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やぁやぁなおでございます!
今回のカプは🌷×🦖です!
このカプは軽そうに見えて重そうだなぁ〜って思ったので選びました!
自分の愛が重すぎて相手を潰してしまう事を自覚して、自重してる攻め大好きです。
特に注意とかはないので早速スタート!!
ギュウギュウと、心臓を締め付けられるのです。
それが酷く苦しいのです。
息が詰まるのです。
泣きそうになるのです。
それでも、僕は、
______彼を、愛しているのです。
それだけは、絶対に変わる事などないのです。
ずっと傍にいたいのです。
ですが、彼は彼であってほしい、個であってほしいのです。
僕は彼を縛り付ける縄なのです。
僕はそれが、何よりも嫌なのです。
ならば、この苦しさも、押し込めてしまえばいいのです。
これで彼が笑っていられるなら。
それで、いいのです。
■△■△■△
「ねー、no兄ってなんで花好きなの?」
庭園でいつも通り花達に水をやっていると、
いつも通り恐竜パーカーを着たjpさんがそう聞いた。
「んー、綺麗だからって言うのもありますが………」
「ありますが?」
「___いえ、綺麗だからです」
「ふーん。ま、綺麗だよね。この花とか」
「それ毒ですよ」
「はぁぁぁ!? な、なんで毒の花育ててんの!?」
「あー、薬になるから……?」
「なんで疑問形なの! ホントに薬なの!?」
「薬ですよ!! ……多分」
「多分!?!?」
多分、きっと。酔い止めか何かになった気がする。
アニメで見ただけだけど。
「てか、薬は普通に買えば良くない?」
「確かに……!?」
「バカなの???」
「まぁでも、綺麗なので」
「綺麗ではあるけど……毒なんでしょ?」
「はい。扱いを間違えれば、大体の場合は痙攣等で済みますが、下手すれば死にます」
「ねぇ本気でバカなの?????」
「でも、恐ろしいですよね〜この花」
「だって、綺麗に見せかけて、毒があるなんて、」
まるで、
まるで。
ジョウロをギリギリと握り締める。
いつの間にか水が無くなっていた様だ。
汲みにいかなければ。
「___ _」
「どう、しました?」
「いや、今日はト〇ロ見ないのかなって」
「一緒に見ます?」
「丁重にお断り致します」
断られてしまった……
なぜ……トト〇面白いのに。
「あ、いたいた」
「ん? おー、yaくん。どした?」
「いやー、編集で分かんないとこあってさ〜来てくんね?」
「はいよ〜」
タッタッと、jpさんは早足と庭園から出ていった。
柔らかい風が吹き、毒の花をふわふわと美しく揺らした。
本当、見た目だけは美麗なのに。
致死毒の花だなんて、想像も出来ないな。
どうして、そんなに美しくあろうとするのだろう。
醜く、足掻こうと、増えようとするのだろう。
生き汚いよ。本当。
生き汚い。
「バカだなぁ」
嘲笑うように、言葉を吐いた。
■△■△■△
「え、今日めっちゃご馳走じゃん!!」
「今回は私もお手伝いしたので!」
「すげー!! さっすがnaさん!」
今日の晩御飯は、おせちの様な様々な料理が大量に振る舞われた。
まさに大盤振る舞いだ。美味しそう。
それはそうと、沢山の料理に目を輝かやかせているjpさんが可愛らしい。
これで飯百杯いけそう。
「あ、」
どうやら彼を見すぎていたらしく、いつの間にか目が合っていた。
途端、バクバクと心臓が波打つ。
顔、真っ赤かも。
「どしたんno兄。顔真っ赤だよ?」
「あ、あぁ……少し暑くて……」
「そうですか? エアコン23℃なんですけど……」
「no兄風邪〜?」
「そう、かもですね」
しまった。見すぎていた。
みんなに心配させてしまった。
情けないなぁ。
心底、愚かだ。
「風邪でしたら、こういう料理よりお粥とかの方がいいですかね?」
「いや、大丈夫。そんなに辛くないので」
「そうですか? 良かったです」
「ね〜早く食べよ〜!」
「そうですね」
いただきますの挨拶をかわきりに、一斉にご飯を食べ始める。
みんなが美味しい、といい食べっぷりを見せる中、
僕は心のモヤモヤをうち払えず、あまり食が進まない。
「___no兄、後で部屋来て?」
「へっ?」
急に想い人に話しかけられ、素っ頓狂な返事をしてしまった。
かなり間抜けだったと思う。
「へ、部屋に行けばいいんですね?」
「そそ」
「jpがセクハラしてる〜」
「はぁ!? んな事してねぇよ!!」
「嘘つけ〜!!」
「お前なぁァ!!!」
■△■△■△
「来、ました」
「ん? おー、よくぞ来たな!!」
「なんですかその魔王みたいな口調……?」
腕と足を組み、まるでゲームの魔王が勇者に語りかける様に言った。
ふふん、と鼻を高くする姿が愛らしい。
「えーと、本題だけど……」
なんだろう。編集の事かな。
それともコメント? 最近アンチが増えて落ち込んでたな。
そんなアンチ、全員ぶっ飛ばしてあげるけど。
「no兄、最近何か悩んでる?」
「___ _」
図星だ。
まさか見破られるとは思ってなかった。
jpさんは案外鋭い事を忘れていた。
「何で悩んでるの? 活動の事? アンチとかの事? メンバーの事? それとも___」
「俺の、事?」
「___ _」
「……やっぱり」
まるで分かっていたかの様な反応だ。
本当、油断ならない人だな。
この人は。
「俺、何かしちゃった? 教えてほしいな」
あぁ、嗚呼。
優しくしないでくれよ。
「うちのメンバーが悩んで苦しんでるところなんか、見たくないからさ」
言えない、言えないよ。
だって貴方は、コレを受け入れてしまう。
優しいから。
僕は貴方は潰してしまう。
貴方は脆くて、すぐに壊れてしまうから。
「ね、」
「教えて」
「____っ!」
どうすれば、いいのだ。
いっその事、嘘をついてしまえば、
「嘘は、吐いちゃダメだよ」
「ぁ」
どうして。
どうして、どうして、どうして。
どうして、ばれるの?
貴方にだけは、見せたくなかった。
自分の、こんなに情けなくて、
おぞましいところ。
「大丈夫だよ」
「_」
「怖くないよ。責めたりしないよ。蔑んだりしないよ」
「__」
「気持ち悪がったりしないよ」
「だから、」
「全部、話してほしいな」
「あ、あ、ぁ」
だめだよ。
この歪みを貴方に背負わせるには早すぎる。
貴方を壊したいわけじゃない。
「___すき、なんでしょ?」
「!」
「知ってるよ、そんな事」
「すごーく分かりやすかったよ?」
「あ、はは……」
そんなにだったか……
隠し通せてたつもりだったんだけどなぁ……
必死になりすぎていたか。
「でも、なんで言わなかったの? やっぱり恥ずかしかった?」
「えっ、と……」
「なんて言うか、僕の愛って結構重い? ぽくて……」
「確かに、重そう」
「なんか……そう言われると嫌ですね」
「なんで!?」
「……まぁ、理由はそういう事なんだね」
「でも、俺も結構重いよ?」
「いや、僕のとは、多分、違います」
「そ?」
自分の愛は、彼を縛り付ける縄なのだろう。
やがて、身動きが取れなくなってしまう。
蛇の様に纏わりついて、
毒を吐いて苦しめてしまうのだ。
だから、嫌なのに。
「俺は別に、no兄がいくら重くたっていいんだけどなぁ」
「……え?」
「俺も、no兄の事好きだし……」
「あ、?」
「てか、俺以外に構わないで!」
「えっ、あの……」
「no兄てば、ずぅーっとお花ばっかに構って! もう!」
「花にまで嫉妬を!?」
あ、案外重いかもしれない……
いや、重いというより、ちょっとおかしい……
「だから、俺とno兄って割と相性いいんだよ?」
「相性いいのか……?」
ちょっと不安になってきた。
大丈夫かこの人……?
「ほら、no兄の悩み解決! みんなハッピー!」
「なんか急に締められたぞ……」
「でも、実際、顔が明るくなったよ?」
「え?」
「ずーっと不安そうな顔してたもん、no兄」
「そう、でしたか」
「もう、大丈夫そうだね」
「……jpさんが受け入れてくれて、良かったです」
「?」
思ったよりも、彼はずっと強かったようだ。
これなら、大丈夫だろう。
「わっ、いきなり抱きしめないでよ〜びっくりするじゃん」
ギリ、と細い体を抱きしめる。
細くて細くて、今にも折れそうだ。
「嬉しいのは分かるけど、あんまり、はしゃぎすぎないでよ〜?」
真っ白の首筋に顔を埋める。
____yaくんの匂いだ。
遊びにでも行ってたのかな。
大丈夫、大丈夫。
彼がどこに行っても、必ず僕の元へ戻ってくる。
恍惚としながら、口角を上げる。
目を細めれば、まるで狐の様だ。
_____もう、絶対離さないから。
男は、笑った。