テラーノベル
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実際のライバー様の名前をお借りしていますが、無関係ですのでご本人様の目に触れるような行為は一切やめてください。
誤字脱字などありましたらコメント欄にてご指摘よろしくお願いします。
この先伏字ありません。
この作品は暗めな話ですので、地雷の方は閲覧を控えるようお願いします。
登場人物↓
・かがみなと⚠️kgm体調不良、病み
・はるもち⚠️knmc体調不良、過呼吸
・まぶだぶち(仮)⚠️mln怪我、kisi闇堕ち気味
【ヒーロー】
どさ、と会議室で誰かが倒れた。
「え、~さん!?」
「~さん大丈、で、sか!?」
「お…き、しsy、…べ!」
その者の耳には断片的な声しか届かない。
それどころか、名前も聞き取れない。
「…ぁ、ぅえ、…。」
「d、すか…み、さ…!?」
「いmきゅ、し、bた、!」
自分の言葉も聞き取れる声にならない。、
あー…またか。
痛みを少しでも和らげたくて、意識を飛ばした。
・・・・・
「珍しいなぁ、社長が体調崩すの。」
「ご迷惑をかけてすみません…。」
「いやー?もちさんも甲斐田もえらい心配しとったよ。迷惑なんてかけとらんって。」
病室で2人が会話を交わす。
雷ゴリラと名高い(?)加賀美が、打ち合わせ中に突然倒れたのだ。
病院で医師は、何の問題もない、点滴だけ打って1日様子を見る。とだけ話して業務へ戻って行った。
剣持は学校、甲斐田は桜魔で急遽やる事が決まった為ここにはいない。代わりに、珍しく一日オフの不破が見舞いにやって来たのだ。
2人とも見舞いに行きたいと言っていたが仕方ないだろう。 点滴もさっき打ってもらったし、後は回復するのを待つだけ。
「社長強いでみんなびっくりしとったよ。
あんま無理したらあかんでな。」
「…弱い時だってありましたよ。」
消え入りそうなか細い声でそう言った。
思わず加賀美の方を見ると、こちらをじっと見ていた。琥珀色の瞳に捉えられてたじろぐ。
薄い唇から、言葉が発された。
「死のうと思ったんです。」
そう淡々と言ってのける加賀美は、あまりにも美しかった。
「毎日、毎日、誹謗中傷の嵐。
死ねとかキモイとかくたばれとか、そりゃあもうたくさんありました。」
でもね、とこちらを見て笑いかけた。
それはもう儚くて、今にも溶けてなくなってしまいそうな程。
何も知らないふりをしてなぁに、と聞いた。
加賀美は嬉しそうにして言葉を続けた。
「貴方がいてくれたから、私は頑張れたんです。ありがとう不破さん。私がここまで頑張れたのは、貴方のおかげ。」
屈託のない笑顔でそう告げ、薬が効いてきたのかしばらくして寝息が聞こえてきた。
ベッドの背を倒し、肩までブランケットをかけてやる。
そしてまた椅子に座って深くため息をついた。
なぁ加賀美さん、俺何もしてないよ。
貴方が苦しんでた時も、辛かった時も、悲しかった時も、何も察せずにお気楽に過ごしてただけだよ。 それなのに彼は自分をヒーローのように扱ってくれる。
俺は貴方のヒーローにはなれない。
それでも、貴方が救いを求めるのなら。
「俺に貴方を守らせて。」
【頼れる後輩】
「かひゅ、」
喉から、みっともない音がした。
多分自分の不調には気付けていなかったんだろう。そうでなきゃこんな失態は犯さない。
大丈夫、少し体調が悪いだけ。
体を起こしていつも通り呼吸すれば、元通_
「もちさん?」
いつの間にか、扉の前に甲斐田が立っていた。
酷く心配そうな表情で固まっている。
「…ぁ、…かぃ、だ、く……」
自分は大丈夫だから心配しないで。
そう告げようとしたが上手く言葉にできない。これは相当、まずいことになったのではないだろうか。
何とか場を収めたくて呼吸の仕方を変えてもダメで、過呼吸気味になるだけだった。
酸素が十分に回らなくて苦しい。頭も痛いし気持ち悪い。
「もちさん。」
負の感情がぐるぐる頭を回っていると、今度はいつになく真剣な声で甲斐田が剣持を呼んだ。
蹲っている彼の背を摩りながら尋ねる。
「僕はそんなに頼りないですか。
心配されなくても大丈夫って思ってるんですか。」
「ぁ、んぇ…」
「顔に全部出てました。
何年ROF-MAOやってると思ってんすか。」
少し顔を顰めてそう言い、僕を抱きしめた。
いつもなら媚びだ!とか言って全力拒否(そもそもいつもならこんな事しない)するが、今は状況が状況だから受け入れておく。
背をとんとんと叩いて、幼子をあやす様に剣持に語りかける。
「大丈夫、大丈夫ですよもちさん。
ゆっくり深呼吸して。息吸って、吐いて。」
「ひゅ、は…っ、ふ、…は…」
「いいですよ。もう一度。」
「ふ…は…ひゅ、…ふ…」
「うん、だいぶ戻ってきましたね。」
「あ、りがと…。」
「いえいえ。」
「ごめん、僕の方が先輩なの…」
「あのね、確かに僕は一番の後輩ですけど、貴方より大人なんですよ。
だから遠慮せず頼ってくれたら嬉しいです。
体調不良なのも気付いた時点ですぐ言うこと。気付いて隠そうとしないこと。
鉄則ですからね、分かりました?」
「…ぅ、ん…」
「それなら良かった。謝罪とか要らないですから、もう寝ちゃって下さい。」
頼りない甲斐田の癖に…
とか色々思ったが、今回ばかりは頼るしかなかったし、実際頼れたので言わないことにする。
剣持をソファに移動させ、近くにあった毛布をかけた。甲斐田はその傍まで椅子を持ってきて静かに座る。
やけに静かになった控え室で横になっているのが原因なのか、すぐに剣持の寝息が聞こえてきた。そんな彼を横目に甲斐田が独り言を呟く。
「もっと頼ってくれてもいいのに…。」
実際、たまたま早めに控え室に行った事にこれ程感謝したことはない。
そこで変な呼吸をして倒れている、尊敬する先輩の剣持を見つけた時、自分はどんな顔をしていただろう。
とてつもなく焦って初めは声が出なかった。でもどうにかして自分を宥めようとする剣持を見て、どうにも嫌な気持ちになったのだ。
病気で床に倒れている人間なんて今まで山ほど見てきた。その者達の処置なんて分かり切っている。
貴方より長く生きているんだから、これくらいやらせて欲しい。年相応に振舞って看病させて欲しい。
「分かんないよなぁ…やっぱ。」
後輩が最も多い彼のことだ。
自分よりどれほど大きな重圧の中にいる事か。
後輩に頼るなんてほぼしないだろう。
それでも、それでも自分は頼って欲しい。
ライバーにとって大きすぎる背中を見せている貴方が弱っているときこそ、誰かを頼って欲しい。
「お願いだから、抱え込まないでね。
もちさん。」
【そのままで】
「付き合わせちゃってごめんね魁星くん!」
「えぇよ全然…って言いたいところやけど、ここどこ??」
「まぁまぁ、細かい事は気にしなーい♩」
ルンルンで歩き進めるミランに着いていく魁星。
何でも同期である立伝都々の手伝いで、依頼主の探し物を見つけてきて欲しい、との事だった。
「こんなとこに探し物なんてあらへんやろ。」
「いやぁ、見つかるものだよ。意外にね。」
曖昧な返事な会話をしている内に建物が密集している場所に出た。
どこもかしこもコンクリートのビルばかりで少々息がしづらい。
ここには流石にないなぁ、と今来た道を引き返そうとした時だった。突然何かの泣き声が聞こえ、2人とも動きを止める。
「え、何この声?」
辺りを見渡すと1人の子ども。
どうやら時が捻れてここまで迷い込んでしまったみたいとミランが解説を付け加える。
「まーとりあえず保護しとくか。」
「そうだ、」
地響きのような音が辺りに響いた。
瞬間、子どもの後ろの建物が崩れ、コンクリートの塊が全員を襲った。
「い゛っ ……」
「えっ…み、ミランさん!?」
突如後ろから短い呻き声のような声が聞こえ、思わず振り返る。
見るとミランが座り込んでいて、その足が血だらけになっていた。瓦礫が飛んできたのだろうか。何にせよ歩ける状態じゃない。
子どもも同じような状態で、腰が抜けたのか泣き喚いている。
今、自身で逃げられないのはミランとあの子どもだけ。どちらを助けるかなんて明白だ。
「魁星くん、あの子を助けてよ。」
「…は、でもあんたが…」
「私時魔道士だよ?
なんやかんやあっても上手くいくから。」
ミランを助けるにはあの子どもが邪魔で、あの子どもを助けるにはミランが邪魔で。
どちらかを必ず殺さなくてはならない、という状況らしい。
ミランはあの子どもを助けてと言った。
でも自分は……
「魁星くん。」
「…っ……」
ミランの瞳が魁星を見た。
その瞳は、高潔で美しかった。
踵を返して子どもの方へと向かう。
・・・・・
「…い、ったぁ…。」
瓦礫から身を起こして周囲を確認する。
まさかあの大崩壊から生きて逃れられたとは。よっぽど運が良かったらしい。
どれほど時間が経ったのだろう、目の前にそびえ立っている時計塔は、記憶の中の時刻からまだ数十分しか刻まれていない。
こうも無事だと子どもを託した魁星が気になるものだ。
そう思って、怪我をした事なんて忘れ立ち上がり、魁星を探し始めた。
「……あ、いた。」
探し始めてから数十分後、前方から魁星がやって来た。
良かった、彼も無事みたい。
安心して声をかけようとした時だった。
どさ
「……え、」
彼の手からこぼれ落ちたのは、真っ赤に血濡れたナニカ。
よく見ると魁星の手や顔は、返り血のようなもので所々真っ赤だった。
何が起こったのか、どうしてこうなったのか、あの子どもはどうしたのか、聞きたいことが上手くまとまらずに言葉にならない。
そんな時に、魁星が酷く冷たい声色で呟く。
「避難した時、子どもが怪我しとってん。
『怪我したのはお前らのせいだ。早く助けてくれたら良かったのに。』って騒ぎ出して。
儂はお前のことなんかどうでもよかったんや、って思ったら、なんか…やってまった。」
へら、と笑って見せた。
その時見えた八重歯がやけに鈍く光って見えて恐ろしかった。
「…うそ。」
やっとの事で声が出た。
手の中には真っ赤に染ったナニカがいた。
顔の色が失われていくのを感じた。
安堵よりも恐怖を覚えた。
さっきまで晴れていた空は、雨が降りそうだった。
「…人殺してもさ、
あんたは友達でいてくれる?」
ぽつ、ぽつ、ぽつ。
頬に雨粒が伝う。その内酷い大雨になってきて、全部拭われた気がした。
でも気がしただけで、彼の手の中にいるナニカは依然形を変えないし、幻覚になるわけでもなかった。
コメント
1件
読了しました…。 3つの視点、どれも胸がぎゅっとなりました。 特に魁星くんの「人♡♡♡てもあんたは友達でいてくれる?」って言葉がずっと頭から離れないです。明るかった彼がそこまで追い詰められる瞬間の描写、凄く生々しかった。 りりさんの描く“闇”の表現、すごく好きです。大切に読みますね。
フェルノ液
なや
1,776
#srp
すば
169