テラーノベル
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影蔵が殺気を感じるのと同時に屋敷の周囲から複数の人間のただならぬ気配を察知したのだった。
それは…およそ常人には到底出せないオーラ。
どんな状況下でも戦う事を覚悟した……
否、そんな生易しい覚悟では無いのだ。
この気配の持ち主達は…人を殺すこともいとわない、殺しが日常茶飯事なプロだけが放てるオーラであった。
その中でも…特に一番力強く強烈なオーラを放っている者が隠れているであろう門の方へ影蔵が踵(きびす)を返して身体を向けると…
「ははは…大きな身体でコソコソと…かくれんぼかな…」
大きな声でハッキリと聞こえるように影蔵が言うのであった。
…すると、門の前に2メートル以上はあろうかと思われる人物が現れたのだった。
ご町内一、長身の松っつんよりも、さらに大きな体躯で筋肉隆々のフランケンシュタインの怪物みたいな輩が仁王立ちで…こちらをじとりと睨んでいるでは無いか。
「オイ…貴様ら、ここにはクロガネカゲトとか言う不思議な能力の持ち主がいるのか!」
不躾な物言いで開口一番に傍若無人な巨漢が…そう尋ねてくるのであった。
「ほほぅ…随分と礼儀知らずの無粋な奴じゃのう。
そもそも、お前達こそ一体何者じゃ!」
臆する様子などは一切なく影蔵が語気を強めて言い返す。
「フッハッハッハァッ!
聞いて驚け…オレ様は羅刹ッ
貴様らに地獄を味わわせてやる為にここへ来たのだ
さぁ…四神のソウルズを宿す者をおとなしく渡せば命までは取ら無いかも知れ無いぞ」
影蔵の強気な態度に呆れるような…バカにでもしたかのような視線と共に羅刹が嗤う。
「あ…こいつは、黙って見過ごせねぇ……
はてさて、ここが天下の黒鋼組と知ってて殴り込みたぁ~ッ…
良~い度胸でぇッ!
さぁさ…遠慮は、いらねぇ~ッ…
どこからでも、かかってきなッ!」
松竹梅のトリオが先程…買い物して来たビニール袋を後ろに放り投げると戦闘態勢を取り、歌舞伎の見栄をきる様に大胆不敵に…そう力強く叫ぶのであった。
「松岡と梅沢は周囲を固めるんじゃ…良いな
お前達は何があっても…あのデカブツだけには絶対に手を出すんじゃないぞッ!
それから竹原は影人を頼む
朱雀様の部屋じゃ…いつものお仕置きをしておるから霊札を剥がしてやれ
…急げよ
抜け出すタイミングはワシが作る…任せておけ」
影蔵から的確な指示をされると梅ちゃんと松っつんが背中合わせに組み構え臨戦態勢をとるのであった。
竹りんは今か…今かと正門から飛び出す機会を伺っているのだった。
そして…一仕切り、彼らに指示を出し終えると、次は己の番だとばかりに影蔵は左腕を無造作に作務衣の外へと放り出した。
まるで…どこかで観かけた事のある、桜吹雪が舞散る時代劇での一幕みたいであった。
ズバッと外へ放り出された影蔵の左肩には炎に揺らめく一頭の蝶がいたのだった。
それは影人の入れ墨…ソウルズにも似ている。
はためくオーロラのような生命力に満ち溢れた入れ墨であった。
「極楽蝶よ!
我と共に敵を討てぃッ!」
オレンジタイフーン
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