本編へどうぞ。
7月
「もう7月かぁ」
私は少し寂しい言い方をする
「そうだねぇ、夏休み楽しみだな〜」
友達がワクワクしながら言う。
寂しいっていうのはあるけど、嬉しさというのもある。
だって、あのいじめから解放されるのだ。
「痛い!やめて…!」
どこからかそんな声が聞こえる。
「あ〜、いじめられっ子変わってから本当面白いよね。」
友達が笑顔でそんな事を言う。
「それな〜、特に泣いてるとことか反抗してる所がまじ面白い」
もう一人の友達が言う。
そこから話はいじめられっ子の悪口ばっか。
そんな話を私は、頷きながら聞いていただけだった。
キーンコーンカーンコーン
予鈴がなる
「あ…じゃあまた後でね」
私はとっさに自分の席に座った。
やっとあの話から解放された、と私は安心した。
授業中、ぐしゃぐしゃにまとめられた紙が通り過ぎるのを私は見る。
投げられた方向には、いじめられっ子がいる。
あぁ、今回は特に酷いな、と私は他人事のように思う。
いじめられっ子が後ろを見る。
「こら!松本さん授業中に後ろ見ない!」
先生が叱る。
「ごめんなさい、……」
クラスメートがゲラゲラ笑う。
いじめられっ子、彼女の名前は松本奏だ。
あ〜あ。と私は呆れた表情をしながら思う。
私はなぜか元いじめられっ子の方を見た。
元いじめられっ子は、笑っていた。
こいつも人なんだな、と私は思った。
7月末
夏休みが近付いてくる。
友達は夏休みについて楽しく語っている
私は友達の表情に合わせ笑っていた。
ガッシャン、と机が蹴られた音がする。
私は音の方向へ振り向いた。
松本さんがいじめっ子の一人、斎藤 悠真の机を蹴っていたのだ。
クラスがざわつく。
「あ〜、斎藤が奏の大事な物に落書きしたんだっけ。」
「え、そうなの?」
友達の独り言に私は反応する
「うん。なんか母親の形見に落書きしたらしいよ。」
私はその言葉に驚く。
「にしても人の机蹴るとか最低だね、松本。」
もう一人の友達が平然とそんな事を言う。
「それ、マジで最低。最近虐めてもだんまりだったしさ。」
友達が共感する
そこからは松本さんの話で盛り上がってしまった。
私は逃げようとしたその瞬間に松本さんに止められた。
「大口さん、あいつに痣が出来るまで殴ってよ。」
その言葉に私は混乱する。
混乱と同時に私ははっきりと断ってしまった。
「え…無理だよ。」
「なんで!?あいつに私のされた事をするだけじゃん!」
その言葉に苛ついた私はついつい言い返してしまう。
「何それ…!私何にもしてないのにやれって!?ふざけないでよ!!」
クラスメートが私の言葉に共感する。
「奏、それはやり過ぎだよ。僕も君を守ってあげたいけど……」
奏の幼馴染、関口 蒼が言う。
「蒼は関係ないでしょ!今は大口さんに話しかけてるの!」
奏が言い返す
「第一、守ってあげたいけどなんて言ってるけど、私の事守ろうとした事ないじゃない!」
「それは…怖かったんだ!仕方ないだろ!」
「自分の事しか考えてないし、守っても無いくせにヒーローぶらないでよ!!」
「何だと、!守ろうとしたからいいじゃないか!」
「どこが守ろうとしたからいいじゃないかよ!じゃあ私の事今ここで守れよ!」
「そ…それは…」
蒼が行き詰まった所を奏が攻撃する
「守れないんでしょ!だったらでしゃばんないでよ!」
クラスメート達が段々奏に共感してくる。
「蒼ダサ。」「次蒼虐める?」「蒼の事無理になったわ〜」とクラスメート達の蒼に対する批判が次々と上がってくる
ついに蒼が泣きだしてしまった
泣きだした所をみな笑っている
そんな光景を見た私は膝が落ちてしまった。
友達が駆け寄ってきた。
「梨奈大丈夫!?」
友達が心配そうに言う
「そりゃ、急に殴れなんて言われて目の前で口論始まったら怖いよね。」
もう一人の友達が言う。
違う、怖いとかじゃない。
いじめのターゲットにならなかったから安心したのだ。
8月
夏休みに入った。
宿題は1週間で終わらせ、暇だから携帯を見ていた。
携帯を見ていたら、Limeの通知がなった。
Limeとは、インターネットを使い友達と携帯で話す事ができるアプリだ。
友達同士でグループを作成して話す事もできる。
「クラスLimeからだ」
クラスLimeとは、クラスのグループの事だ
私はとっさにクラスLimeを開いた
開いたら、とあるサイトのURLが貼られていた
そのURLを押したら、とあるプログが出てきた。
どうやら、蒼の親が作ったプログだそうだ。
そのプログには、蒼の成長についてかかれていた。
プログ全体を見回していると、コメント欄というものがあった。
コメント欄を開くと、そこは荒らされていた。
蒼の悪口、蒼の親の悪口、蒼の恥ずかしい秘密、蒼のありもしない話がかかれていた。
あぁ、これを見せる為にURLを貼ったのかと私は思った。
あれ、蒼ってクラスLimeいたっけ、と私は思った
クラスLimeを再び開き、蒼のアカウントを探した
探しても見つからず、追放者履歴を見た。
追放者履歴とは、グループの追放者を見れる履歴である。
追放者履歴に、蒼が載っているのだ。
「え…」
これを見て私は驚いた。
「もう一回プログを見よう」
プログをまた開いたら、丁度更新されていた。
内容は「蒼くんが楽しそうにゲームをしています。学校は楽しいかと聞いたら、とても楽しいと言っています。子が幸せなら親も幸せ☺」
その内容を見た私は、あぁ、と思った。
気分わるくなってきたから、もう見るのやめよう。
携帯の電源を落とした私は、夢を見て眠ったのでした。
第二章 続く
おまけ
ここまで読んでくださりありがとうございます!筆者の笑笑天使༊༅✧ˈ‧˚⁺です!
第二章では蒼くんがこのクラスのカギとなる話を書いていこうと思っています!
話の構造は大体こんな感じです!
第一章 4月、5月、6月
第二章 7月、7月末、8月、8月末、9月、10月、12月、12月末
第三章 1月、2月、3月
となっています!
第二章は結構長いので前編、中編、後編に分けようと思っています!
この物語を何卒よろしくお願いします。!