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12:33 通学路
帰り道、電車に乗って今日のことを思い出す。
風「まさか入学式の日だけで部活も楽器も決まるとはな…」
窓の景色を見ると、まだ覚えていない場所。窓にはうっすらと自分が写っている。
クセのかかった水色の髪と青い空が同化…してないか。
『次は、加尾~加尾~』
『The next stop is KUWABI KUWABI 』
電車のアナウンスが聞こえる。
風「…まだ時間があるな…」
感じ取った私は、空いているソファに座り、眠りについた。
12:40
ヴーーー、ヴーーー、
体に振動を感じる。
目を覚ますと、お母さんから電話がかかっている。
風「もしもし?」
母「もしもし?今大丈夫?」
風「大丈夫だよ!どした?」
私は明るく話す。
母「ちょっと話したいことがあるんだけど…加尾駅に来てもらっていい?」
風「加尾駅…」
さっきこえた駅である。電車についている液晶画面を見ると
『茂木(もき)』
と書かれていた。
風「了解!」
母「よかった、おねがいね!」
ツー、ツー、
電話が切れた。
「三、四駅折り返すのか…」
電車を乗り換えるのが面倒になってきたため、歩くことにした。
12:55 加尾駅南口前
加尾駅につくと、幸いまだお母さんはきていなかった。
途中であったメールを見ると、
『実花もつれてきておいてね』
と、お母さんからメールがあった。
『(“◇”)ゞ了解!』
と返信し、実花に電話をかけた。
風「もしもs…」
実「このBL大好き腐女子マンになにかようかい?」
私は一瞬固まるが、いつものことだと言い聞かせる。
実「もうお姉ちゃん!そこh…」
風「それを言うなら腐女子ウーマンだろ!って?」
実「お姉ちゃ~んわかってんじゃ~ん!」
風「キモい」
実「おまえがいうなや」
実花は高らかに笑っている。
『実花』
私の妹だ。誰かさんに似て、ものすごく頭がおかしい。
なのに誰かさんとはちがい、金髪に黄色い目。
純粋な目をしているのに、脳内では日々BLを妄想し、隙あらば現実逃避旅行にでかける、
さらには『寝ても寝ても眠い』がキャッチコピーの、
腹黒な睡魔だ。
風「おかあ(お母さんのこと)からきいた?加尾駅きてって」
実「聞いた聞いた!だから今向かってるとこ」
風「おけおけ、じゃ、それで~」
実「ちょっとまって⁉それだk…」
ツー、ツー、
電話を切った。
母「二人とも来たね。」
私たちは母の顔を見ながらうなずく。
明らかに旅行行ってk…
母「ママさんたちと家族旅行にいってくるぜ!」
…ネタを先にいわれてしまったが、姉妹は驚いた表情で顔を見合わせる。
実「家族旅行って、おかあたちで?」
母「そうなの!それでしばらく帰ってこないから、
皆で住んでもらおうと思って!
… … …
二人「…住む⁉」