テラーノベル
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前の話の時に謝ろうと思ってたんだけど、みどりくんの一人称って僕じゃなくて俺なんだね。雰囲気で書きすぎてた。ごめんなさい。
ぺいんと=pn、クロノア=kr
図書館を出る頃には、外はすっかり夕焼けに染まっていた。
オレンジ色の光が校舎を照らし、石畳の道を長く伸ばしている。
グチツボとは図書館の前で別れた。
最後まで「分からないところがあったら、また聞いてください」と頭を下げてくれた彼に、俺も何度もお礼を言う。
案内板を何度も確認しながら寮へ戻る。
寮の部屋に入った瞬間、思わず声が漏れた。
pn「……広っ」
ふかふかのベッド。
大きな机。
本棚にソファまで置かれている。
これ、本当に学生の部屋なのか?普通に俺の一人暮らしのアパートより倍良いんだけど。
pn「さすが公爵令嬢……」
苦笑しながら机の上に本を並べる。
今日、図書館で借りた本が四冊。
どれも今の俺には必要なものばかりだ。
pn「……よし」
椅子に座り、一冊目を開く。
pn「今日は歴史だけでも終わらせよう」
グチツボに教えてもらったおかげで、授業の内容は少し理解できた。
でも、それだけじゃ足りない。
明日からも授業は続く。
魔法理論も礼法も、全部知らないままだ。
pn「このままじゃ、本当にまずい」
破滅フラグ以前に、授業についていけない。
赤点なんて取ったら、公爵令嬢としても目立ってしまう。
pn「少しだけ頑張ろう」
そう決めて、本へ目を落とした。
pn「……終わった」
大きく伸びをする。
ふと窓を見ると、外が少し明るい。
pn「ん?」
嫌な予感がした。
時計へ目を向ける。
pn「…………」
六時四十分。
pn「……え」
もう一度見る。
やっぱり六時四十分。
pn「うそ」
頭が真っ白になる。
pn「徹夜したぁぁぁ……」
机へ突っ伏した。
勉強に集中しすぎて、夜が明けてしまったらしい。
pn「一時間……。一時間だけ寝よう」
そう思って立ち上がった時、ドアがノックされた。
「ペイント様、失礼いたします」
扉が開き、メイドが入ってきた。
多分、この寮に勤めているメイドだろう。
「朝のお時間でございます」
pn「…………」
終わった。
一時間寝る夢は、一瞬で消え去った。
メイドはそんな俺の顔を見るなり、小さく首をかしげる。
「ペイント様、どうかなさいましたか?」
pn「い、いえ……」
#らだぺん
月夢
372
あまおう
3
#ぺいんと愛され
あまおう
1,576
平静を装う。
でも、欠伸が出てしまった。
慌てて口を押さえる。
メイドをちらっと見ると、目をぱちぱちさせた。
「珍しいですね。ペイント様がお疲れのご様子なんて」
pn「少し……本を読んでおりましたの」
「まさか、夜通しではありませんよね?」
pn「…………」
言葉に詰まる。
その沈黙だけで、メイドには十分だったらしい。
「ペイント様」
優しく微笑みながらも、その目は少しだけ呆れていた。
「本日は授業中に居眠りなさいませんよう、お気を付けくださいませ」
pn「……善処いたしますわ」
そう答えた瞬間。
pn(いや、無理かもしれない)
心の中だけで、そっと弱音を吐くのだった。
朝日が校舎の窓から差し込む。
俺は眠気を必死にこらえながら、教室へ向かって歩いていた。
pn(眠い……)
昨日の徹夜が、想像以上に効いている。
まぶたが重いし、足取りもふらふらだ。
pn「……あと少し」
教室まで行けば、席に座れる。
そう思って歩いていて、曲がり角を曲がる。
同時に、向こうから誰かが歩いてきた。
pn(あ)
避けようとした。
でも体が思うように動かない。
ぐらり、と視界が傾く。
pn(あ、やべ……)
そう思った瞬間。
誰かがそっと腕をつかんだ。
???「危ない」
落ち着いた声。
倒れかけた体が、ふわりと支えられる。
???「……大丈夫?」
ゆっくり顔を上げる。
そこには、一人の男子生徒がいた。
銀色の髪に、穏やかなエメラルド色の瞳。
整った顔立ちなのに、どこか柔らかい雰囲気をまとっている。
顔にすごく見覚えがあるのに、眠気のせいか思い出せない。
俺が何も答えないからか、彼は少し心配そうに顔をのぞき込んだ。
???「顔色、あんまり良くないね」
pn「だ、大丈夫……ですわ」
そう答えたけど、声に力が入らない。
彼の手は温かかった。
制服越しに伝わる体温が、じんわりと体へ広がっていく。
pn(……あったけぇ)
昨日は一睡もしていない。
ずっと張りつめていた気持ちが、その温もりで一気にほどけていく。
pn(少しだけ……)
少しだけ、このままで。
そう思った瞬間、体から力が抜けた。
柔らかいベッドの感触。
薬品の匂い。
pn(……ここ、どこ?)
重たいまぶたを開くと、目の前に人の顔があった。
心配そうにこちらを見つめる優しい表情。
意識が一気にはっきりする。
pn「クロノアさん!?!?」
思わず叫びながら飛び起きた。
クロノアは思わず驚いて一歩後ろへ下がる。
保健室が一瞬静まり返る。
pn(やばい、名前で呼んじゃったよ!!)
クロノアは目を丸くしたまま、首をかしげる。
kr「……えっと。どうして、俺の名前を知ってるの?」
pn「…………」
終わった。
完全にやらかした。
pn(どうする!?どうする俺!?)
初対面なのに名前を知っているなんて、不自然すぎる。
必死に頭を回転させる。
pn(あっ!)
pn「そ、その……!」
クロノアが不思議そうに見つめてくる。
pn「生徒会にいらっしゃいましたでしょう?
入学式で生徒会役員の方々をご紹介されていた時に、お名前を聞きましたわ」
できるだけお嬢様らしく、落ち着いた口調で言う。
内心は心臓がバクバクだ。
クロノアは「ああ」と納得したようにうなずいた。
kr「そっか、入学式の時に…」
pn「はい」
俺はなるべく不自然じゃない笑顔を作る。
pn(助かった……)
心の中では全力で胸をなで下ろしていた。
クロノアは少し照れくさそうに頭をかく。
kr「ごめんね。急に名前を呼ばれたから、びっくりしちゃって」
pn「こちらこそ、叫んでしまって申し訳ありませんでしたわ」
深々と頭を下げる。
するとクロノアは苦笑しながら首を振った。
kr「そんなに謝らなくていいよ。それより、体調は大丈夫?」
pn「は、はい。大丈夫です」
漫画で見た印象と変わらない。
そう思うと、自然と肩の力が抜けたのだった。
そろそろ人数が多くなってきたから、矛盾がないように頑張らないとね(`・ω・´)
コメント
3件
ん〜好き🫰♡100にしておきました
ぺさん、第5話読んだよ〜! クロノアさんついに登場!待ってました✨ 徹夜明けでふらふらな主人公を支えるシーン、めっちゃ優しくてドキドキした…「あったけぇ」って思うとこ、すごく人間味あっていいなって思ったよ。 名前呼んじゃった時の焦りも伝わってきて、思わず笑っちゃった(ごめんね!笑) これからのクロノアさんとの絡み、すごく楽しみにしてるよ🌙