「ついに倒れてしまったんですね?」
青「え?」
意味がわからなかった。
「ついに」ということはやはり何かあったのだろうか。
「何も聞かされてないんですね。」
青「はい….」
「うるみやさんは持病があるんです。」
青「それは、治るんですか?….」
うるみやの担当医さんは首を横に振った。
「発見が遅くて治る可能性が…..」
青「どうして…..」
なんで君は言ってくれなかったんだろう。
君は何を思って俺に言わなかったのだろう。
dr.「とりあえずうるみやさんのところに行ってあげてください。」
青「わかりました。ありがとうございます。」
早口でお礼をし、君のもとへ足を進めた。
君はもう目が覚めているようだった。
なにもない虚空を見つめる君は今すぐにでも消えてしまいそうだった
青「うるみや?」
橙「おわ、しゃるか。」
橙「ごめんなぁ、倒れてもうたわw」
青「笑い事じゃないから。」
橙「あは、w」
笑い事じゃない、なんて真面目な顔で言ったら君は顔をしかめて辛そうに笑った。
青「なんでッ…..」
橙「?」
青「なんで言ってくれないんだよッ…」
青「どうして黙ってたんだよッ…..ポタッ」
橙「しゃる…..」
橙「ごめん。」
橙「迷惑かけたなかった。」
青「迷惑って….」
青「頼るのは迷惑じゃないから、」
橙「うるみやはしゃるとおれる日常を壊したくなかった。」
橙「うるみやがタイムリミットあるなんて言ったらきっと….」
橙「しゃるは色んなとこ連れてってくれるんやろ?」
橙「でも…..」
橙「しゃると何気ないことで言い合って、何気ないことで喧嘩して、何気ないことで笑うのが好きやった。」
橙「しゃるとの日常、壊したなかった。」
青「うるみや….」
知らなかった。
君が俺との日常を、俺との毎日を、そんなに大切にしてくれているなんて。
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