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以下伏字無し
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「ん…」
先程まで自室で眠っていたはずなのに、気づけば周りも見えない状態で何かに体を固定されていた。匂いで場所を探ろうにも、なにか香水のような甘ったるい匂いが漂っているだけで、ここがどこかまでの特定はできそうになかった。一体ここはどこなんだ、そう思考を巡らせている俺の元に、意外にも早くこの部屋の持ち主であろう人物は現れた。
「おはようございます小柳くん、眠っている間に運んだはいいものの、全く起きる気配がないからもう起きないのかと焦りましたよ」
「ほし、るべ…?」
「そうですよ、あなたの大好きなるべちですよー、会えて嬉しいですか?」
この状況に似つかわしくないほど機嫌良く答える星導に、俺は恐怖を覚えた。第一、星導の匂いなど全くしなかったというのにこいつはどこから現れたんだ。したのは香水の匂いだけ、それも女物のような甘ったるい匂いのするもの。
混乱する俺をよそに、星導はまた上機嫌に話しだした。
「さすがにこの匂いの中じゃ小柳くんでも俺の匂いを嗅ぎ分けられませんでしたか?まあ仕方ないですよね、バレないように自分の体にも同じものをつけてますし」
そう言い、星導は俺の方に近寄り目隠しを外したと思ったら、先程とまた同じ質問を投げかけてきた。
「小柳くん、俺に会えて嬉しいですか?嬉しいですよね?大好きな俺に会えて嬉しくないわけないですもんね?」
そう矢継ぎ早に話す星導に、俺は戸惑った。こんな状況なのに会えて嬉しいなんて呑気に喜んでる暇が俺にあると思ったのかこいつは。なんなら今日は任務で既に1度会っている。そう考えている間にも、星導はまた喋りだした。
「返事してくれないなんて、るべち悲しい、泣いちゃいますよ?」
そうふざけたことを言う星導に、俺は先程考えていたことを喋った。
「会えて嬉しいも何も、今日任務で会ったばっかだろ、何言ってんだお前」
俺がそう返した途端、先程まで上機嫌だった星導の顔がありえないほど無表情になり、俺に使っていた目隠しで今度は口を縛ってきた。
「なんでそんな酷いこと言うんですか?最低です小柳くん、小柳くんの口は俺に愛を伝えるためにあるんですよ?そんな酷いことを言うためについてるわけじゃないのに…」
ぶつぶつとなにかを繰り返している星導に、俺は最初感じたものとは比べ物にならないほどの恐怖を感じた。こいつはおかしい、いつもの星導ではない、逃げなければ何をするか分からない、早く逃げなければと焦る。しかし、手足を固定している縄が余程頑丈できつく縛られているらしく、どれだけ動かしても外れる気配がしなかった。
「馬鹿ですね小柳くん、そんなに動いても手足に傷ができるだけですよ?諦めましょうよ、ずーっと俺と一緒にいるのも悪くないと思いません?」
「そういう問題じゃねぇだろ、任務だってあるし配信だってある、他にもまだまだやらなきゃならねぇ事があんだよ、なんでもいいから一旦家に帰してくれ」
「物分りの悪い犬ですね、今まで小柳くんのことは物分りのいい賢い犬だと思ってましたが、どうやら違ったみたいですね。躾が必要ですかね?」
こいつ、とことん犬扱いしやがって、そう思った俺はつい星導の挑発に乗ってしまった。
「躾なんかで俺が言うこと聞くと思ってるならやってみろよ、星導」
ここで挑発に乗ったのがいけなかった
「ほんと口の悪い犬ですね、絶対家になんか返してやりませんから」