日付が変わった。
おやすみって君と交わした30分後の事。
何だか、どこか寂しくて
見える長髪がこちらを振り向いてくれなくて
「…」
ぎゅうっと彼を抱きしめる
自分より小さな身体 暖かくて綺麗な彼。
収まった体温が 何よりも嬉しい
それでも
少し、君の声が聞きたくて。
「……、」
口を開くけど、声は出さなかった。
起こしてしまったら、まずいだろう。
なんだろうか、この虚無感は。
今日だって何も 変わらずに幸せだったのに。
寂しくなるんだ、急に。
苦しくなるんだ、急に。
抱きしめた彼の背中に顔を埋める
優しいシャンプーの香りが ふわりふわりと漂った
慣れた彼の匂い、酷く安心する彼の匂い。
あぁ、好きだなぁ
やっぱり、彼の全てが大好きだ。
仕事の辛さなんて忘れるくらい
彼は俺に笑いかけてくれる。
どうしようもないほどに、好きだって
彼には伝わっているのかな。
「、」
突然、まわした腕に温かさが増える
「まろ、どうしたん?起きとー?」
「っ、」
優しい、静かな声のトーン
迂闊にも泣いてしまいそうで
「ん」
聞きたかった、彼の声を。
聴き逃したくなくて小さく言葉を返す
「……寝れないん?」
まるで子供をあやすような
ゆっくり、優しく、丁寧に
小さく彼は言葉を続ける。
「うん、」
そう言うと、彼は振り返った
「、!!」
と思うと、ぎゅっと抱きついてくる
「…可愛い、」
胸が締め付けられて、愛おしさがます
なんて、なんて可愛いのだろう
「いつもありがとう。お疲れ様。まろ」
へなりと砕けた笑顔を見せる
その可愛さは言葉に出来ない。
どうもそれは無自覚らしいが。
「…ありがとう、」
声は少し震えてしまった
どうやらそれに気がついたようだ
「明日さ、お互い休みやん」
「うん、?」
「ダンス練習終わったら、ご飯行こうや」
「美味しいお店この前見つけてん」
「その後さ、なんかテキトーにフラフラして」
「そうやなぁ、帰ったらハンバーグ作ったるわ」
言葉が出なかった、
返す適当な言葉が見つからなかった。
「っ楽しみ、」
泣き顔を見られたくなくて、
顔を隠すようにもう一度抱きしめる
「俺も」
彼も抱き締め返してくれた。
暖かいなぁ
幸せだ。
「愛してる、」
おやすみなさい。いい夢見てね。
コメント
4件
見るの遅れてごめん…… 可愛さが溢れ出てる……ホンマに好きです、大好きです
いや、やっぱ青黒しか勝たん!! あ、てか、表現方法がやっぱ好きすぎる……。 神作ありがとうございました!(てか、普通に見るの遅れたし((()