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佐野いちご
95
🐰side
夏祭りの日から時間はあっという間に経ち、新学期が始まった。
カイリュウともナオともあの日以降顔を合わせていない。
「おはよ、セイト。久しぶりやな」
朝一番にランに声をかけられる。色々なことがあったからこそ何も変わらないランに安心する。
おうと返事をして朝のHRが始まるのを待つ。
ーーーナオ、くるかな。少し緊張しながらランと話していると後ろから聞き慣れた声が聞こえた。
「セイちゃんランちゃんおはよ〜う!久々すぎて遅刻ギリギリやったわ!ナオのこと待ってた?♡」
今まで通り明るく接してくれるナオ。そんな姿を見てまた泣きそうになってしまう。でもそんな俺をナオは見たくないと思うから、ありがとうという言葉を飲み込んで待ってへんわと軽口を叩いたーー。
授業が終わり、放課後になる。しばらくサボっていた部活も流石にいかなあかんと思って重い腰を上げる。
そんな俺の気持ちを汲み取ったかのようにナオが隣に来て話し始める。
「セイちゃん部活、久々やな?腕鈍ってるんちゃうん?笑」
「、、、まじでそうかもしらんから言うなや」
「ぷぷぷ〜笑 てかさ、部活行く前にちょっとだけ時間ある?話したいんやけどさ」
軽いノリから一変して話を切り出すナオヤ。話ってなんやろと思いながら2人で屋上へ向かった。
「うわあっつ〜!日焼けしてまうやん〜。あ、あそこ座ろセイちゃん!」
俺の手を引いてベンチに腰掛けるナオヤ。2人でジュースを飲みながら雑談を交わしているとナオが少し黙った後話し始めた。
「、、、あの日はありがとうね。ちゃんと断ってくれて。ナオ、めちゃくちゃ悲しかった。でも今はほんまにスッキリしてんねん。」
あの日のことを思い出して胸が痛む。なんて声をかけていいか分からずにいるとそのまま話し続けるナオ。
「ほんまやで?笑 だからそんな気まずそうな顔もうせんとってや、やっぱナオはセイちゃんの笑ってる顔が大好きやねん。」
「、、、ありがとう。ナオ」
「しみったれんなよな〜!これからも今まで通り仲良くしよ?」
そう言って笑いながら背中を叩くナオ。ナオの優しさに温かい気持ちになった。
「てかさ、あの後はカイリュウと会えたん?」
「、、、おん。会えた」
「え!よかったやん!あの人混みでよう見つけられたな?どうやったん?」
ナオに話すのもと少しためらったが俺も正直に話そうとあの日あったことを伝えた。
ナオは少し考えてから俺の様子を見て、そんな顔せんと前向きにいき!とまた背中を叩いてくれた。
その後はもうこんな時間やと2人で慌てて部室へ向かった。
ーーーカイリュウ、おるかな。
少しの期待と不安が入り混じりながら、足を急がせた。
コメント
1件
あ〜、もうめっちゃ良かった…!ナオの「笑ってる顔が大好き」ってセリフ、グッときたわ。あの日の後で気まずくなるかと思いきや、今まで通り接してくれる優しさにセイトも救われたやろな。最後のカイリュウへの期待と不安、次どうなるんやろ…続き気になる🔥