小さい頃に書いた手紙が出てきた。
えんぴつで書かれたその文字は、なんだか動き出しそうな位にぐにゃぐにゃとしている。
汚い字だなぁと思いつつ、今もそこまで変わらないのを思い出し一人苦笑した。
さて、どんなことが書いてあるのだろう。
あまりにも汚いその文字に、首をかしげながらどうにか読み進める。
そして最後の一文を読んだその瞬間、私は申し訳ない思いで呟いた。
「ごめんね」
未来からお返事は出せないんだ。
「でもね、あなたからの言葉はきちんと届いてるよ」
未来の自分への手紙、もう一度書いてみようかな。
お気に入りのデザインの便箋を選び、ボールペンで書いていく。読みやすいよう丁寧に。
終盤の文章は少し考えて、こう綴った。
お返事は要りません。自分で答えを見つけます。
どうか、この手紙を未来の私がちゃんと読みますように。