テラーノベル
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リビングには、いつもの空気が流れてた。
テレビの音、ソファに沈むもと、スマホをいじるひろ、キッチンで何か探してるりょか。
その中で、〇〇は何も言わずに立ち上がった。
「……あ」
もとが一瞬だけ目で追ったけど、声はかけなかった。
〇〇は振り返らず、そのまま自分の部屋へ行って、ドアをそっと閉めた。
——カチャ、って音が、やけに小さく響いた。
それから少しして。
りょかがふと手を止めて、首をかしげる。
「……静かすぎない?」
ひろも顔を上げる。
「さっきから、〇〇が部屋に籠ってるけど」
もとは何も言わず、立ち上がった。
理由はわからないけど、胸の奥がきゅっとした。
〇〇の部屋の前に立つと、ドア越しに、かすかな音。
……息を吸う音。
震えてる、声にならない声。
「……〇〇?」
もとが低く、優しく呼ぶ。
返事はない。
でも、ドアの向こうで、確かに泣いてた。
ひろが眉を下げる。
「……泣いてる」
りょかはすぐにノブに手をかけたけど、止まって、もとを見る。
もとは小さく頷いた。
ドアを開けると、カーテンも閉めた薄暗い部屋。
ベッドの端に座って、〇〇は膝を抱えてた。
顔は見えなくても、肩が小さく揺れてるのが分かる。
「……なんで、ひとりで泣いてんの」
もとは責めるでもなく、ただ隣に座った。
ひろは反対側から、そっと背中に手を置く。
りょかは床に座って、目線を合わせる位置に来た。
「言わなくていいよ」
りょかが、ゆっくり言う。
「理由、まだ言葉になってないでしょ」
〇〇は小さく首を振った。
涙がぽろっと落ちる。
「……なんでもないって、思おうとしたの」
かすれた声。
それだけで、3人の胸がぎゅっとなった。
「思おうとしなくていい」
ひろがすぐ言う。
「泣いてる時点で、なんでもあるから」
もとは〇〇の頭に手を置いて、撫でる。
「ここまで我慢したんでしょ」
〇〇は、とうとう顔を上げた。
真っ赤な目で、唇を噛んでる。
「……迷惑、かけたくなかった」
その一言で、空気が変わった。
りょかが苦笑して、でも目は本気で優しい。
「それ、一番聞きたくないやつ」
ひろも頷く。
「〇〇が泣いてるのに、俺らが平気でいられるわけないじゃん」
もとは何も言わず、〇〇を引き寄せた。
胸に顔が埋まる。
「迷惑ならさ」
静かな声。
「最初から好きになってない」
〇〇の肩が、びくっと震えた。
「言わなくていい。説明しなくていい」
「ただ、ここにいて」
背中を撫でる手は、ゆっくりで、確かで。
ひろは〇〇の手を両手で包む。
りょかは膝に額を預けるようにして、そばにいる。
泣き声は次第に小さくなって、嗚咽に変わって、やがて、ただの呼吸になる。
「……ごめん」
〇〇が小さく言うと、3人同時に首を振った。
「謝ることじゃない」
「むしろ、来てくれてありがとう」
「気づかせてくれて、ありがとう」
重なる声が、あったかい。
もとは最後に、〇〇の額にそっと自分の額を当てて言った。
「泣く場所、間違えないで」
「ここ」
「俺らのとこ」
〇〇は、力を抜いて笑った。
涙はまだ残ってるけど、もうひとりじゃなかった。
部屋の外は静かで、世界は何も変わってないのに、
〇〇の心だけが、少し軽くなってた。
——ちゃんと、愛されてる音がしてたから。
リクエストありがと!他も大歓迎
コメント
7件
あ、リクエスト書くの忘れてた笑 リクエスト!!なんな前もこうゆう系あったんやけど、他のグループのテレビ見ててきゃーきゃー行っててミセスが顔を見合せてーからのそこはもずくに任せます💕
うぅ😭こっちまで泣けるぅぅ😭😭