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- ̗̀⚠︎ ̖́-
hsrb.kyng.mrkm × inm
200人⤴︎︎︎記念のストーリー、2番です
自傷、病み注意
エセ関西弁注意
inmがだいぶ思い詰めてますご注意を
inm視点
数週間前にあった大型任務で市民を庇い、怪我をして検査入院をした後すぐ退院をしてから早2週間。
やっと任務を行えるようになったというのに。
Dyticaのうちの誰かと任務に行くと必ずと言っていいほど庇われるようになった。
そのせいで俺だけは無傷、なのにみんなは傷ができているような状態がずっと続いていた。
元々大型任務の時から自分の心が不安定になっていたのには気づいていたけど流石にもう限界かも。
なんて思い1人布団に丸くなり眠りにつく。
明日には治っていて欲しい。
汚い俺じゃなくてスーパーヒーローの伊波ライになって欲しい。
なんて思っていたがたった一日で心の傷が治るはずもなく、異変を感じ取ったヒーロー本部のお偉いさんからは1ヶ月程休みを無理やり押し付けられた。
俺が任務に行かなくなってからDyticaの怪我が減ったという話を良くしてくれてるヒーロー伝いから聞いた。
やっぱり俺がみんなに怪我を負わせていたのだと、悪い方向に思考がどんどんねじ曲がっていく。
元々庇われるのが嫌いだった。
お前は弱いのだと、同じ土俵にすら立てていないと昔俺を嫌っていたヒーローに言われたその言葉を3人に肯定されているようで酷く嫌っていたのに。
俺が庇われることを嫌ってる理由は知らずとも庇われることを酷く嫌っていることなんてみんな知っているはずなのにそれでも庇ってくるということはもうこのチームには要らないのかもしれない。
そう思いどんどん呼吸が浅くなっていく。
気づけば自分の二の腕を切っていた。
スーパーヒーローの伊波ライなら絶対にしないはずなのに、しちゃいけないはずなのに。
今だけはと思いつい切ってしまった。
ロウや星導、カゲツが負った傷の分だけ腕を切る。
「ぁは、やっぱりなおんない。ずっとまえから
きたないおれのまんま…。」
涙が溢れてベッドのシーツをきつく握りしめている手に落ちていくのも気にせず腕を切る。
あの頃のように。
最近は前より外に出ない日々が続いていた。
たまに課題関係で取りに行きたいものがあって拠点に取りに行く時以外は基本的に大学と自分の家を往復するだけ。
課題もきちんと終わらせてるし、今出てる課題は卒論だけ。
年は取らなくても単位さえ取っていれば次の学年へ行けるため気づけば卒業の年になっていた。
卒論を進めながら腕を切る。
腕を切った日はよく眠れるしきちんとご飯も食べられる。
いいことずくめだな。なんて思っていればあっという間に1ヶ月が過ぎた。
すでに卒論は提出済みで、いつも真面目に授業を受けていたからとこの後の出席は免除された。
課題はパソコンで出してくれるらしい。
ありがたい限りだ。
今日からまた任務へと向かうことになった。
心の傷はまだ治っていない。
それでも俺はみんなのスーパーヒーローだから。
きっと平気。まだスーパーヒーローになれる。
そう自分を奮い立たせて今回の任務の場所へ歩みを進める。
10分ほど待っていると全員到着したため全員に今回の要注意事項と作戦を伝え、各々自分が待機する場所へ向かう。
今回の任務はいつもより強い敵が多くてしかも俺に不向きな妖と言われるような類の敵だった。
妖の攻撃を避けきれず、怪我を負うがそんなことを気にしている暇は無い。
逃げるにも背を向けてしまえばいつどこから攻撃が来るか分からなくなってしまう。
インカムも使おうとしたがどこかの部品が壊れてしまっているみたいで反応がない。
どうしたものかと考えているともう一度攻撃が来る。
本来ならば俺の腹が切られていたはずなのに。
俺の前には星導が居て。
真っ赤な血が目の前に飛び散っていた。
なぜなのかと考える暇もなく目の前が黒に染った。
目が覚めた時にいたのは真っ暗な何も無い場所。
どこかに誰かが居ないかと歩き回ればそこに居たのは昔の俺で。
やっぱりいつ見てもこの時の俺は嫌いだ。
人を憎んでばっかりで、ずっと疑ってきた。
そんな俺が今の俺の前に佇んでいる。
こちらに気づいたのか振り返り俺の後ろを指さす。
『お仲間さんが待ってるよ。
……俺の分まで幸せになって。』
「…当たり前、お前のことも俺が救うから。
ちゃんと幸せになれるように頑張るから、お前も俺と一緒に頑張ろう。」
『……信じてるから、俺もお前のこと。』
その言葉に頷く。
もう後ろは振り返らない。
だって、本当に嫌いだったのはあの時の俺じゃない。あの時の俺だって今の俺の1部だ。
あの時の俺に背中を押して貰ったんだからちゃんとあいつらとも話さなきゃ……。
そう思いながら眩しいほどの光を放っている方へと歩みを進める。
hsrb視点
ライの代わりに妖の攻撃を庇ってから2週間。
まだライは目を覚ましてない。
俺はすぐ傷が塞がり、そこまで重症じゃなかったためすぐ退院したんだけどライはずっと眠っている。
Dyticaの3人で医者の話を聞けばライの腕にはたくさんの傷があったらしく、所謂自傷行為かもしれないという話と栄養失調気味で睡眠不足もあるのだという。
そこに怪我を負ってしまったから治りが遅いらしい。
それでもそろそろ目を覚ましてくれてもいいと思うんですけどね。
「ライ、俺はまだライと一緒に居たいです。」
「早く起きてください……。」
そう言った瞬間ライの指がかすかに動いた気がした。
「……ライ、?」
「ほしるべ……?」
「ぉはよ…。」
「おはようございます……
ライが起きてくれて本当に良かったです」
「るべ、けがは?」
「もう塞がってます!それにすぐ退院も出来ましたし、大した怪我じゃないですよ。」
「……そう。」
「あ、ちょっと待ってくださいね。
ナースコール押さなきゃ。」
「ん、」
ナースコールを押すとすぐに看護師さんが駆けつけてくれた。
起きたことに気づいた看護師さんが色々と検査をした結果明日には退院できると教えてくれた。
「良かったですね、ライ。」
「そうだね、というかロウ達は?」
「……あ、連絡してない…。」
「むりにしなくていいよ。」
「いやいや、しなかったら俺が怒られますって。」
「そう?」
そんな話をしながら小柳くんに電話をかける。
「あー、もしもし?どした」
「あ、小柳くん。ライ起きました。」
「は?」
「今から40分ぐらい前に。」
「なんで早く言わねぇんだよ。カゲツにはもう言ったのか?」
「いや、まだです。」
「じゃあ俺から伝えとくわ。
すぐ行くから待ってろ。」
「はーい。」
一瞬目を離した隙にライが起き上がろうとしていた。
「ライ、起き上がるなら言ってください。
手伝うのに……。」
「これぐらい自分でできるから平気だよ。だいじょうぶ。」
「……ライ、後でその腕の傷の話聞かせてね。」
「わかった。でも他の奴らには言いづらいから俺とるべだけの秘密にしてくれる……?」
「俺は伝えませんけどバレた時は知りませんよ。」
「ありがとう。」
なんて話をしていれば病室の扉が開かれた。
「ライ!」
「ライ。」
「ロウ、カゲツおはよ。」
「おはようやけど!!栄養失調と睡眠不足らしいやん!!なんで言ってくれんかったん!」
「言ってたら庇うのやめた?」
「は、」
「俺、前言ったと思うんだけど庇われるの嫌いなの。俺が弱いのはわかってるけどやめて。」
「お前が弱いわけないだろ。」
「じゃあ庇わないで。俺はそんなに弱くないんでしょ?」
「俺も星導もカゲツもライと違ってすぐ治るしスーパーヒーローがそんなとこで、そんなことで止まってちゃダメだろ。」
「……伝わらないみたいだからいい。
お前らには俺の気持ちなんて一生理解できないだろうな。」
そうライが言ってから沈黙が続いている。
普通に気まずいからどうにかして欲しいんだけど……。
「んだよそれ。」
「だってそうでしょ?ロウもカゲツも、言われたことないよね。
“あいつらより弱いくせに”とか”あいつらと同じところに立ててるわけないだろ調子に乗るな”とか。」
「この言葉が、お前らに肯定されてるみたいで大嫌いなんだよ。
だから庇われたくなかったのにお前らはずっと……、ずっと。」
「要らないって言われてるみたいでずっと辛かった。」
「……ライ。」
「小柳くん、カゲツ。
2人も冷静じゃないでしょうから一旦今日は帰ってください。」
「…わかった。頼むぞ。」
「はいはい。」
そう言った小柳くんとカゲツが病室を出ていった。
「……ライ、俺ライがそんなこと思ってるなんて気づかなくて庇ってすみませんでした。」
「ぃや、みんなやさしさでしてくれてるのはわかってる。謝らせてごめん。」
「ライ、その腕の傷俺達のせいですよね。」
「ちがう。」
「…、じゃあ誰のせいですか?」
「おれのせい。」
「どうして?」
「がまんできなかった俺が悪い。」
「そっか、じゃあ2人に言わない代わりにまた切りたくなったり切ったりしちゃったら俺に電話して?」
「でも、めいわく。」
「ライが1人で抱え込んで苦しんでるのを考えると俺心配でご飯も食べれなくなっちゃう!
……だから、連絡してくれませんか?」
「ぅん、わかった。」
そう約束をした後、ライは夕日を眺めていた。
俺はそんなライの隣で1人夕日を眺めるライを見ながら心に決めた。
ライの羽を休める場所になれるように、頼れるようにそばで支え続けようと。
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