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風が吹いている
またここに来てしまった
道は元からある物じゃなくて誰かが通ったから出来たんだよって何かに書いてあった気がする。だとしたら今、歩いているこの道は誰が作って誰が通った道なんだろう。この道を歩いたり転んだり走ったりした人たちは現実世界ではどんな人なのだろう。数え切れぬ程の星を見たのだろうか、砂糖の量を間違えたお菓子みたいに甘い恋をしたのだろうか。歩けなくなるぐらい怖いことも経験したのだろうかな。うぅ…ちょっと気になってきたよ
「お?若いのじゃあないか。あの時の」
「はい…?誰でしょうか」
話しかけて来たのは聞いた事のある声だったけれど、見た目は子供だった。僕と同じプレイヤーなのだろうか?
「…この見た目じゃ分からんか。ほいと」
子供はくるっと回った、そこには僕を助けえくれたあのじいさんがいるじゃないか
「変装してたっ…うわわぁ?!じいさん!?」
「細かいことは後だ!来い!」
僕はじいさんに手を引かれ、走らされた
ものすご〜〜く早かった気がする
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「ぜ、ぜぇぜぇ…じいさん早すぎるよ」
「すまん、時間が無いのでな。胸元の時計を見てみい」
胸元?そう言えば音がしてたな。これか
「後40分…?」
丸い時計の針は<4>を指していた
「それが多分、お前さんのこの世界にいられる
制限時間じゃよ。ほれ、解け」
「え?」
じいさんは白い手のひらサイズのキューブを
僕に投げた
「これを解けばいいの?」
「そうじゃ!ほれ、時間が無いぞ!!」
胸元の丸い時計の赤い長針は静かに文字盤を
なぞっては一周するを繰り返ししていた
訳も分からず、僕は渡されたキューブを弄ってみた。ガチャガチャと動かすと、片面の色がちょっとだけ赤色に変化した
なるほど、これを全て揃えろってわけか
「後、これも持っとけ、な」
じいさんは3角が付いた膝ぐらいある旗を渡した
「置いてみいてきとうなとこに」
「はぁ…」
僕はとりあえず座っていた近くに旗を置いてみた
<セーブ位置が変更されました>
「…これはどゆこと?」
「次からはここの位置からゲームスタート出来るって仕組みじゃ。って!いいから早くそれを解くんじゃ時間がない」
時計の針は<6>を指していた。しかし、この
パズル、難しいぜ。片方の面を単色にしたよし、次の面をと一つ回すだけで色が変わっちまう。1時間じゃ到底…
「無理なのは分かっとるわ!出来なかったから
次も同じパズルをやればいい。ワシは出来るまで何度だって付き合ったるわ」
…心を読まれた!でもいい人だった
そうして、僕は何やかんやあって
「で、出来たー!全面同じ色に出来たー!」
「おぉ〜やるなぁ!」
は、嬉しいけどこれがなんの意味があるんだ
<ゲームの制限時間に達しました>
あ、と思った時僕は既に部屋の天井を眺めていた