「『あなたはどうしようもなく甘かった。』」
「あなたは僕に甘かった。僕が忘れ物しても怒らない。宿題をしなくても怒らない。迷惑をかけても怒ることはなかった。」
『そして君も僕に甘かった。』
「でもあなたの甘さは砂糖の甘さだった。
何にでも溶けた。誰からも必要とされ、平等に甘さを与えてきた。」
「いつしかその甘さを独り占めしたくなった。」
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『君の甘さは練乳かな。』
「いつしかあなたがそう言った」
『ねちっこくて、濃厚でとろとろベトベト。そして気が遠くなるほどの甘さ。
好いてる人は少ないが、逆に嫌いな人は一定層いる。
店ではよく見かけるが、家庭では見ることがあまりない。
君を表すのにピッタリ。』
『最初からその沼に足をとられていたのかも。』
「僕が必要とされなくても君はいつも必要とされる。
あなたの
『君の
意思など関係なくとも』」
『だから僕は自らを焼き、飴になった。そして君に溺れる覚悟をした。』
「むせ返るほどに」
『泣き叫ぶほどに』
「『君はどうしようもなく甘いまま』」
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