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kaede🍁
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おその★
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#❤️💙
みら

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仕事を終えて家へ帰った目黒は、玄関のドアを閉めるとすぐにスマートフォンを取り出した。
『家着いた。体調どう?』
少し迷ってから、もう一つ送る。
『今日は本当にありがとう。ちゃんと休んでね。返信いらないよ。』
付き合う前から何度も送ってきた言葉。
返信不要。
阿部が負担に感じないように、ずっと付けていた。
でも今日は少し違う。
今日から阿部は恋人だった。
そう思うだけで、同じ文章なのに特別なものに見えた。
しばらくするとスマートフォンが震える。
『だいぶ楽。めめもお疲れさま。』
続けてもう一件。
『日記、笑わないでね。』
目黒は思わず笑った。
『笑わない。大切に読む。』
そう返す。
そして、鞄の中から一冊の日記を取り出した。
昨日。
途中まで読んでしまった日記。
阿部が、自分には絶対に見せなかった気持ちが詰まっている。
ゆっくり表紙を開いた。
___________
告白した日。
『めめに全部言われた。』
『恋愛として好きだって。』
『知ってたから驚かなかったけど、ちゃんと言葉にされると思っていたより苦しかった。』
目黒は静かに読み進める。
『俺の気持ちはどうなのか聞かれた。』
『答えられなかった。』
『好きじゃないって言えば終わったのに。』
『どうしても言えなかった。』
目黒の指が止まる。
あの日。
「どうだろうね。」
そう言って逃げた阿部。
あの瞬間から、本当はもう答えが出ていたのかもしれない。
ページをめくる。
『変なルールを作ってしまった。』
『めめが飽きたら終わり。』
『俺が折れたら付き合う。』
『自分で言っておいて、何をしてるんだろうと思う。』
『めめの気持ちを受け止めるのが正解なのか、突き放すのが正解なのか分からない。』
『中途半端に期待させる方が酷いのかもしれない。』
目黒は胸が痛くなる。
自分はあの頃。
脈がある。
頑張れば振り向いてもらえる。
そう思って、ただひたすら前へ進んでいた。
でも阿部はその裏で。
自分を受け入れることと、自分以外を守ることの間でずっと悩んでいた。
___________
さらにページを進める。
その頃から、日記の文章には不安が滲むようになっていた。
世の中の空気が急速に変わっていった時期。
毎日のように流れる感染者のニュース。
亡くなった人のニュース。
当たり前だった仕事も生活も、少しずつなくなっていく。
そして三月。
岩本が活動を休むことになった時期のページ。
『九人でデビューできたばかりなのに。』
『この先どうなるんだろう。』
『仕事もなくなっていく。』
『会えない。』
『何もできない。』
『考え始めると怖くなるから、なるべく考えないようにしてる。』
目黒は眉を寄せた。
そんな顔、一度も見たことがなかった。
電話でも。
リモート撮影でも。
阿部はいつも穏やかだった。
「大丈夫。」
「またみんなで集まれるよ。」
そう言っていた。
まただ。
また一人で抱えていた。
___________
そして、自粛生活が始まった頃。
日記の中に自分の名前が急激に増えていく。
『今日もめめから電話が来た。』
『くだらない話しかしてないけど楽しかった。』
次の日。
『今日も電話が来た。』
『何をそんなに毎日話すことがあるんだろう。』
『でも待ってた。』
目黒は思わず笑う。
その次の日。
『夕方くらいから、今日は何時に電話来るかなって考えてた。』
さらに次の日。
『今日は少し遅かった。』
『来ないのかと思って寂しくなったところで鳴った。』
目黒の視界が少し滲む。
自分だけじゃなかった。
あの頃。
夜になるのを待っていたのは、自分だけではなかった。
『めめの声を聞くと安心する。』
『一人じゃないって思える。』
『毎日電話してくれることに甘えてる気がする。』
『でも今だけはいいかな。』
目黒は日記を閉じそうになって、やめた。
もっと読みたかった。
阿部が言えなかった言葉を。
全部知りたかった。
___________
自粛期間が終わった後。
『久しぶりにみんなに会った。』
『めめにも会った。』
『電話では毎日話してたのに、顔を見ると変な感じがした。』
『やっぱり嬉しかった。』
別の日。
『めめがまた近すぎて怒った。』
『反省してる顔してたけど、たぶん明日には忘れる。』
目黒は小さく吹き出す。
「……ごめん。」
誰もいない部屋で呟く。
でも、その続きに目が止まった。
『本当は嫌じゃない。』
『むしろ、めめが変わらず好きでいてくれることに安心してる。』
『仕事が不安な日も。』
『疲れた日も。』
『めめがいつも通り来てくれると、少し元気になる。』
『いつの間にか、めめのアプローチが励みになってる。』
涙が一滴、頬を伝った。
あんなに必死だった。
迷惑ではないか。
しつこいと思われていないか。
何度も不安になった。
それでも諦めたくなくて続けた。
その全部が。
知らないところで阿部の支えになっていた。
「……よかった。」
目黒は涙を拭った。
「本当に、よかった。」
___________
そして。
とうとう最後のページへたどり着く。
そこには、今日の日付が書かれていた。
目黒はゆっくり読む。
『めめに日記を見られた。』
『本当なら怒った方がいいのかもしれない。』
『でも、全部知られてしまって、少しほっとした。』
その下。
『もう逃げなくていいのかなと思った。』
そして最後に。
少し大きな文字で、一行だけ。
『めめ、お付き合いよろしくお願いします。』
目黒の手が止まった。
「……。」
何度も読む。
もう一度。
もう一度。
『めめ、お付き合いよろしくお願いします。』
とうとう涙が止まらなくなった。
目黒は日記を胸へ抱きしめた。
長かった。
本当に長かった。
隣に座るだけで嬉しかった頃から。
二人で食事へ行くだけで期待した頃。
何度「好き」と言っても届かなかった日々。
告白して。
どうだろうね、と言われて。
それでも諦めなくて。
追いかけて。
追いかけて。
やっと。
同じ場所まで来ることができた。
スマートフォンを手に取る。
何を書こうか迷った。
長い文章を書きかけて、全部消す。
結局送ったのは、短い言葉だった。
『こちらこそ、よろしくお願いします。』
そして最後に。
『大好き。』
送信する。
すぐに既読がついた。
しばらくして返ってきたのは、
『知ってる。』
たった四文字。
目黒は涙を流したまま笑った。
「……それも知ってる。」
誰にも言えない恋だった。
明日仕事で会っても、いつも通りにしなければならない。
近すぎれば、きっとまた怒られる。
人前では、今までと何も変わらない。
それでも。
二人だけは知っている。
今日からはもう。
追いかける人と、逃げる人ではない。
同じ気持ちで、同じ未来へ進んでいく恋人同士なのだと。
目黒は日記を大切に閉じ、枕元へ置いた。
眠る前。
もう一度だけ、最後の一文を思い出す。
――めめ、お付き合いよろしくお願いします。
それは目黒にとって。
どんな「好き」よりも嬉しい、阿部から初めてもらった恋の言葉だった。
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おはようございます☀ 素敵💓😄なんかちょっとした🖤への日記みたい ニヤニヤ😁が止まりません。 朝から良いものを読ませて貰いました。