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🎤視点
俺は金崎青波。今日から高校2年生だ。
🎤
「まじでなかむと同じクラスがいい…!!」
👓
「またそれかよ」
📕
「よくな〜い?きんさんの惚気話おもろいし。
ねえねえ、あの話聞かせてよ。」
🎤
「入学式のやつ?いいけどw」
そう、俺は同じ学年の中村水音、通称「なかむ」が好きだ。
かといって去年は違うクラスだったし、目があったら手を振るくらいで、なかむから話しかけてくることはほとんどなかった。
始まりは入学式の日だった。
入学式を終え、俺はこの学校について早いうちによく知っておきたいと思い、校舎の裏側を通って校門に向かうことにした。
すると、パンダパーカーを着た男子生徒がそこでうずくまっていた。この時間帯にここにいるということは1年生だろう。気分が悪そうなのでとりあえず声をかけてみることにした。
🎤
「大丈夫そう?気分悪い感じ?」
❔
「え。」
驚いたように振り返った彼の顔を見て俺は唖然とした。
俺を見つめる大きな瞳は水色にキラキラと輝いていた。
しゃがんではいたが身長は小柄に見え、下から不安げに俺を見上げる姿は小動物を連想させた。
彼の身に着けるパンダパーカーが彼の可愛さを一層引き立てる。
そんな彼を目の前にして、言葉を発することなどできたものではない。
しばらく続いた沈黙の後、俺は何とか自分の口を動かす。
🎤
「ごめん急に。俺は金崎青波。同じ1年生のC組。きんときでいいよ」
❔
「ごめん、、ありがと、、」
体調がよほどすぐれないのだろう。そういうと彼はまたうつむいてしまった。
🎤
「とりあえずそこのベンチ座ろ」
❔
「うん…」
その後、彼の体調が改善されるまで俺はそばにいて談笑をした。彼は中村水音といった。体調が悪くなった経緯や中学時代の話、これからの高校生活で不安なことなど、たくさん話した。帰るころにはお互いを「なかむ」「きんとき」と呼び合うようになった。
このままなかむと仲良くなれないかな、と淡い期待を抱いていたが、彼は誰が見てもかわいいと感じる愛されキャラだ。
クラスも違う俺がやすやすと話しかけていいものなのだろうか。
そうやってびびって距離を置いていると、気づいたら1年が過ぎていた。
今年こそは距離を縮めたい。
だからどうか同じクラスにしてくれっ!!!!