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第2章 あの日の思い出
ヒラ……
カーテンの隙間から見える太陽に照らされる。
「おや…もうこんな時間か……」
そうだ、今日はショーの練習だ。
でも、何か不思議な夢を見た気がする。
女の子となにかを見ていたぐらいしか覚えていない。多分映画か何かをみていた。内容は覚えていない
「おっと……急がないとね、」
補聴器をもって玄関から出る。
ショーステージ
「おはよう。司くん。」
「類!」
「あ、おはよ。」
「おっはよっ!!」
「えむ……朝から叫ばないで…」
補聴器をつけていると言うものの、えむくんの叫び声というものは分からない。聞いてみたいな。
「で、今日は打ち合わせだよね?」
「そうだな……なんのショーにするか?」
「えっと〜……」
「そうだ!!」
「えむ?何か思いついたの?」
口パクで大体何を言っているかわかる。声もだせるし、日常会話は問題ない。
「海でショーをするでしょっ?だから、人魚姫なんてどうかなって!」
「人魚姫か!いいかもな!」
人魚姫……?
そうだ、思い出した。あれはあの日の夢だ。
耳が聞こえない僕を導いたあの日の。
寧々とショーを初めて見て、すごいなって。
耳が聞こえなくても、なにか感じた。
僕もあんな演出をつけて、お客さんに楽しんで欲しいって、。
そうやって僕はここにいるんだ。
「人魚姫か…」
「寧々?何かあったのか?」
「あ…ううん。類と幼い頃に見たことあるなって。」
「あぁ、そうだね。」
「ええっ!?見たことあるの!?」
「まぁね。私の憧れの人も…主演だったな」
「そうなのか!!」
まさかこのショーの演出をつけれる日が来るとは思わなかった。
必ずあのショーをこえてみせる。