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#ラブステ
胡宮うらら°
57
胡宮うらら°
123
雑談で言ってた文化祭に出す予定の作品です!
評価よろしくお願いします!
秋を彩る紅葉の噂
登場人物
河合野菜 主人公
鈴木結衣 野菜の大親友
『紅葉が一番綺麗な日に神社にお願い事をすると、願いが絶対に叶うんだって!』
私の地元には、こんな噂がそこら中に流ている。
おかげで秋の日は神社の前が満員だ。
だけど、私には関係のないことだった。
神頼みで願いが叶うのなら、誰も苦労はしない。そんな子供騙しのオカルト、信じるほうがどうかしている。
そう冷めた目で大混雑する神社を通り過ぎるのが、毎日の私のルーティンだった。
──あの日が来るまでは
「─ねぇ、聞いた?結衣が交通事故に遭ったって」
頭が真っ白になった。
病院の待合室、無機質な消毒液の匂い。
「今夜が峠です」
という医師の言葉が、ガラスの破片のように、私の胸に突き刺さる。
「どうして、何で結衣が…!」
自分のせいで事故に遭ったんじゃないか、私が代わりに跳ねられればよかった、そんな狂気じみた後悔と絶望が、頭の中でぐるぐると渦巻き、息の仕方も分からなくなる。
私の心は音を立ててボロボロに崩壊していった。
気づけば私は、夜の街に飛び出していた。
涙で視界が歪み、世界が真っ黒なモノクロに見える。
『紅葉が一番綺麗な日に神社にお願い事をすると、願いが絶対に叶うんだって!』
脳裏にいつか聞いたあの噂がよぎる。
馬鹿げている、そんなオカルトがあるわけない。
怪しみ、疑い、否定する理性が心のどこかで叫んでいる。
だけど、今の私にはその泥舟のような噂しか掴めるものがなかった。結衣が助かるなら、悪魔に魂を売ったっていい、代わりに魂を捧げてもいい。
「お願い……神様、いるなら助けて…! 」
私はなりふり構わず、夜の神社へと全力で走り出した。
冷たい秋風を切り裂きながら息を詰まらせ、ただ結衣の命だけを願って。
たどり着いた境内の奥には、夜の闇に浮かび上がる、息をのむほど美しい、真っ赤な大紅葉の木が佇んでいた。
賽銭箱にすがりつき、私は頬を押し当てて祈った。
「お願い、結衣を助けて、結衣の命を奪わないで…!」
涙がボロボロと溢れて止まらない。怪しむ気持ちなんて、もうどこにもなかった。
ただただ壊れそうな心を必死に繋ぎ止めて、叫ぶように祈り続けた。
その時、ピタリと世界から音が消えた。
虫の鳴き声も、遠くの車も…
ただ、ハラハラと舞い落ちる紅葉の葉の音だけが静かに響く。
「ずいぶんとボロボロな心だね」
頭上から、鈴を転がしたような透き通った少年の声がした。
ハッと顔を上げると、大紅葉の木の根元に、見たこともない着物をまとった不思議な少年が立っていた。その瞳は、紅葉と同じ深い赤色をしている。
人間ではない、本能でそう悟った。
「君の願いは重い、人間の命を繋ぎ止めるのは、簡単なことじゃないんだ」
少年は静かに私を見つめ、残酷なまでに美しい微笑みを浮かべた。
「だけど、君のその張り裂けそうな『絶望』、それを僕にくれるなら、あの子の命を繋いであげてもいいよ、どうする?」
それは、私の心を差し出せという悪魔の囁きだったのかもしれない。でも、迷いは一瞬すらなかった。
「結衣が助かるなら、私の心なんてどうなったっていい!全部あげるから…結衣を助けて、!」
そう叫んだ瞬間、強い風が吹き荒れ、視界が真っ赤な紅葉の葉で埋め尽くされた。
少年が優しく手をかざすと、不思議なことに今まで胸を締め付けていたあの重苦しい絶望や恐怖が、暖かい光に包まれてスッと消えていくのが分かった。
張り詰めていた心が、穏やかに満たされていく。
「─契約成立だ、暖かい心をありがとう」
少年の声が遠ざかる。
ハッと目を開けるとそこにはいつもの静かな、誰もいない夜の神社が広がっていた。
少年の姿はどこにもない。
その時、ポケットの中でスマホが激しく震えた。
画面に表示されたのは、病院からの着信。
震える手で通話ボタンを押し、耳に当てる。
『─突然のお電話失礼します、只今、結衣さんの意識が戻りました』
その連絡を聞いた途端、私はその場にへたり込み、絶えない涙を流した。
胸の奥は、嘘みたいに軽かった。
数週間後、すっかり元気になって退院した結衣と一緒に、私は再びその神社を訪れていた。
「ねぇ、本当にここで私のためにお祈りしてくれたの?」
隣で嬉しそうに笑う結衣の顔を見て、私は優しく微笑む。
「うん!オカルトだと思ってたんだけどね、!」
見上げる大紅葉の木は、あの日見た時よりもずっと鮮やかに、私たちを祝福するようにキラキラと輝いていた。
噂は、本当だった。だけど私は、あの不思議な少年のことも、心を差し出したあの夜のことも、結衣には一生秘密にしておこうと思う。
──そして今日もまた、神社に人が訪れる。
以上です!直したほうがいい所、すごい!と思ったところ、何でもいいので、アドバイスをお願いします!
それじゃあ〜
ばいうら!
コメント
16件
コメント失礼します! とてもいいと思いました!✨ 短いのにまとまっていて、凄く書くのが上手だな、と思いました! ただ、読んでいて思ったことが2つほどあります。
これはもう好きです!!!! 私の中だと絶対絶賛します!!
めっちゃ上手…!! ⬆この、なんかエンターで作る空白(?)とかやってみるといいかも! あとは走ってる時に髪が風でなびくみたいな…?