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「たっつん、どうする?」
ゲームが始まる、すぐにゆあんが隣の牢屋からそう聞いてきた
「そんなの…従うしかなくないか…?」
「まぁ、そうなるよね……勝利条件は、相手より多くの血を流す
おいフローラ、お前は負けた場合を言ってなかったよな?負けたらどうなる」
「あら、私の話を聞いてなかったかしら?
これはデスゲームよ、もちろん死ぬに決まってるじゃない」
やっぱり、死ぬんやな……
死なないためには、このナイフで血を流さないといけない
死にたくないけど、ゆあんも死なせたくない……
「あと2分 早くしないと二人とも死んじゃうわよ?」
あと2分……そんな…時間が少なすぎる
「……たっつん、俺はいい、早くナイフで血を流せ」
「ゆあん?なんでそんなこと…」
嫌や俺…ゆあんが死ぬんやったら俺が…
「いいんだよ、俺」
「そんなの理由になってない!」
「黙れ!これは俺の……最後のわがままだとおもってさ…早く俺を死なせてくれよ!」
っ…!ゆあん……
思い返せば、ゆあんは昔から少しわがままだった
そのたびに俺は呆れて言うこと聞いてたっけ……
でも今は違う!ゆあんの命かかっとるんや
絶対に…言うこと聞かん!
「俺も…最後のわがままや!
絶対にゆあんの言うこと聞かんから!」
「……たっつん…そう言ってくれて嬉しいよ
だけど…今はごめん!」
そう言って、ゆあんは自分のナイフを俺のほうへと投げ、
そのナイフは、俺の頬をかすった
嘘やろ……
牢屋の鉄格子の隙間はせいぜい20cm程度
ポタッ
頬から流れた血が服にしみる
「時間切れよ、ゆあんさん、あなたの処刑が決定したわ」
「そんな……俺は信じん!フローラ!俺を処刑しろ!」
「はぁ、呆れた…そんな友情、今にもぶち壊してやるわ
そこで見ておきなさい」
クソッ!なんやこの牢屋!
こんなのがなかったら今頃フローラに一発食らわしてやりたいのに!
俺はそう思いながら、自分の拳を握った
「フフッ、それじゃあ楽しい楽しい処刑の時間と行きましょうか」
そう言って、フローラは弓矢を取り出した
「なんやそれ…」
「これは毒矢よ ゆあんさん、じっとしてなさい」
「そんなの言われなくても分かってるよ‥…
たっつん…俺、最後までわがままだったけど、許してくれるよな?」
そんなの……許すわけ…
「さようなら、ゆあんさん」