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「……随分、役に立たない奴らねェ……」
校舎の空気が、
ねじれる。
声だけが先に届き、
次の瞬間――
クレアの邪が姿を現した。
その存在感は、
これまでとは明らかに違う。
「……っ」
ブルーミーの視界が揺れる。
傷は、ない。
だが、身体は重く、
思考が霧に包まれていく。
――肉体疲労。
――正気度の急激な低下。
「……読まれてる……」
クレアは、
すでに理解していた。
ブルーミーの戦い方。
判断の癖。
迷いが生じる瞬間。
重たい一撃が、
空気ごと叩きつけられる。
ブルーミーは、
後方へ弾かれ、
壁に背を預けた。
「コイツに……
どうやら……会えそうだな」
クレア、いや邪は、
歪んだ笑みを浮かべる。
「叶えてやっても、 良いぞ?」
左腕が変形し、
邪の刃へと変わる。
その瞬間――
風を切る音。
クレアの横を、
鋭い光が掠めた。
古代兵装・矢。
「……?」
クレアが振り返る。
そこにいたのは――
リンク、エンゲル、バブル、タヴェル、チップ。
「遅れて悪い」
リンクは、
退魔の剣を構え、
一歩前に出る。
「相手は俺がやる」
クレアは、
楽しげに肩を揺らす。
「……勇者、かァ……」
次の瞬間、
剣と刃が交錯した。
リンクの剣技は、
一切の無駄がない。
踏み込み。
切り返し。
連撃。
クレアは応じるが、
押されている。
「ハァ!」
横薙ぎを防いだ瞬間、
足元を崩され、
体勢を失う。
リンクのジャンプ斬り。
クレアは、
紙一重でかわし、
背後へ回り込む。
だが――
「今だ!」
タヴェルの声。
古代兵装・矢が、
正確に放たれる。
クレアは直撃を避けるが、
邪の身体が大きく損なわれ、
動きが鈍る。
「……チッ!」
距離を取り、
そのまま後退。
「おい!待て!」
リンクが叫ぶ。
「逃げんな!」
クレアは、
歪んだ笑みを残したまま、
闇の中へ消えていった。
校舎に、
静寂が戻る。
その時――
リンクの持つウツシエが、
淡く光った。
《……リンク》
ゼルダの声。
《今の反応……あの子……
クレアは、 完全には退いていません》
リンクは、
剣を下ろさず答える。
「分かってる」
「……次は、 本気で来るな」
ブルーミーは、
壁に手をつきながら、
ゆっくりと立ち上がった。
戦いは、
まだ終わっていなかった。