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〜side伊波〜




「おーい小柳‥‥生きてるよな?」




今日も返事が来ないアイツに語りかける


それでも胸に手を当てると体の中が暖かい




目の前のイチョウの木が黄金色に色付く




「もう‥‥季節が一周廻ったけど。一年って‥‥長すぎじゃない?」




一年は長すぎだよロウ


お前は何処で何してるんだ?



探す宛てもない

なす術もない



待つことしか出来ない自分が嫌になる




「伊波くん、そろそろ集まる時間だけど」


「え?あ、本当だ」


「準備出来たら出発しますか」


「オッケー、もう行けるよ」





今日は本部にみんな呼ばれていた


本部に着くと会議が始まった




「今日は小柳ロウの欠員に変わる人員の補填についてだが‥‥」


「‥‥え?」


「もう任務に就けない期間が一年を超えている。だからこちらとしても新しい候補を選び始めようと思っている」




それを聞き、俺は立ち上がり口を開いた




「ちょっと待って頂けませんか?俺達で任務に出向いても戦えてますし」


「だが、この前の様に少々手こずっていてはこちらも困るんだよ」




俺に加勢する様に星導も口を開く



「勿論、小柳くんの分の戦闘力をすぐには補える訳じゃないですけど、俺達もみんな更に訓練をしてますからもう少し時間を頂けないですか?」


「うーん‥‥問題はいつ戻って来るかになると思っているんだが。小柳からはこちらに不都合が生じた時は判断は委ねると言われているからな」




嫌だ

ここは‥‥『Dytica』は小柳の戻って来る場所だから


絶対に譲れない!




「お願いします。俺達四人でここまでやって来たんです。小柳が戻るまで俺達は負けません。俺達が強くなった分、アイツも強くなって戻って来ますから!だからお願いします!」


「‥‥まぁ、少しの期間様子を見る事にしよう。だが、何かあった時はこちらの言う事に従ってもらう。いいね?」




星導とカゲツも立ち上がる




「はい、わかりました。機会をくださりありがとうございます」


「俺も良いよ。どうせ負けへんし」


「ありがとうございます!俺達頑張りますから」








家に帰る道すがら




「‥‥ごめんな、俺勝手に色々決めちゃって」


「なんで?なんの問題もないですけど。当たり前のことだし」


「僕も別に。どちらかと言うと、狼に借りを作るのは気持ち良いしな」





特段気にもしてないような様子で二人が笑い合う


小柳は気付いてないかもしれないけど、お前の居場所はここにあるんだから





だから俺はここで待ち続けるよ



他の誰かが集まるんじゃなくて



俺達四人が集まって『Dytica』なんだから






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