テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「アニキ、もう限界だよ……」
ナムギュの声は震えていた。
「何がだ?」
サノスは眉をひそめ、携帯画面から目を離さない。
「お前が冷たくなって、浮気もして……俺、もう傷つきたくないんだ」
「……That’s bad.」
(それはよくない)
サノスは淡々と答えた。
「だけど、別れたくない」
ナムギュは驚いて顔を上げた。
「なんでだ?」
素っ気ない口調だけど、声にはどこか焦りが混じっている。
「お前がいないと、俺の生活が乱れるからだ。仕事もうまくいかなくなる」
「そんな……愛してないのに?」
「Love? そんなの今は考えられねぇよ。ただ、安定がほしいだけだ」
ナムギュの胸が痛んだ。
冷たくされても、浮気されても、アニキは自分を必要としている。
それだけが、まだ繋がりを感じる理由だった。
「だったら、俺のこともう少し大事にしてくれよ」
「OK.」
サノスはそう言って、また携帯を見始めた。
サノスの冷たさの奥にある計算高さと、不器用な依存が見えるかな?