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その後、コユキと善悪だけでなく、人間、神、悪魔、魔獣の違いなく全員が必死に説明を続けた結果、一時間ほど経た後、巡査、民生は言ったのである。
「なるほど、魔法を覚えても濫用(らんよう)しない為に既に武器を持って職務に当たっている人間を探して仲間にしたいと…… そして世界を滅亡から救う、ですか……」
コユキは不安そうな表情を浮かべて言う。
「信じられないかも知れないけど、ううん、普通は嘘だって思うだろうけど本当の事なのよ! お願い、力になってくれない? お巡りさん」
民生巡査はにっこりと微笑んでから答えた。
「当然、協力しますよ、何だったら辞職してでもやらせて貰います! 皆さん、一緒に世界を救いましょう!」
「え! 良いのん!」
「当たり前です、本官が、いいえ私が警官を志したのは市井(しせい)に生きる人々の役に立ちたかった、それだけでは有りません…… 幼い頃にテレビの再放送で見た、あの神(じん)一族の様になりたかったからなんですよ! 地球を救うために、地球人の心ない声に傷付きながらも尚、ね…… 是非やらしてください! 仲間達や事故や火事の現場なんかで知り合った消防士や消防団、後は柔道や剣道の仲間にも声を掛けて拡散しますんで!」
「おお、ザンボット〇が繋いでくれたご縁でござったかぁ!」
この声に三人の男が即座に反応して善悪の手をヒッシと掴んで口々に言うのであった。
「和尚さん、貴方もザンボ〇ト3を?」
「ぼ、僕も〇ンボット3信者の一人でっすっ!」
「む、君もか? では悪い奴では無い様だな…… 本官の勘違いだったか」
「俺もザ〇ボット3は大好きでなぁー、そうかぁ、アンタ等もなぁー」
最後に発言したのは、先程まで本堂の中に姿を現していなかったショットライフルを背負った狩野猟師である。
猟銃を目にした瞬間、即座に警戒の色を強めた民生巡査に、狩猟免許と『猟銃・空気銃所持許可証』の青いケースを広げて見せながら狩野は言った。
「大丈夫、法は犯していないぞ! とは言えお巡りさん、現状はそんな事言っている場合ではない非常事態だろう? 反社や半グレにだって世を憂う者だっているんじゃないかな? 彼等にも人々を救う、その為に立ち上がる機会を与えるべきなんじゃないかなぁ?」
ほんの少し迷っているようなそぶりを見せた後、公僕、民生衛巡査は覚悟を決めたような表情で答えたのである。
「狩野さん、確かに貴方の仰る通りですね、事ここに至っては清濁(せいだく)併せ吞む覚悟が当然でしょう! 宜しいっ! 私が本署に赴いて義侠心(ぎきょうしん)があると判断した反社と、男気溢れる半グレのメンバーにも声を掛ける事と致しましょうっ! 兎に角、世界を救う事が最優先ですもんねっ!」
この言葉を聞いて満面の笑みを浮かべた狩野猟師は、本堂の床下に向けてやや大きな声で言うのであった。
「だとさっ! もう大丈夫だよっ! 出ておいでぇっ!」
「?」
首を捻って訝(いぶか)しむ民生巡査の前に二人の男がショボンとしながら姿を現すのであった。
揃って頭や顔、いいや全身に蜘蛛の巣を纏った男達、コユキの義弟’sは本堂の床に手を付いて深く頭(こうべ)を垂れるのであった。
その姿勢のまま声を揃える二人。
「「申し訳ありません、この武器なんですが、どうすれば良いでしょうか?」」
「チャカ? ヤッパ? アンタ達は、い、一体?」
その後さらに話を続けた遵法精神ゼロの義弟達と、真面目属性の民生、狩野の四人は、遂に清濁併せ呑む事となったのであった。
民生巡査、いやいや、もう決定事項っぽい元巡査は言ったのである。
「よしっ! それでは我々今日から魔法を覚えて滅びの運命を回避する仲間達のパーティー名、いいや、ギルド名は抗う者、『抵抗者』を意味する『レジスタンス』としようじゃ無いか! それでいいかな? 皆さん!」
『異議なしっ!』
こうして『聖女と愉快な仲間たち』、『六道(りくどう)の守護者』、『オニギリ友の会』に続く、第四のパーティー、いいや数千年の後まで、『冒険者ギルド』と名を変えて残り続けた滅私の勇気を持つ集団、『抵抗者(レジスタンス)』その組織が生まれたのである。
因みに話し合いが長引いたせいで、コユキと善悪が運命神を伴っての富良野行きは一日延長を余儀なくされるのであった。
最早、派出所に帰ろうともせず、善悪謹製の特製幸福寺地獄極楽カレーに舌鼓を打つ民生衛(たみおまもる)と馬糸信也(ばいとしんや)、長田強(ながたつよし)、緒川幸一(おがわこういち)、狩野猟師(かりのりょうじ)の双眸(そうぼう)は、メラメラ、ギラギラ、ベギラゴンベギラゴンと燃え盛っていたのである、因みに魔法習得の講師にはオールスターズリーダーの四桐鯛男(しきりたいお)が当たる事となった。
重責を引き受けた彼は唸るような声を上げたのである。
「お、和尚様ぁ、地獄カレー(真っ赤)辛すぎますよぉー! し、死ぬぅー!」
「で、ござろ?」
「なははは」
いつも以上に賑やかになった夜は更けて行ったのである。