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廊下__
ガキンッ
キンッ
『年取ったんじゃない?動きが鈍いわよ!』
「そちらこそ、思ったより成長していませんし。何より、口の悪さは直ってませんね。」
『直すと思った?』
「思ってません…が、言い付けを守れない子には折檻が必要ですね。
異能力:異能者の喪失:月下獣」
『!敦君の異能…もう、取ったのか。相変わらず手だけは早いね。
異能力:百兆年目の不死鳥!』
異能の技同士がぶつかり合い、周りを破壊しながら戦っている
「…紗雪。感情的になってる。あのままじゃ…負ける。」
「えぇッ!鏡花ちゃん、如何しよう…僕たちは何も出来ない…あッ!そうだ、鏡花ちゃん。未だ、声が届くかもしれない。」
「…分かった。紗雪!感情的になってる!」
和装の少女の声が戦っている少女の耳に届く
『鏡花ちゃん…?』
「余所見は禁物ですよ。」
紗雪を切るはずだった刃が空を切った
『甘いわね。こっちよ。月下夜叉!』
「速いッ!だが、死神夜叉!」
『出たわね!もう逃がさないわ!』
__異能力:月を描く月:羅生門__
「ッ!異能の併用使用…進化しているのですね。ですが、夜叉に物理は通じません。
解除すれば直ぐに…!解除できない!?」
『もらった!』
「ッ….フッ。」
敵異能者が細く笑んだかと思うと、少女の体が吹き飛ばされる
『ゲホッ!ガハッ!…ハァッ..ハァッ……』
「貴方に異能の扱い方を教えたのは私だと何度も言ったでしょう。」
「紗雪さんッ!」
「さて、とどめは後にしてあげましょう。もっと苦しんでくださいね。」
「「…夜叉白yッ!/細ゆkッ!」」
少女と青年の腹部に強烈な打撃が入る
「鏡…花ちゃん…!」
「…大丈…夫。未だ…」
「その強がりも何時まで続きますかねぇ。まぁ、貴方達の異能も、対策方法も調査済みです。」
何とか立て直そうとする二人に、容赦のない追撃が入る
「ッ!ゲホッ!…ゲホゲホッ!」
「ふぅ。元マフィアの殺し屋も何てことないですね。貴方が戦闘員でないことも調査済みです。
さ、紗雪にとどめを刺しますか。言い残すことはありますか?紗雪。」
『…貴方に勝つ方法は未だある。』
「面白い冗談ですね。」
『ハァッハァッ…”七色妖術”…』
「!真逆…止めなさい!それを使えば貴方もお仲間もッ!」
『七色妖術:緑青。』
「ッ!…何という威力…気を引き締めなくては…ッと!」
『七色妖術:紅葉』
「!幻影まで…真逆、未だ解除できるようになっていたとは…予想外ですね。直ぐに応援を…」
少し、ほんの少し気をそらした瞬間
彼女の右肩から鮮血が飛び出た
「い”ッ…呼んでいる時間は無いようですね。」
『…大丈夫。きっと、止めに”来てくれる”。』
少女が独り言のように呟いた
『七色妖術:奥義:天魔獣』
少女の体がこの世には存在しない獣へと変わり、少女の顔に青や朱色の文様のような、傷のようなものが浮き上がってくる
「!死神夜sッガハッ!」
異能発動をする前に肺を貫ぬく
「(は、速いッ!全く見えなかった…)ゲホッゲホッ!」
『フフフッ…アハハハッ!』
「紗雪がッ!」
”グチャッ”と云う、形容したくない、肉が潰れる音が鳴る
敵は倒した、そこで終わるはずだった
『アハハハッ!アハハハハハハハッ!』
自我を失った彼女はもう、仲間と敵の判別すらできない
怪我をした体で、驚きの表情を隠せない二人に襲い掛かる
__紗雪ッ!
少女の手が、二人に届く前に後ろに引っ張られる
それと同時に、彼女が纏っていた異能が解除されていく
「紗雪ッ!落ち着け!二人は敵じゃない!」
『ア…うぅ…お、兄….?….っ……..』
少女はこと切れた様に青年の腕の中に倒れた
「ふぅ、何とか間に合った。」
__太宰!大丈夫か!
「あぁ、国木田君。大丈夫だよ。ギリギリセーフさ。」
「あと少し遅れたら三人の命はなかったね。」
「乱歩さん…」
「僕の推理が遅れたせいだ。」
__乱歩さん!怪我人は!?
「与謝野先生。鏡花ちゃんと谷崎君と紗雪です。もう、瀕死で。解体の必要はないかと。」
「…残念だねぇ。異能力:君死給勿」
「あ、有り難うございます。」
「大丈夫かい?かなり強打をくらってたけど…!未だだ。敦が未だ囚われてる。」
「俺が行く。」
「気を付けなよ。紗雪と敵がほとんど殺したとはいえ、未だ居るかもしれない。」
「分かりました。」
…”一人の犠牲を払って”
少女と妖怪組織の戦いは幕を閉じた、はずだった