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『片思いの行く先』
楽屋でアロハ君とオンラインゲームをしていると、勢いよく扉が開いた。
「ハルー!アロハー!旅行行かない?」
シューヤ君がものすごい笑顔で俺たち2人を誘ってきた。
「えっ!?いいの?!」
顔を上げ、眼をキラキラさせたアロハ君。すごい笑顔だ。
「あったりまえじゃん☆スケジュール空いてるっしょ?!行こう!!」
「やったー!で、俺たち3人で行くんですか?」
んなわけないじゃん…アロハ君。
「んなわけないだろ?」
ほら、やっぱり。
シューヤ君の後ろから声がし、マサヒロ君が姿を現した。
「もちろん、俺も行くよ。」
「えー!マー君も行くの!?やった☆めっちゃ楽しそう☆」
アロハ君はこっちにとびきりの笑顔を見せながら楽しみだな!ハル!
と言ってきた。
あーぁ!もう!マジ…こいつ…ごついクセに可愛い!!
俺が密かにアロハ君にキューアグを起こしていると、マーくんが俺の肩を叩いた。
「まぁ、頑張れよ、ハル。」
やらしい笑みを浮かべながらシューヤ君の所に去って行った。
そのやらしい笑みの意味を俺は理解している。
俺が密かにアロハ君の事を好きなことをマーくんは知っている。
そして、この旅行で決着をつけろって言っている。
そして、旅行当日、シューヤ君の車に乗って旅館に着いた。
フロントで鍵をもらおうとすると、受付の人は鍵を1つ俺たちに渡した。
あれ?
「ねぇ、シューヤ君。鍵は?」
俺が尋ねると、シューヤは何を言ってる?という顔をしていた。
「なに言ってんのハル?部屋1つしか借りてない。」
はぁ?
「ちなみにダブルベッド2つだから、俺とシュー。ハルとアロハで寝るから。」
ニヤニヤしながらマーくんが言う。
コイツ!面白がってこんな部屋にしたな!
「えぇー!俺とハルっすか?シューヤ君とがいい!」
アロハ君が笑いながら言うと、シューヤ君がさらにボケる。
「そんな事言うと、また襲うぞ☆」
「や!エッチー☆」
キャッキャッとゴツイギャル2人がはしゃいでいる。
それでも可愛いと思ってしまう自分は本当に盲目だ。
カッコイイ所も勿論あるが、可愛い仕草や色っぽい表情をされると胸が高鳴る。
惚れちゃってるんだよなー…。
そう思いながら荷物を置き、一人で部屋を探索する。
お風呂は室内温泉があり、2人でちょうどよい大きさだった。
宿の自慢は景色の良い貸し切り露天風呂だったな。フロントにあったパンフレットに写真が載っていたっけ。
襖を開けると、そこにはベッドより低い小上がりみたいな高さの所に布団が敷いてあった。
ダブルって言ってたけど、クイーンサイズじゃない?男2人でも余裕で寝れそう。
一つの布団に腰かけると、ふっかふかでとても気持ち良い。
俺は静かに目を閉じた。
『………ル!ハル!』
ゆっくりと目を開けると、目の前にはアロハ君の綺麗な顔があった。
びっくりして飛び起きる。
「うわっ!急に飛び起きるなよ!危ないだろ…。」
そういって、アロハ君は笑った。
「今からみんなで貸し切り露天風呂に行こうぜ!」
お風呂セットを持ったアロハ君は眼を輝かせていた。
「おこちゃまアロハ君」
ボソッと言うと、アロハ君は俺に向かって殴るしぐさをしてきた。
ゴメーンと笑うと、アロハ君も笑ってくれる。もう、可愛いな。
「おい、置いてくぞ!」
シューヤ君の声が玄関から聞こえ、二人で慌てて荷物を持って玄関に向かう。
貸し切り露天風呂の扉を開けると、壮大な景色が広がっていた。
目の前には大きな山が見え、周りは木々しかない。
湯舟は石で作られており、大人10人は余裕で入れそうな程大きかった。
「うわっ!これ贅沢じゃね!?」
シューヤ君が目をキラキラさせている。
マー君も嬉しそうな顔をしている。
「イエーイ!さっそく入ろうぜ☆」
アロハ君は余韻を感じる事なく、そそくさ湯舟の中に入った。
俺も寒い外気から湯舟の中に入る。
少し熱いお湯は、冷えていた身体にはちょうどよくすごい気持ちよかった。
4人共溜息が出た。
「めっちゃサイコー!きもちいいー!」
シューヤ君が背伸びしながら叫んだ。
叫んでも迷惑のかからないくらい、周りには何もない。
「ホント最高!」
マー君も背伸びをした後、シューヤ君の肩に腕を回している。
シューヤ君は特に気にしている様子はない。
………見せつけてやがるな…。
はっきりと聞いてはいないが、たぶんあの二人は付き合っている。
俺の勘がそう言っている。
「広いし、気持ちいいし、景色いいし、サイコー!」
アロハ君も気に入った様子で温泉に浸かっていた。
アロハ君の隣に座って二人でゆっくり浸かる。
「サイコーだな、ハル。」
髪をかきあげ、オールバックになったアロハ君はカッコイイがそれ以上に色気がすごい。流し目でこっちを見ないでほしい。マジでドキドキする。
ふと前を見ると、ニヤニヤしたマー君がこっちを見ていた。
少しだけ睨み返すと、クスっと笑って、シューヤ君の首筋に顔を埋めた。
エッと思った瞬間、『ひゃんッ!』とシューヤ君の甲高い声が聞こえた。
顔が真っ赤になったシューヤ君が首筋に手を当てて、マー君を睨んでいる。
「マサ!お前ッ!」
「美味しそうな肌をしていたから思わず食べちゃった。」
シューヤ君が更に赤みを増してタコみたいになっている。
シューヤ君が手をどけると、首に赤い模様が出来ていた。
「うわっ…///」
アロハ君は小さく声を漏らし、眼の前の光景に照れて下を向いた。
そんな俺も顔が熱いから、端から見れば顔が赤いのだろう。
「ハル…、少し逆上せた。身体洗おう?」
アロハ君の提案で一旦温泉から上がり、髪や身体を洗う。
ただ、まだ暑いので近くにあったイスに座り、身体を冷ました。
「なぁ、いくら仲がイイからってあんな事するかな…?」
アロハ君が俺に向かって言う。
「ん~、まぁ、する人もいるんじゃない?」
なんて答えてよいかわからず、適当に言う。
しばらくして身体も冷えてきて、気分も良くなったところで、もう一度、温泉につかり上がった。
休憩室みたいなところで、マッサージチェアがあったので、アロハ君と2人で受けていた。
先に終わった俺は、飲み物を買ってくるとアロハ君に言って、自動販売機に向かった。
自動販売機のところに行くと、ヒソヒソと話し声が聞こえる。
「さっきのなんだよ!ハルたちの前で変なことして……!!」
ん?シューヤ君の声?ってことは…。
「別にいいじゃん、あれくらい。ってか、あの2人誘ってよかったね。もし、2人だったら、シューは今頃、立てなくなってたよ?」
「なっ……!バカ!変態!」
「彼氏に対して酷くない?お前だっていつも喜んで腰振ってんじゃん。そしてさ、こんな人が居ない場所に連れてきて、浴衣着崩して際どい恰好して、誘ってんじゃん。」
「ちがっ「違わねぇよ。」
やっぱり付き合ってんじゃん。それも結構関係進んでる。
ってか今の2人の雰囲気、険悪じゃない?
更に様子を見ようと身体を動かした瞬間、小銭が落ちて、2人はこっちを見た。
きっ、気まずい!
「ハル!」
シューヤ君が助かったという表情でこっちに駆け寄って、何買うのか聞いてくる。
マー君は無表情でこっちを見ていた。怖い…。
そしてこちらに歩いてきて、
「ハル、アロハを早く寝かしつけてお前も寝ろよ?でないと、お前たち、俺たちのイチャつきを目の当たりすることになるから。それとも見学するか?」
えっと…まずはシューヤ君、ご愁傷様です。明日、身体無事だといいね。
そう心の中で手を合わせながら思った。
寝るしかないので早く寝かしつけます…。
俺、アロハ君を守るため寝不足確定―。
耳栓2人分あったかな…泣
そのあと、夕飯を済ませ、各々好きなことをする。
まぁ、俺たちは相変わらずオンラインゲームをしている。
シューヤ君とマー君は2人で撮影の打ち合わせをしていた。
「あー!ハルに負けた!!」
悔しそうなアロハ君の声が聞こえてきた。
「へへー!やったね☆勝っちゃった-‼」
俺の煽りを聞いてちぇっ!と拗ねるアロハ君に提案をする。
「ねぇ、俺に負けたんでしょ?また露天風呂に入りに行きたいから付き合ってよ?」
疲れさせて寝かせなきゃ!深夜が怖すぎる!!
いいけど…とアロハ君は返事をすると立ち上がりお風呂セットを取りに行った。
「シューヤ君、マー君。俺たち露天風呂に入ってくるから~。」
2人に声をかけると、2人ともこっちを見て、いってらーっと手を振った。
一瞬だが、マー君の不敵な笑みが見えた気がするが、気のせいにしとこう☆
「あぁ!やっぱり気持ちいいー!」
両手を突き上げ、背伸びをしながらアロハ君が叫んだ。
「ほんとに…めっちゃ気持ちいいし、星空もめっちゃ綺麗。」
4人で入った時とは違い、周りは真っ暗でぼんやりとしか景色が見れないが、真上を見上げれば、星がたくさん散りばめられた夜空が見れる。
照明も暖色系でとてもロマンティックだ。
「なぁ、ハル。……好きな人いる?」
心臓が飛び出しそうになる。思わず変な声が出た。
「なんだよーその声!おもしれー。ただノリで聞いてみただけだろ?」
こっちの気も知らないで、ニヤニヤしながら俺の様子をうかがっている。
「いるよ。」
はっきり言うと、アロハ君の顔から笑顔が消えた。
「えっ…。」
「えっ、って何?アロハ君が聞いてきたんでしょ?好きな人。だから、いるよって答えたんじゃん。」
なんで困った顔するの。自分から聞いてきたクセに。
「もしかして恋人だったりするのか?」
「いや、俺の片思い。」
しばらく沈黙が続いた。
「そうか…。まぁ、ハルならきっと大丈夫じゃね?国宝級イケメンだし、優しいし、面白いし、気が使えるし!でも、その子すげぇな、お前を惚れさせるなんて。どんな子なんだよ!」
アロハ君、俺をそんな風に見てるんだ。イケメンかは知らないけど、あとの言葉は嬉しい。
「ん…。すごく純粋でまっすぐで真面目な子かな…。笑顔が可愛くてさ、でも時たますごい色気出してきてドキドキする。みんなに愛されてて凄く明るくて太陽みたいだよ。」
「そっか。めっちゃ惚れてんじゃん、ハル。今度俺にも会わせてよ。」
微笑んで片思いの人に会わせてというアロハ君。
心臓にチクチクと針を当てられるかのような感覚に襲われる。
「アロハ君…。もうアロハ君、会ってるよ。」
驚いた。
アロハ君もこっちを見て驚いた顔をしているが、無意識に言ってしまった自分に驚いた。むしろ驚愕している。
「えっ?誰…。」
訝しげに聞いてくる。
これって、言ってしまったらどうなる?
嘘をつくべきか?でも、アロハ君が会ってると言ってしまっている以上、互いが知ってる人。その嘘もきっといつかはバレる。
それだったら正直に言うしかない。あぁ…マジで怖い。
「俺の好きな人はね、アロハ君だよ。」
「………はっ?」
そうなるよね。
男に、それもメンバーにいきなり告白されたら驚くよね。
でもね、本当に大好きなんだよ。
「めっちゃ、惚れてるの、アロハ君に。」
真っ直ぐに見つめて自分の想いを告げた。
「ハル…。俺さ、お前の事、本当にカッコイイって思うし、尊敬するところ沢山あるし、一緒に居て全然飽きない。もっとたくさん色んなこと共有したい。
でも…恋愛としては、わかんない…。
ただ、好きな人がいるって言われたときはドキッっとしたし、片思いの人の特徴を言ってたときのハルの表情みてたら辛くなった…。
めっちゃ幸せそうな顔してて、心臓が痛くて。でも、ハルが幸せになるために応援しないとって思った。でもやっぱり苦しかった。これってどんな感情?」
少し俯いてポロポロとアロハ君が零す言葉。
「ねぇ、それって期待してもいいの?」
アロハ君に近づいて問う。アロハ君は意味が分かっていない様だった。
「だって、アロハ君は、俺の片思いの人の話を聞いて辛かったんでしょ?」
アロハ君の肩を持って、俯いているアロハ君の顔をのぞき込む。
「それって、片思いの人に対して嫉妬してるんだよ?」
「嫉妬…なのか?」
「そうだよ。俺が片思いの人に取られるって思ったんでしょ?」
静かに小さくアロハ君は頷いた。
「それって、俺の事好きなんじゃないの?」
「わかんねぇ…。でも、お前と誰かが付き合うのはイヤかも。」
語尾が消えそうなほど小さく喋り、そして顔が赤いアロハ君。
どうしよう、嬉しくてニヤけてしまう。
「今はそれでいいよ。お互いの気持ちを確かめていこう?」
俺の言葉に頷くアロハ君。
「ねぇ、そろそろ顔上げて?」
ずっと頭しか見えない。顔が見たい。
ゆっくりと顔を上げたアロハ君は眼を少し潤ませていた。
「アロハ君としか付き合わないから泣かないで?大丈夫だよ。」
―――チュッ
唇にキスをする。
アロハ君は眼を見開き驚いている。
「嫌だった?」
俺の問いにイヤじゃないと小さい声で言ってくれた。
「ありがとう。大好きだよ、アロハ君。」
「おう。」
恥ずかしいのかぶっきらぼうになるのも可愛い。
「露天風呂上がろうか。」
俺の言葉に、うん。と返事をしてお風呂を後にした。
廊下は俺たち以外誰も通っていない。
すかさずアロハ君の手を握る。
一瞬びっくりしていたが、握り返してくれた。
それも嬉しくてたまらない。
部屋に到着し、玄関を開ける。
部屋の扉を開けると、シューヤ君とマー君の姿が無い。
「あれ?二人とも出かけたのかな?」
アロハ君が疑問に思いながらもソファに座ったが、すぐにあくびをして寝る体勢を取る。
「アロハ君、眠たいんならベッドルームに行こう。」
歩きながら眠りそうなアロハ君の手を引いてベッドルームに連れていく。
ベッドルームの扉に手をかけようとしたときに、中から声が聞こえてきた。
「まッ…ン!だッ、だめだっ、てぇ!ハぅたち、がぁ!」
「シュー、今二人っきりなんだよ?今イチャイチャしないで、いつするの?
それともハルとアロハが隣で寝ているときに手を出してほしいの?
自分が喰われている所見て欲しいの?変態だね。」
…………ヤバイ。
でも、こっちが寝てる時よりは都合がいい。
「ハルぅ?どしたぁ?」
アロハ君が眠たそうに聞いていた。
「いや、ちょっと…」
俺が戸惑っていると、アロハ君はベッドルームのドアノブに手をかけた。
マズイ!
「あ!アロハ…『バンっ!』
俺の声は届かず、思いっきり扉を開けたアロハ君。
アロハ君の後ろから恐る恐る顔を出すと、まさに最中のシューヤ君とマー君が居た。
終わった…。俺、終わった…。
寝ぼけているアロハ君は突っ立って二人を見ていたが、気にすることなく、空いているベッドに入り、寝る体勢を取る。
「ハルぅ…。こっち来い…。」
えぇー!俺もここの空間に入れと?!
俺がまた戸惑っていると、はやく!と言って急かされた。
シューヤ君とマー君を見ないようにし、ベッドに入り込む。
「おやすみぃ」
そう言って俺に一瞬だけキスをしてくれ、眠りについた。
もう寝息が聞こえる。
可愛い。本当に可愛い。
まだ好きか分からないって言ってたのに自分からキスする?!
あぁーもう幸せ・・・。
アロハ君を抱きしめ頭を撫でる。
このまま幸せな眠りにつこ………「んッ///まッ…てエ!あぁ…ッ!」
ですよね~……。耳栓持ってきてないや…。
あぁ…。俺の後ろが騒がしい…。聞きたくないのに。
「ハル!起きてんだろ?アロハとはどうなった?」
はぁ?!今、聞く?寝たふり、寝たふり。
「ねぇ、シュー、ハルに寝たフリされた。」
「まッ、まッ…てッ!イッ、イヤッ…‼はげしッ‼」
俺への腹いせなのか、後ろがより煩くなる。
「だって、ハルが答えてくれないから。シューに慰めてもらってるの。」
シューヤ君可哀そうに…。音が激しくなっていってる。
「はりゅっ‼ごぉだぁえっでぇぇぇえ~~‼‼ごわれりゅッッ‼」
「あぁあ、ハルが寝たふりするからシューが壊れちゃうね。」
俺分かる。絶対楽しそうに笑ってるでしょ?マー君!
一方、シューヤ君は絶叫し、声が聞こえなくなった。
「あぁあ…飛んじゃった…。答えてくれたらシューも飛ばなかったのに。」
そう言いながら絶対笑ってる!
俺は後ろを振り向いた。
そこには汗だくのマー君と、ドロドロでぐったりしてるシューヤ君が居た。
「で?アロハとはどうなった?」
「友達以上恋人未満。」
なんだそれっとマー君が言うので説明した。
「ふぅーん、まぁ、でも脈ありじゃん。よかったな、ハル。」
「この状況で言う?ってかアロハ君に悪影響なんだけど!俺がアロハ君にどれだけ気を使ったって思ってるの⁈」
俺が文句を言うと、マー君は笑いながら失神しているシューヤ君の頭を撫でながら言った。
「お前らが入ってきたのが悪い。ってか、お前も想像力効かせろよ?2人っきりになったらどうなるかってな。」
あーはいはい。俺が悪かったですよ!
「まぁ、でもシューもすげぇ興奮してていつも以上に可愛かったしな。」
許してやるよっと俺に向かって言ってきた。くそー!
少し睨んだけど、マー君は俺を気にも留めず、ぐったりしているシューヤ君を連れて風呂場に行った。
はぁ、やっと静かになった。ようやく寝れる…。
そう思って布団に潜り込みアロハ君をギュッと更に抱きしめる。
「ハル…///」
「えっ!?アロハ君起きちゃった?」
のぞき込むと赤面しているアロハ君が居た。
「……シューヤ君どうなったの?」
「えっ?!いつ起きたの?!」
「シューヤ君の叫び声で起きた…。そのあとからシューヤ君の声全然聞こえないから怖かった。」
ほら、やっぱり悪影響だ…。
俺はアロハ君の頭を撫でて大丈夫と囁いた。
「シューヤ君は大丈夫だよ。今はマーくんとお風呂入ってる。」
まぁ、気絶してるんだけどね。
「そっか…。ハル、暖かい。お子様体温…。」
「ちょ!誰がお子様だッ!」
いつものノリでバッとアロハ君から離れて抗議した。
「お前、元気いいなぁ~。」
ほわほわした顔で笑うアロハ君。
「いや、もう疲れたの!カラ元気!だからもう寝よ?」
そう言ってアロハ君を布団に寝かせようとしたときに、チュッと音がした。
目の前には視界いっぱいのアロハ君。
「やっぱり…俺、ハルの事、恋愛的な意味で好き…。」
「アロハ君…。」
「ねぇ、ハル、ハルから1回チューして?」
ちょっ…破壊力‼可愛い…!
キスだけで済むかな…。
おずおずとキスする。
「ふふ…可愛い、ハル。ありがとう」
しばらくして寝息が聞こえてくる。
可愛いのはアロハ君のほうだよ。
ガチャと扉が開く音がして、のぞくと、シューヤ君を支えているマー君と、意識を取り戻して自力で歩いているが、足がおぼつかないシューヤ君の姿が見えた。
シューヤ君はかなりはだけていて、かろうじて浴衣を着ている状態だった。
マー君はシューヤ君を布団に降ろした。
「シュー?大丈夫?」
先ほどのドSはどこに行ったのか、聞き方が甘い。
「…ん~。だいじょうぶじゃない…。めったぁ、つかれたぁ…こしいたい。」
「ごめんね、激しくしすぎたね。でもシューがめっちゃ可愛いからダメなんだよ。」
あぁあ!ラブラブしちゃってさ!色々見せつけられて砂糖吐きそうだわ!
「ハルぅ、アロハぁ、うるさくてごめんな?」
シューヤ君がこっちの布団に寄ってきて、俺たちの頭を撫でた。
「ふふっ、2人とも可愛い~。」
俺たちの寝顔を見て満足そうに言っているシューヤ君。
そのあいだにマー君はシーツを入れ替えていた。
「さぁ、シュー寝よう。」
マー君がシューヤ君を呼ぶ。
「ん…。マサ、お休み。」
「うん。でも、おやすみの前にキスさせて」
そう聞こえたあと、チュッとリップ音が聞こえた。
「可愛い、シュー。お休み。」
シューヤ君も嬉しそうにお休みと言った。
あぁー…めっちゃ疲れた…。
ガチプライベートでこんな怒涛の温泉旅行なくない?
俺もさすがに疲れて目がかすんできた。
更にアロハ君を抱っこしてて暖かい。
心地の良い暖かさを感じながら目を閉じた。
ふと目が覚めた。
周りを見渡すと、部屋が柔らかい光で照らされている。
朝か…。
なんか寒い。
そう思って起きようとしたときに、目線を下に落とす。
アロハの姿が無かった。
勢いよく起きて周りを見渡す。
隣の布団ではシューヤ君とマー君が寝息を立てていた。
音をたてないようにゆっくり布団から出て、アロハ君を探しに行く。
すると、お風呂場のほうから鼻歌が聞こえてきた。
お風呂のドアをノックする。
「アロハ君、お風呂入ってるの?」
聞くと、中にいるアロハ君は陽気な声で答えた。
「入ってる!なぁ、ハルも入って来いよ!」
断るわけがない!
「わかった、着替え準備してくる。」
そういって着替えをもって脱衣所に向かう。
お風呂に入ると、湯気が立ち込めており暖かい。
大人2人でちょうどいい広さの湯舟でアロハ君が寝ている。
「気持ちいいから早く入れよ。」
お言葉に甘えて、隣に入る。
「うわっー!気持ちいい!!」
内風呂でも温泉には違いなく、とろとろのお湯で気持ちが良い。
肌もスベスベする。
「なぁ、ハル。俺、幸せ。」
アロハ君を見ると優しく笑っていた。
「うん、俺も幸せ。」
アロハ君の頭を撫でる。
なんだよーっていうアロハ君が愛おしくて仕方ない。
「ねぇ、アロハ君…。」
ゆっくり近づいてキスをする。
でも今回は触れるだけのキスではなく、舌でアロハ君の口をこじ開ける。
「ハっ…んッ、ん…。」
何度も顔の角度を変えて、アロハ君の口内を貪る。
波打つお湯、時折聞こえる苦しそうな声、俺の肩を持つ手の力も痛いけど全部興奮する。
舌を抜き、顔を見ると涙目で息が荒い顔が見えた。
アロハ君の首に顔を埋めて、強く吸う。
「ンあっ!」
今まで聞いたことのない甲高い声。
その声に興奮し、さらに鎖骨にも吸い付く。
綺麗な赤い模様が出来ていて、嬉しい。
更に下に移動させようとしたとき、アロハ君から声がかかる。
「ハ、ハル…。ごめん、逆上せた…。」
急いで二人でお風呂を出る。
アロハ君の顔を見ると気持ち悪そうな顔をしていた。
「ごめんね、気づかなくて…お水飲もうね。」
そう言いながら、身体を支えながらリビングに行くと、マー君がコーヒーを飲みながら携帯をいじっていた。
こっちを見るなり、ニヤニヤとやらしい笑みをしていた。
こんにゃろー!と思ったが、アロハ君の方が先なので、冷蔵庫から水をだし、アロハ君に飲ます。
ぐったりしているアロハ君に何故かあった冷却シートをおでこに貼る。
「ハル、ありがとう。」
「気にしないで。俺の方こそ、ごめんね。」
アロハ君は少し笑いながら、気にするなと言ってくれた。
顔を上げると、ニヤニヤしているマー君がまだ居た。
「おはよう、ハル、アロハ。ずいぶん長風呂だったな。」
すべて分かっているクセに!
「アロハが逆上せるって、一体、何して遊んでたんだか…。」
ニヤつきながら溜息を盛大にはき、コーヒーを飲んだ。
「マー君のエッチ!変な想像しないでくれる?!」
ふざけたように抗議すると、またマー君は笑って、アロハ君の首を指さした。
「エッチな事をしてんの、お前じゃね?ハル。」
首には先ほど付けた赤いマーク。
「まぁ、未遂で終わったんだろうけど。」
何も言えず、黙る。
「無事恋人になれたからよかったじゃん。おめでとう。」
「うん、ありがとう。」
そう言った途端、いきなりズシッと重たいものが乗っかって来た。
「はうくん、オハッ☆あっ!まさ、俺、昨日買ったミルクティー飲みたい!」
昨日の夜、疲弊してた人間とは思えないくらい元気なシューヤ君が後ろに立っていた。
「シューヤ君、元気だね…。俺はあんたたちのせいで、疲れたっていうのに。」
ジト目でマー君を見る。
マー君はにやつきながら、シューヤ君が注文したミルクティーを取りに行く。
「なんで俺たちのせいで疲れるんだよ!」
シューヤ君が俺の頭をガシガシしながら不服そうに言ってきた。
「そりゃ、そうだろ!めっちゃ気を使ったわ!アロハ君も守らなきゃいけないし、あんたたちにも配慮しなきゃいけないし!おかげで疲れが取れんわ!」
「配慮ぉ~?」
シューヤ君がなんじゃそりゃっと聞いてきたのでハッキリ答える。
「隣であんだけ激しい営みされたら、うるさくて寝れないよ!!」
アロハ君の耳は俺が塞いでたけどね!と付け加えた。
見上げるとシューヤ君は顔が真っ赤だった。
「シューヤ君、キスマークつけられすぎじゃね?随分とマー君に愛されてるね。」
そう言うと、マサッ!と叫んでマー君に抗議していた。
「あのさ、昨日も言ったけど、可愛いお前が悪い。」
サラッと言うマー君にシューヤ君もピタッと止まり、顔を更に赤くし、照れていた。
「えっ、クソ甘いし、真っ赤でちゅね?シューヤきゅん☆」
煽ると、ハールー!と言われ小突かれた。
「………っさい。」
隣で寝ていたアロハ君が起きた。
「アロハ君、大丈夫?」
心配で聞くと、大丈夫と返事が返ってくる。
「気分も良くなったから大丈夫。世話してくれてありがとうな、ハル。」
アロハ君はゆっくり身体を起こし、背伸びをした。
「アロハ、はよッ☆そういや、どうしてここで寝てた?」
シューヤ君がアロハ君に聞くと何故かマー君が答えた。
「どっかの怪獣が風呂場で盛って襲ったから逆上せたんだよな?アロハ。」
それを聞いたアロハ君は真っ赤になった。
「えっ…?まさかお前たち、そういう関係なの?」
シューヤ君が尋ねてくるから、アロハ君の手を握りる。
「うん、恋人関係だよ。」
しばらく沈黙が続いた。
「うえぇ―!!!マジぃ!?すげぇ!!おめでとう!!」
シューヤ君がニコニコしながら叫んだ。
「ちょ!煩い!!」
俺が抗議すると、いいじゃんっと言い、シューヤ君はアロハ君に抱き着いた。
「アロハよかったな!おめでとう!」
アロハ君の肩をバンバンと叩きながら言うシューヤ君に痛い!痛い!と言いながら笑っているアロハ君。
「ん?ん?」
俺が疑問に思っていると、シューヤ君が俺を見た。
「俺さ、アロハから相談受けてたのよ。ハルが気になるって。でも、これが恋なのか分からないって言われてさ!今回の旅行企画したの!」
企画してみるもんだね!というシューヤ君を横目に俺はマー君を見た。
「マー君、全部知ってたんだね。」
そう言った俺に、まぁなと一言だけ答えた。
「いいじゃん!仲良くしていけよー!さぁ、チェックアウトまで時間無いから早く準備しよう!」
シューヤ君とマー君は荷づくりするためにベッドルームに消えていった。
「ハル。」
アロハ君に呼ばれて振り返る。
「シューヤ君が知ってたのイヤだった?」
「ううん、全然そんなこと思ってないよ。むしろ来てよかったよ?
アロハ君とも恋人関係になれたし。まぁ、両片思いとは思わなかったけどね。」
でも、それは嬉しいことだしっと伝えると、アロハ君も笑顔になった。
「これからもよろしくな、ハル。」
「うん、よろしくね、アロハ君。」