朝の光がカーテンの隙間から差し込んで、柔らかく部屋の空気を染めていた。
テーブルには若井が淹れたコーヒーの香り。
ソファに座る涼ちゃんは、まだ少し寝ぼけた顔でカップを両手で包んでいる。
若井がふと横を向いて、微笑んだ。
「涼ちゃん、最近顔色良くなってるよね。」
涼ちゃんは少し驚いたようにまばたきして、
「そうかな?若井が気持ちよくしてくれるから ちゃんと寝れてるからかも。」と笑った。
その笑顔を見た瞬間、若井の胸の奥が温かくなった。
あの弱っていた頃の表情を思い出して、今との違いに少しほっとする。
「そっか。…良かった。」
短くそう言って、若井はカップを手に取る。
涼ちゃんが首を傾げた。
「なに?」
「いや…元気そうな顔、見られて嬉しいだけ。」
照れくさそうに笑う若井に、涼ちゃんも小さく笑い返した。
朝の光の中で、二人の笑顔が静かに溶け合っていった──。
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