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本気にさせたい恋

62 - 第62話  願っていた幸せ②

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2024年09月20日

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そしてREIジュエリーのパーティーの日。

会場に早めに着いてから辺りを見回すも、まだ透子の姿は確認出来ず。


まさか、当日になってやっぱりオレに会うのが嫌で、来るのやめるとか・・ないよな?

透子の気持ちを尊重して、あれからずっとこの日まで会いたい気持ちを抑えてここまで待ってたけど。

実際透子が今日という日に答えを出してくれるかは、正直わからない。

もしかしたら、その会わない間にオレの望まない結果になっているのかもしれない。


だけど、今日はようやく会える日で、そしていろんな意味で今日は特別な日で、オレが透子とどんな時より一緒に過ごしたいと願う日。

そう思いながら、ちゃんと今日会えるのか、会えてもどんな反応を透子が示すのか、そんなことからもう不安を感じる。


会場の入口前で様子を見つつ、まだ全然時間も余裕もあるはずなのに、まだ姿が見えない透子に焦りを感じ、気付いたらオレは携帯片手にメッセージを送っていた。


『今どこ? もう着いてる?』


そんなメッセージを送ると。


『もうすぐ会場着く』


すぐに来る返事。

良かった。ちゃんと来てくれた。

会場の入口辺りで、そのまま透子の到着を待つ。

行き交う人を目にしても、やっぱり彼女ほど魅力的な女性は当然見かけなくて。

どんなに女性が溢れていても、やっぱり彼女しか目に入らない。

すると、遠くの方にようやく見つける透子の姿。

ほら、透子はこんなに遠くても見つけられる。

いつも以上に綺麗に着飾っている彼女は、いつも以上にその華やかさとスタイルの良さや色気が溢れ出ていて。

ようやく会えた嬉しさと、その姿を近くで見たいはやる気持ちとで、オレはすぐに透子の方へと歩き出す。


「来てくれてよかった」


そして目の前に立っている透子の顔を見ながら、笑顔で話しかける。


「今日、私も楽しみにしてたから」


すると、同じように笑いかけてくれた透子。


「なら約束通り、今日は何も言わずオレのパートナーってことで」


今日は今までの事は忘れて、ただオレのパートナーとして隣にいて。


「わかった」


そう素直に答えてくれてホッとする。


「なら、パートナーとして紹介したい人いるから一緒に来て」


今日来てくれたことにオレ的にはすごく意味あることだから。

この場所で、このタイミングで、パートナーとして紹介出来ることが何より嬉しい。

そして透子を連れて会場の奧の方へ連れて行き、ある人の前で少し離れて立ち止まる。


「今日の主役のREIジュエリーの社長のREIKA」


そして、その人物を透子に伝える。


REIジュエリー20周年パーティーの主役。

その人物を見て透子が驚いて、そして一瞬で嬉しそうな表情に変わる。


「透子。会いたかったんじゃないかなと思って」


透子をこのパーティーに連れて来た意味。

オレが二人を引き合わせる意味。

透子がずっと憧れていた人物。


「うん。会いたかった。・・なんで樹そんなことまでわかんの?」

「透子のことならオレはなんでもわかっちゃうんだよね」


当たり前でしょ。

透子のことならなんだってわかるよ。

オレに出来ることなら透子の為になんだってしてあげる。


「社長。この度は20周年おめでとうございます」

「あら。早瀬さん。ありがとう」


その言葉に気付いて社長がこちらに来てくれる。

ここは普通の知り合いとして挨拶。

そしてそれを察して社長も挨拶を返してくれる。


「今日は素敵なパートナーも連れて来て下さったのね」

「えぇ。彼女、社長とここのブランドのファンで」

「あら。そうなの?それは光栄だわ」

「今度の新しいブランドとのプロジェクトで彼女もリーダーとして参加するので社長にも紹介しておきたくて」

「あっ、新しいプロジェクトに一緒に参加させていただきます望月です」

「素敵な方とご一緒出来て嬉しいわ。よろしくね」

「よろしくお願いします」


今この人に、オレのパートナーとして紹介するということ。

今はきっと透子にその深い意味はきっとわからないだろうけど、でもいつかそれが透子に伝わる日が来るはず。

今、透子の気持ちはどう動いているかわからないけど、でもこの先そうあってほしいと願ってるから。


だけど透子はまだわからなくていい。

今この出会いがどういう意味があるのか、今透子がここにいることのホントの意味がわからなくても、オレが必ずあなたを導いてあげるから。


「あっ、ちょっとごめん。もう少し二人で話してて」


そしてオレはそう声をかけてその場を立ち去る。


今は二人の時間を楽しんで。

透子がずっと憧れ続けた、その温めていた想いを、直接どうか伝えてあげて。

きっとオレがいない方が話せること、伝えられることがあるだろうから。


ようやく二人を引き合わせることが出来た嬉しさを噛みしめながら、その場所から少し移動。

さっ、オレはある意味ここからが本番。

今日は透子にとって特別な日になるようにと願いながら。



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