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……大方の予想に反して、何事もなかったかのように、真梨奈は時間通りに出勤してきた。
彼女は、あの医師に誘いを拒まれたせいで、プライドを傷つけられ、職場を辞めても不思議じゃないようにさえ、私自身も思っていた。
──ランチタイムになり、真梨奈が喋りたくてたまらないといった様子で、
「ねぇ、智香、聞いてくれる?」
さっそく私に話しかけてきた。
「うん…何?」
クリニック近くのカフェに入ると、
「政宗先生ったら、ホント信じられないんだけど……!」
ランチのパスタをクルクルとフォークで巻き取りながら、
「私が、何度も誘いかけてるのに、全然その気にならないの! 信じられる!?」
と、語気を強めて喋った。