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放課後、夕焼けと秘密の約束

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放課後、夕焼けと秘密の約束

3 - 第3話「そして1年後(後編)」

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2025年06月15日

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「覚えてる? 黒板に書いた約束」

紗季はうなずいた。「“また、ここで会う。”だよね」

「うん……。そのとき、実は私――」

葵が言いかけて止まった。そして、ふいに目をそらす。

「……あの頃、紗季のことが好きだったの。友達としてじゃなくて、本気で」

教室が、風の音だけになる。

紗季は一瞬、何も言えなかった。でも、それは驚きじゃなかった。なんとなく、ずっと気づいていた。いや、気づかないふりをしていたのかもしれない。

「……だったら、手紙渡してもいい?」

「手紙?」

紗季は胸ポケットから、少し折れ曲がった便箋を取り出した。葵が不思議そうな顔をして受け取る。

「私もね……葵のことが、好きだったよ」

葵の目が見開かれ、そしてゆっくりと潤んでいく。やがてふたりは、何も言わずに見つめ合い、ただそっと――手をつないだ。

その手の温もりが、約束の続きを照らしていた。

放課後、夕焼けと秘密の約束

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