テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
瑠空
31
ぺ
1,107
#ご本人様には関係ありません
リアコ
52,500
瑠空
45
前の話の時に謝ろうと思ってたんだけど、みどりくんの一人称って僕じゃなくて俺なんだね。雰囲気で書きすぎてた。ごめんなさい。
ぺいんと=pn、クロノア=kr
図書館を出る頃には、外はすっかり夕焼けに染まっていた。
オレンジ色の光が校舎を照らし、石畳の道を長く伸ばしている。
グチツボとは図書館の前で別れた。
最後まで「分からないところがあったら、また聞いてください」と頭を下げてくれた彼に、俺も何度もお礼を言う。
案内板を何度も確認しながら寮へ戻る。
寮の部屋に入った瞬間、思わず声が漏れた。
pn「……広っ」
ふかふかのベッド。
大きな机。
本棚にソファまで置かれている。
これ、本当に学生の部屋なのか?普通に俺の一人暮らしのアパートより倍良いんだけど。
pn「さすが公爵令嬢……」
苦笑しながら机の上に本を並べる。
今日、図書館で借りた本が四冊。
どれも今の俺には必要なものばかりだ。
pn「……よし」
椅子に座り、一冊目を開く。
pn「今日は歴史だけでも終わらせよう」
グチツボに教えてもらったおかげで、授業の内容は少し理解できた。
でも、それだけじゃ足りない。
明日からも授業は続く。
魔法理論も礼法も、全部知らないままだ。
pn「このままじゃ、本当にまずい」
破滅フラグ以前に、授業についていけない。
赤点なんて取ったら、公爵令嬢としても目立ってしまう。
pn「少しだけ頑張ろう」
そう決めて、本へ目を落とした。
pn「……終わった」
大きく伸びをする。
ふと窓を見ると、外が少し明るい。
pn「ん?」
嫌な予感がした。
時計へ目を向ける。
pn「…………」
六時四十分。
pn「……え」
もう一度見る。
やっぱり六時四十分。
pn「うそ」
頭が真っ白になる。
pn「徹夜したぁぁぁ……」
机へ突っ伏した。
勉強に集中しすぎて、夜が明けてしまったらしい。
pn「一時間……。一時間だけ寝よう」
そう思って立ち上がった時、ドアがノックされた。
「ペイント様、失礼いたします」
扉が開き、メイドが入ってきた。
多分、この寮に勤めているメイドだろう。
「朝のお時間でございます」
pn「…………」
終わった。
一時間寝る夢は、一瞬で消え去った。
メイドはそんな俺の顔を見るなり、小さく首をかしげる。
「ペイント様、どうかなさいましたか?」
pn「い、いえ……」
平静を装う。
でも、欠伸が出てしまった。
慌てて口を押さえる。
メイドをちらっと見ると、目をぱちぱちさせた。
「珍しいですね。ペイント様がお疲れのご様子なんて」
pn「少し……本を読んでおりましたの」
「まさか、夜通しではありませんよね?」
pn「…………」
言葉に詰まる。
その沈黙だけで、メイドには十分だったらしい。
「ペイント様」
優しく微笑みながらも、その目は少しだけ呆れていた。
「本日は授業中に居眠りなさいませんよう、お気を付けくださいませ」
pn「……善処いたしますわ」
そう答えた瞬間。
pn(いや、無理かもしれない)
心の中だけで、そっと弱音を吐くのだった。
朝日が校舎の窓から差し込む。
俺は眠気を必死にこらえながら、教室へ向かって歩いていた。
pn(眠い……)
昨日の徹夜が、想像以上に効いている。
まぶたが重いし、足取りもふらふらだ。
pn「……あと少し」
教室まで行けば、席に座れる。
そう思って歩いていて、曲がり角を曲がる。
同時に、向こうから誰かが歩いてきた。
pn(あ)
避けようとした。
でも体が思うように動かない。
ぐらり、と視界が傾く。
pn(あ、やべ……)
そう思った瞬間。
誰かがそっと腕をつかんだ。
???「危ない」
落ち着いた声。
倒れかけた体が、ふわりと支えられる。
???「……大丈夫?」
ゆっくり顔を上げる。
そこには、一人の男子生徒がいた。
銀色の髪に、穏やかなエメラルド色の瞳。
整った顔立ちなのに、どこか柔らかい雰囲気をまとっている。
顔にすごく見覚えがあるのに、眠気のせいか思い出せない。
俺が何も答えないからか、彼は少し心配そうに顔をのぞき込んだ。
???「顔色、あんまり良くないね」
pn「だ、大丈夫……ですわ」
そう答えたけど、声に力が入らない。
彼の手は温かかった。
制服越しに伝わる体温が、じんわりと体へ広がっていく。
pn(……あったけぇ)
昨日は一睡もしていない。
ずっと張りつめていた気持ちが、その温もりで一気にほどけていく。
pn(少しだけ……)
少しだけ、このままで。
そう思った瞬間、体から力が抜けた。
柔らかいベッドの感触。
薬品の匂い。
pn(……ここ、どこ?)
重たいまぶたを開くと、目の前に人の顔があった。
心配そうにこちらを見つめる優しい表情。
意識が一気にはっきりする。
pn「クロノアさん!?!?」
思わず叫びながら飛び起きた。
クロノアは思わず驚いて一歩後ろへ下がる。
保健室が一瞬静まり返る。
pn(やばい、名前で呼んじゃったよ!!)
クロノアは目を丸くしたまま、首をかしげる。
kr「……えっと。どうして、俺の名前を知ってるの?」
pn「…………」
終わった。
完全にやらかした。
pn(どうする!?どうする俺!?)
初対面なのに名前を知っているなんて、不自然すぎる。
必死に頭を回転させる。
pn(あっ!)
pn「そ、その……!」
クロノアが不思議そうに見つめてくる。
pn「生徒会にいらっしゃいましたでしょう?
入学式で生徒会役員の方々をご紹介されていた時に、お名前を聞きましたわ」
できるだけお嬢様らしく、落ち着いた口調で言う。
内心は心臓がバクバクだ。
クロノアは「ああ」と納得したようにうなずいた。
kr「そっか、入学式の時に…」
pn「はい」
俺はなるべく不自然じゃない笑顔を作る。
pn(助かった……)
心の中では全力で胸をなで下ろしていた。
クロノアは少し照れくさそうに頭をかく。
kr「ごめんね。急に名前を呼ばれたから、びっくりしちゃって」
pn「こちらこそ、叫んでしまって申し訳ありませんでしたわ」
深々と頭を下げる。
するとクロノアは苦笑しながら首を振った。
kr「そんなに謝らなくていいよ。それより、体調は大丈夫?」
pn「は、はい。大丈夫です」
漫画で見た印象と変わらない。
そう思うと、自然と肩の力が抜けたのだった。
そろそろ人数が多くなってきたから、矛盾がないように頑張らないとね(`・ω・´)
コメント
3件
ん〜好き🫰♡100にしておきました
ぺさん、第5話読んだよ〜! クロノアさんついに登場!待ってました✨ 徹夜明けでふらふらな主人公を支えるシーン、めっちゃ優しくてドキドキした…「あったけぇ」って思うとこ、すごく人間味あっていいなって思ったよ。 名前呼んじゃった時の焦りも伝わってきて、思わず笑っちゃった(ごめんね!笑) これからのクロノアさんとの絡み、すごく楽しみにしてるよ🌙