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入学式の朝に相応しい快晴。なんとも散歩日和である午前11:30、楡井と桜は二人仲良く(?)話し(?)ていた。
「あ!!遥さん、見てください、学校が見えてきましたよ!あれが今日から俺たちが通う最高にカッコいい風鈴高校ですッッッッ!!」
ビシィィィ、っという効果音がつきそうなほど姿勢を正し後ろをキラッキラな目で振り返り、先ほどまで絶対についてきていた野良猫、、、もとい
「桜さんがいない!」と気付いた楡井は、思わず頭を抱えた。
その頃桜は…
「…あいつどこ行ったんだ、」
絶賛、迷子中であった。
桜は幼い頃から五感がまぁそれはそれは優れている。おかげで「今晩の晩飯」などに困ったことはなかったし、ゴミの中や他人がポイ捨てした食物を上手く活用して半分は生きてきた。
その鼻は数キロ先のモノでも集中すれば嗅げるしありつけれる、、、ので、ここまで読んだ方々にはお察し出来るだろうか、桜は楡井が長話(主に風鈴についての歴史や要注意人物など)をしている間にそそくさと「甘い匂い」に連れられ、気付けば、、、
ふと視線を感じながらも、楡井を探すのに夢中であった桜は忍び寄る影に気づかなかった。
「あれぇ〜、君何しに来たの〜?」
どこか遠く、まるで相手から話しかけているのに、聞いたところで興味のない声音に、桜はどこかゾクリとした。
反射的に後ろを振り向くと、思った以上の頭が高いヤツだった。眼は見えなくても、冷え切った視線や「そういった類い」には慣れているからか、どうゆう風に見ているかは予想出来た。
そして、手には先ほどつけてきた匂いを纏うみたらし団子が、ちょこんと座っていた。
「その制服はぁ、風鈴だねぇ〜、」
桜は返答する気もなかった。
「俺らのシマになんか用?それとも喧嘩しに来たのぉ?それも一人で」
突如、熱風が襲ったかと思えば、その口調から信じられないほどに素早く突進してきた「グラサンやろ-」の攻撃を、桜は間一髪で避けた。
あ、だんごが。
ひび割れたコンクリートに落ちる様を見ながら、相手をすかさず観察する。
桜は強いヤツと戦うのが好きだ。血を流すのも、汗だくの拳で殴るのも、殴られるのも、慣れればなんとも感じない。
けど、恐怖は消えない。そう簡単に。
けれど。しかし。目の前に立つ自分よりも呆れるほど高い相手を前にして、彼の心を支配するのは、恐怖ーー
ではなく、
呆れ。今までとはナニカが違う雰囲気。
何故だろう、「こいつ」から睨まれても、顔の横スレスレで踏まれそうになっても、全く怖くない。
そう、殺気が全くない。
ーーこいつは、悪いヤツじゃねぇ。
そして、桜は「悪いヤツ」しか殴れないし、殴りたくない。自分の嫌いな「アイツら」になってしまうのを想像したくないから。
「、君さぁ、かなり強いのに、なんで俺をなぐらなかったのぉ?」
桜は「グラサンやろ-」と戦い(正しくは避ける)、彼の息切れを見計らった瞬間、ドロップキックなるものを交わした。
相手は心底意味が分からない、とでも言うように炭酸の入った変な容器を手に、先ほどの喧嘩(?)からは考えられぬほど穏やかに自己紹介をした。
「俺十亀っていうんだぁ、よろしくねぇ」
「…ん、遥。」
「へぇ、桜っていうんだぁ。すごく似合ってるねぇ〜」
「…あ゛?」
桜は適当に返答した。
「…お前、俺を殺す目で見てなかっただろ。」
「…は、」
「…殴る気になれねぇから止めた。」
十亀はその整った顔を歪ませ、信じられないモノを見つめる眼で隣にいる「綺麗な人」に思わず絶句した。
十亀は、彼らーーの頭取である「ちょ-じ」ほどではないが、喧嘩は売られたら買う。その中で得られるモノが一体なにか、今まで考えたこともなければ、「なんで喧嘩してんだろ。」とふと思うコトもあった。
けれど。
ちょ-じと出会って。
「ついていきたい。」って思えた。
明るくて、誰よりも元気な獅子頭練の頭取ーーになるはずだった。
雨があの日から嫌いになって、泥を被るのも、無意識のうちに目を逸らすのも習慣となった。
喧嘩は「強いの」しか価値がない。他はいらない。
喧嘩は己の評価を示す唯一の方法。でなければ、獅子頭連に己の存在は自分の、俺の手で消え去られる。
そう下っ端共に教えては、彼等はどこか劣等感や恐怖に滲んだ表情をする。
そんな中、今隣でラムネを開けようと奮闘している遥は、「殺気がないから」なんて理由で喧嘩する気が失せた。
殺気かぁ。
「…喧嘩する最中、殺気向けられたりするんだぁ…」
「あ?なにいってんだてめー。んなのったりめ-だろ。」
「…そっかぁ。」
…こんな一言二言交えただけでどんなに過酷な過去を持っているのか分かるはずがない。頭だとそう分かっているはずなのに、心が少し締め付けられる心地がした。
殺気なんて、普段から相手の機嫌を逆撫でするような事をしたって出てこないはずだ。例えその人の大切な人が殺されたとして、殺した張本人を怨んだりした上で、「殺したい」と思う事なんてかなりシビアな考えだ。
喧嘩慣れしている十亀だってその辺りはちゃんと理解している。
けれど、ならば。
遥はきっと、今まで何十回、下手したら何百回も「殺気」を無意識に感じて、浴びせられてきんだろう。それは自分に向けられるモノ以外では理解できない感情。見る目のない上で、見えるモノだけで判断するような人達。
「負の感情に慣れている」なんて、想像しただけで目眩がする。
「…」
「ゔぅ、、、」
「…桜、なんか相談したい事あったらいつでもいいから言いなよ〜。」
何気に桜からつい先ほど渡したラムネを奪うと、慣れた動作で透明なビ-玉を親指で押す。
一連の動作を見た後、桜はふと横にいる男を観察した。
もさもさ(?)とした黒髪。グラサンねぇからこの前飲んだお茶みてぇな眼の色だな、、、それにンだよこのタッパ、、、180以上はあんだろ、、、
「、、、てめぇ、身長いくつだ。」
「え〜?大丈夫だって、遥はこれからもっと伸びるよ〜」
「あ゛??!!…てめッ!!!」
ギッと睨まれても、どこ吹く風の様子な十亀を見て、更に苛立ちながらも、ラムネを渡され「…ん」と少し戸惑いつつ受けとった。
十亀はその行動に抑えきれない衝動が勝り、ふと遥の丸いオセロの頭に手を置いた刹那ーー琥珀のビ-玉が下から睨んだ。
「!なにやってんだテメ-「ん〜撫でてる?」
警戒心がまだあるのは良く知っている。けど、彼の一つ一つの行動が可愛くて。気付いたら撫で回していた。
ん?
今、自分は「彼に対し」なんと思ったのか。
かわいい、?
反撃して来ないのは、もしかして、?
ふと見下げると、必然的に上目遣いになる遥が分かりやすいほどに眉を八の字にしている。歯を食いしばりながらも、その琥珀と黒曜石が埋められた目からは何故か涙が滲んでいて。不機嫌なのが丸分かーーあれ。
耳が真っ赤だ。
「…ッ」
何かに耐えている。いや、自分が撫でられてるのに耐えている。その事実に胸が暖かくなって、彼自身は嫌だと、分かっているのに手が止まらない。
相手が戯言のように「あ、」とか「う、、」とか呟いているうちに顔がどんどん赤くなっていって、遂には熟したトマトみたいになった。
「…かわいい。」
「、おい!!」
…たべたいなぁ。
オリ。それは主に頭取である兎海山丁子と副頭取の十亀条によって仕切られている。彼等二人が立ち上げた「“力”の絶対信仰」を畏怖する者もいれば、根っこから尊敬する者いる。
そんな弱肉強食のまんまな場所のてっぺんに居座る本人は、
「グ〜…」
現在進行形で昼寝していた。大衆がザワザワ騒いでいるのを気にもせず、ぐっすりと。
「…あの、!」
そんな中、決して大声ではなくとも、眠っている相手を起こすには充分な声量で呼びかけたのは下っ端の一人。
「ンぅ〜、ふぁあ…なに〜、?」
「そ、の…十亀さんが、」
「あー!!かめちゃん何処か知ってる〜??」
「十亀」という言葉に目を見開き飛び起きた兎耳山にビクッとしつつ、質問された彼は何も返せない。
戸惑いがちに周りへ助けを求める視線に気付いた一人が、大勢の前へ一歩出た。
「ねぇ、」
「あの!!と、十亀さんなら、先ほど風鈴生と一緒にいるのを見つけました!!」
兎耳山とほぼ同時に声を上げて目撃情報を知らせた瞬間、一瞬にして空気が凍る。
「…へぇ、かめちゃんがね〜…ま!!そんなら何処で見つけたのか教えて!!」
誰も動けないほどの「空白」の眼の先にある、氷点下の眼差し。それを一身に受け取ったかの勇者は、あまりの威圧に足がパタリと倒れた。
「かーめちゃん!!」
兎耳山は居場所が分かり機嫌の良い顔を貼り付けながら屋上への戸を遠慮なく開け放った。
「、あ、ちょっ、」
誰かの知らない声。それを聞いた一瞬にして最大限頭を振ると、柵に寄りかかりながらも小柄な男ーーあの風鈴生か、とーー自分の相棒が隣り合わせで立っている。
なにやってんだろ。
謎に面白味の気配を察した兎耳山は、なんとも愉快な判断をした。
よし、このまま見てよ〜っと。
屋上の一番上は今後ろにある塔屋である。そこへ飛び跳ねて背を屈めれば、小柄な彼には最高の隠れ場所になる。
「う、、」
なんかうめき声が聞こえる〜。
「、おい!!」
突如叫んだ風鈴生へ目を向けると、りんご飴みたいに赤い。
うわぁ、かめちゃんなにしたの、、、
思わず口元を手で隠す。だがかめちゃんへ目を向けると、見たことのない仏頂面で彼を見下ろしていた。
え、かめちゃんの顔こっっっっわ。
なにかかめちゃんが言っていたが、それに気づく余地もないまま風鈴生に同情する。
だが、かめちゃんの頭を撫でていた手がゆっくりと、自然と思えるほどに彼の頬を伝う。
「え、、、」
思わず声が出てしまい、慌てて口を塞ぐ。けれど向こうの二人は気付いてないようで、胸を撫で下ろした。
かめちゃん、、、未成年に手を出すなんて、、、
(もちろん十亀も未成年なのだが)犯罪者になっちゃう、、止めよう、、かな、、
「、ふ…お、い…!!」
擽ったいのか、身動ぎを試すものの、気付いた内にガッチリホ-ルドされているまま、十亀が桜の熱く、赤く、ほんのりと童顔を思わせるまろい頬に口付けた。
桜が固まった。
兎耳山も固まった。
十亀は背中越しでも分かる強欲を含んだ眼差しで固まった桜に気付いているのか気付いていないのか、そのまま親指を淡い桃色の唇に乗sーー
「ストーーーーッッッップ!!!!!!!!!」
「@)¥\(#€%\*\)%$^+、!!!!」
爆音を受けた十亀はすぐに正気に戻り、唖然とした。
ついでに被害を受けた桜も、
「こいつなにして、」
「顔が、、、あつぃ、」
「誰かに見られた」
と三つのフレーズが口から一斉に出てきてしまい、よく分からない遺言を残しオーバーキルもいいところでぶっ倒れた。
「…かめちゃん、???」
「、〜〜〜ッッ!」
両手で顔を隠しても、うん、茹でタコみたいに赤い顔がこれまたハッキリと見える。
「…ちゃんと見送りするんだよ!」
…あ〜コレは説教コ-スだな、、、と一人羞恥心に狼狽えながら頷いた。兎耳山からの怒涛の質問攻めなどを予想しながら。
「あー!!!もう遥さんこんな所にい、、た、、、、」
その後、十亀からの謝罪を起きた瞬間に受け取り怒りと「初めて」を取られたと困惑する桜と、そんな桜に「ほんとにうちの副頭取がごめんね〜」と謝罪する兎耳山に「お、おう、??」としか言えなかった彼を見送ろうと例のトンネルの下まで案内すれば、楡井と鉢合わせた。
「、、、お前どうやって来たんだ、、ってどうしたんだてめ-」
「え、いや、その…」
わなわな震えながら桜越しにいる「何か」を見つめる楡井を不思議に思っていると。
「あ、遥のダチ?良かったねぇ、良いの友達に出来て。じゃあまたねぇ、遥〜」
「ん…じゃ-な」
「え、ええええええええええええええええ??!!!!」
「どっかに消えたと思ったら!!!周りに人達に聞いてやっと見つけた遥さんに出てきたトコ獅子頭連のシマじゃないっすか?!!んでいいいいいいつの間にか風鈴高校相対している獅子頭連のあの無類の強さと味方に対しても容赦のない副頭取の!!!あの頭取の兎耳山丁子を唯一扱うことの出来る人間、、、十亀条と仲良くなってるなんて?!!!!あんた何がしたいんすか!!!くぅ、ちょっと羨ましいっす!!!」
という内容の説教(?)を楡井に後々され、半分聞き流しながらも少しは改善しようと思った桜であった。
はい!!🌸ちゃんの過去がやっと、やっっっと結構鮮明に分かる今、やるべき事はただ一つ!!!一年ぐらい(?)放置していた小説の続きを書く事!!!
みなさん、本当に長らく不在し、合わせる顔もありません!!!(元々ないですけど)🌸ちゃんが愛されてほしいと悲願した矢先書き、急に止めて、また書き初めるという最悪な印象をみなさんに残しましたね!!!なんだこのうわ言と思うであろう10割の方々、私の妄想劇に仕方ねぇ、付き合ってやんよ、という方々(いねぇだろ)大変失礼しました!!!