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中人)×以外の名が出たキャラはもう優しいのかぁ……ホワアア……()
一次創作 没作ですごめんなさい
グチャ…
生々しい音が響いた。目の前には血だらけの俺の手と、散らかった机や椅子。そして、仰向けに倒れている大っ嫌いなあいつ。
…やってしまった…?
×「おいお前ー!」
☆「…」
×「えー?w無視?wこっちは良心で話しかけてやってるんだけど?w」
こいつが大っ嫌いだ。小学から今の高校まで一緒で、ずっとバカにされてきた。
自分が女で、男になりたいと願う時には「俺」を使ったりして、それをバカにしてくる。
周りの子がスカートで可愛い格好をしているのに対して自分はズボンでかっこいいような服を着ていたり。
「女子なのにw」と笑ってくるこいつが大っ嫌いだった。
そしてこいつと似たような人間がもう一人いた。
父親だ。
父は、「普通」のことは全てその定義で終わらせようとする。
母は私の自由にさせてくれたのに反面、父は毎回反対し、母が言うから、と自由にさせていただけ。
×程では無いがそれなりに嫌いだ。
そんなある日
×「おい☆さんよぉ?w」
☆「…」
いつも通り無視をしていると、母が作ってくれた恐竜の人形を手に持ち、わざと大きな声で
×「あー!wこんな所にかっこいいかっこいい恐竜のお人形さんがーw」
☆「はっ?」
思わず声に出てしまった。今すぐにその汚らわしい手を離してほしい。
×「あらあらあらぁ?これはかっこいいのが好きな☆ちゃんのだってw」
☆「その手離せよ?」
×「えなんだって?聞こえなーいww」
周りで傍観してる人間達が、くすくすと笑ったり、止めた方が良くない?と自分の力でどうしようともできない奴らが話している。
×「いいですか☆ちゃーん?女の子はね、恐竜とかそういうかっこいーいやつじゃなくて、クマさんとかうさぎさんとか、そういうのにした方が可愛いんですよ〜?w」
そういい、×は恐竜の体と頭を別々にちぎり、地面に捨てた。
アニメのような展開に、俺の体は黙ってはいられなかった。
☆「■■■■■!!■■!」
自分でも何を言っているか分からなかった。ただ、怒りをコントロール出来ずに暴言を吐きまくっているのがわかった。
そして、仰向けに倒れているあいつと、そして、私を見る視線。
色々あり、×は入院になった。幸い、命に別状は無く、自分は停学処分。
相手にも悪い節があり、退学とまではいかなかった。
その間、両親に嫌なほど叱られた。だが、やはり母は同情もしてくれる。
そして数日後、いきなりのことであるが、父と母の知り合いが他界し、2人が葬式に行った時、父方の祖母が私の様子を見に来てくれた。
祖母が色々聞いてきたので、事情を話したら父とは違い、母以上に同情してくれたのだ。
そして、意外なことを聞いた。それは、父も女になるのを望んでいたということ。
父がいた時代は男女差別が厳しく、本心を言えないとのことだった。
少し憧れてスカートを履いてみるも、周りの人間に気持ち悪いなどと言われるばかりで、私に同じ気持ちをさせないようにどうすれば良いか相談してきたらしく、
結局、祖母の話に父は影響力がなかったらしく、俺に同じ想いをさせたくない一心であったらしい。
そして、母も祖母に、私の想いをどう受け取ればいいか相談をしてきたという。
その時の2人の共通点が、私に嫌な思いをさせたくない、という気持ちと、俺を男の子にさせてあげれなくてごめん、という謝罪の気持ちであったという。
父と母が葬式から帰ってきた時、お礼を言いたい。と言ったら、祖母はニコニコしながら、ダリアの花束を買ってきてくれた。花言葉は感謝。お父さん、お母さん、ありがとう。そしてごめんね。