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「『あなたはどうしようもなく甘かった。』」




「あなたは僕に甘かった。僕が忘れ物しても怒らない。宿題をしなくても怒らない。迷惑をかけても怒ることはなかった。」



『そして君も僕に甘かった。』




「でもあなたの甘さは砂糖の甘さだった。




何にでも溶けた。誰からも必要とされ、平等に甘さを与えてきた。」




「いつしかその甘さを独り占めしたくなった。」






___________________________________________



『君の甘さは練乳かな。』



「いつしかあなたがそう言った」



『ねちっこくて、濃厚でとろとろベトベト。そして気が遠くなるほどの甘さ。


好いてる人は少ないが、逆に嫌いな人は一定層いる。


店ではよく見かけるが、家庭では見ることがあまりない。


君を表すのにピッタリ。』


『最初からその沼に足をとられていたのかも。』



「僕が必要とされなくても君はいつも必要とされる。

あなたの

『君の




意思など関係なくとも』」




『だから僕は自らを焼き、飴になった。そして君に溺れる覚悟をした。』



「むせ返るほどに」

『泣き叫ぶほどに』



「『君はどうしようもなく甘いまま』」

ー純心(仮)ー 超短編集

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