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結愛
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#純愛
結愛
93
な こྀི
478
手紙を読み終わると、愛美は手紙を純也さんに手渡して、彼にこう言った。
『――純也さん、わたしを見つけてくれてありがとう。ジャービスがジュディを気遣うみたいに、わたしのことを色々と気遣ったり見守っていてくれてありがとう。あれから三年待って、やっと今日という日を迎えられて、わたしはホントに幸せです。今では大学も無事に卒業して、一人前に小説家として活躍してるけど、それも全部あなたのおかげです。あなたがいなかったら、きっと今のわたしはいないから。ホントにありがとう。改めて、これから夫婦としてよろしくお願いします』
「ああ。愛美ちゃん、俺の方こそありがとう。君のおかげで、女性を信じることができるようになったよ。これからは夫婦として、対等ないい関係を築いていこうね。よろしく、俺のジュディ」
純也さんは最後に、愛美のことを「ジュディ」と呼んだ。それは彼なりの愛美への最上級の愛であり、『あしながおじさん』をキッカケにして結ばれた二人にとっての合言葉のようなものだった。
『はい! こちらこそよろしくね。わたしのジャービス……ううん、あしながおじさん』
マイクを通して愛美がそう言った時、会場中から万雷の拍手が起こった。
――子供の頃から養護施設で『あしながおじさん』を読みながら、主人公のジュディのように育ってきた一人の少女と、彼女の夢を陰ながら応援するためにヒーローのジャービスになろうとした一人の男性がこの日、『あしながおじさん』の物語を通じて本当の家族になったのだ。
「――純也さん、やっぱり家族っていいね。なんかすごくあったかい」
高砂席に戻った愛美は、純也さんにそう言った。
両親を幼い頃に亡くし、親戚にも裏切られた愛美だからこそ、この言葉は重い。
「うん。俺も家族の愛情には飢えてたからね、君という家族に恵まれて、今はすごく幸せだ」
そして純也さんもまた、血の繋がった家族の愛情には恵まれなかったので、愛美という本当の意味での愛情で結ばれた家族ができた喜びは大きい。
こうして大勢の仲間たちや、お世話になった人たちに拍手を送られながら今日という人生で最良の日を迎えられたことを、愛美は最愛の純也さんとともに心から喜んだのだった。
――これから先の愛美・純也夫妻に幸多からんことを祈って……。
【待っていた幸せ ~True Ending~ おわり。】
コメント
1件
読み終わりました……🥀 「ジュディ」って呼んだ瞬間、涙腺崩れました。あしながおじさんがずっと二人の核だったからこそ、最後の最後にその呼び名で結ばれるのがあまりにも美しくて。養護施設で物語に救われた愛美と、彼女のためにヒーローになろうとした純也さん――それぞれの「待った」が報われるラスト、本当に尊かったです。 47話、お疲れさまでした。温かい余韻がじんわり残ってます🌙