テラーノベル
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夕方、ソウタが家に帰ると、老人が小屋に招いた。
永らく作業していたものが、ようやく完成したのだった。
それは、打ち上げ花火の花火玉数個と筒だった。
ソウタは驚いて、
「これ、全部おじいさんが作ったんですか?
すごいなあ。
そうか、おじいさんは花火職人だったんですよね。」
と言った。
「久々に作ってみたんだが、まだ腕は鈍っておらんかったようです。
これを使う日が、じきに来るようです。」 と、老人は答えた。
ソウタは老人に尋ねた。
「それはどういうことですか?」
老人が静かに語り始めた。
「私がいた村で、まだ人が数人残っておった時分、ゾンビが大量に増えたら、自衛隊がここいら一帯を焼き払うと、噂が立った。
もう誰もおらんと踏んだらやるじゃろう。
だが、私らがまだここにいる。
それを知らせる術がないものか。
そう考えて、思い付いたのが、この打ち上げ花火じゃ。」
ソウタはそれを聞いて、自衛隊がいつ来るのか心配になった。
自分たちに気が付いて助けてくれれば、それが一番良い。
そう思って、ソウタは、
「じゃあ、自衛隊はヘリで来るんでしょうね。
これから毎日、空を見張りましょう。」
と意気込んだ。