テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
149
434
#カンヒュ
抹茶らて☕️
154
モスクワの朝は、夜と大差がない。
厚い雲が空を覆い、窓の外は白く煙っていた。
机に突っ伏したまま眠っていた俺は、鈍い頭痛で目を覚ます。
灰皿には昨夜の煙草。
ぬるまったウォッカ。
……そして。
卍「起きたか」
その声に、反射的に拳銃へ手が伸びた。
☭「……まだいたのか」
卍「酷い言い方だ」
ナチスは窓際に立ち、外の雪を眺めていた。
まるでここが自分の部屋であるかのような態度。
その余裕が癪に障る。
☭「帰れ」
卍「断る」
即答だった。
俺は深くため息をつく。
どうしてこいつは、こうも人の神経を逆撫でする才能に長けているのか。
☭「……仕事は」
卍「終わった」
☭「なら帰れ」
卍「だから断る」
同じ会話を二度繰り返しても、結果は変わらない。
俺は煙草を一本取り出し、火をつけた。
紫煙が部屋を満たす。
静かだった。
いや。
静かではない。
煙草を吸う音。
薪が爆ぜる音。
そして、俺の向かいにいる男の呼吸。
その存在だけで、この部屋は妙に落ち着かなくなる。
卍「……眠れてないな」
☭「余計なお世話だ」
卍「目の下、酷いぞ」
☭「お前には関係ない」
そう言い捨てる。
だが、返事は返ってこなかった。
不思議に思って顔を上げると、ドイツはじっとこちらを見ていた。
その赤い瞳が、真っ直ぐ俺を映している。
……気に入らない。
その目が。
まるで俺の中まで見透かしているようで。
☭「何だ」
卍「お前は昔からそうだ」
☭「は?」
卍「限界になるまで、自分を壊す」
胸の奥がざわつく。
何を知ったような口を利く。
何も知らないくせに。
☭「知ったようなことを言うな。」
卍「知ってるさ」
ナチスは笑わなかった。
珍しく真面目な顔だった。
卍「ずっと見てきた」
その一言だけで、心臓が嫌な音を立てる。
見てきた?
誰が。
敵のお前が?
冗談じゃない。
俺は椅子を勢いよく引いた。
☭「勘違いするな」
卍「……」
☭「俺たちは敵だ」
その言葉に嘘はない。
敵だ。
今も。
昔も。
これからも。
それだけは変わらない。
なのに。
卍「……そうだな」
少しだけ寂しそうに笑ったその顔を見た瞬間。
胸の奥が、ほんの少しだけ痛んだ。
理由なんて、考えるだけ無駄だった。
認めたくない。
認めるわけにはいかない。
あいつは敵だ。
俺がいつか、この手で殺す相手。
そう決めている。
……なのに。
どうして今日も、帰れと言えなくなってしまったのだろう。
窓の外では、雪が静かに降り続いていた。
どうもどうもー!なめくじです。
時間がある時に投稿するといってから1ヶ月経ちましたー。何をしてんだって話なんですけど、フォロワー様がなんと私が見てない間に300人超えてましたー!✨️
ありがとうございます!ちょうどテラー初めて1年ちょいですかね。また投稿頑張りたいと思いまーす!リクエストも待ってます!
ではまたー!
コメント
3件
美月ゆめかだけど、この「雪と煙」めっちゃ沁みた…❄️🕊️ 冒頭の「モスクワの朝は夜と大差ない」で一瞬で空気に引き込まれた。 「敵だ」って言い聞かせてるのに、目の奥が痛むみたいなソ連の心情、そして「ずっと見てきた」って真顔で返すドイツ…二人の距離感が狂おしいほどエモい… どうして帰れって言えなくなっちゃうんだろうね。続きが気になりすぎる😭💔 なめくじさん、フォロワー300人おめでとう!これからも応援してます✨