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太陽が照るサバンナに、キラーナは率いる闇の軍団と共にいました。彼女が睨みつける先にはライオンのメスたちがいた。このライオンは、セガ。マシュー・プライドという縄張りを所持していた夫が息子たちと争って亡くなり、やむを得ずセガが後を継いだ。これぞというオスが見つかるまでの時間稼ぎです。
そして今、ハイエナ女王、キラーナは野望を胸に争っていた。
野望。それはマシュー・プライドの縄張りを手に入れることだった。健康なライオンの縄張りを奪うのはいくらキラーナでも不可能に近い。だが、弱体化したライオンの縄張りを奪うことなら、最強の闇の軍団なら確率がある。それをちゃんと理解しているからキラーナは最強の軍団の女王になれた。
キラーナが攻め始めて約30分。闇の軍団はぴんぴんしているのに対し、セガたちマシュー・プライドのライオンたちはかすり傷がつき、はぁはぁと息が荒くなります。セガたちがキラーナに縄張りを奪われるのは時間の問題でしょう。
ついに、セガは逃げ出しました。群れの女王なるものが逃げ出しては群れはたちまち混乱と恐怖に陥ります。闇の集団は深追いこそはしませんでしたが、最後まで牙をむき出しにして唸り声を遠くまで響かせたのです。
セガが逃げた今、もうマシュー・プライドの縄張りは闇の軍団キラーナの王国に仲間入りしたのだ。
マシュー・プライドの縄張りを手に入れたキラーナたちは完全に調子に乗り始めていました。マシュー・プライドの周囲の縄張りを狙い、着々と制覇を進めてきました。周りはこの横暴な闇の軍団を恐れるようになっていました。
ことに、子育て中の若いチーターなどは。
数年経ち、キラーナはついに子育てに成功した。毎年毎年、子どもたちを病気やライオンの襲撃で失ってきたが、今回は順調に子育てが成功していた。
キラーナが産んだ子供は全部で五匹。オス三匹、メス二匹だ。
キラーナはどの子も大事に育てた。闇の軍団に接する時とは違った優しさを見せ、目尻がわずかに下がる。
ただ、どんなに我が子が可愛くても、生かすためには鬼にも夜叉にもならなくてはいけません。
ヴィクシーというキラーナの末娘のブチハイエナがいました。病弱だった兄一匹を失くしたが、病気にもかからず、すくすくと成長していきました。
しかし、そんな手塩にかけて育てた末娘が自分の王座と運命を揺るがすこととなるとは、キラーナでも露ほど思いませんでした。