テラーノベル
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苛立ちをぶつけるように乱暴にドアを開けると、そこはオフィスとは別世界だった。
鼻腔をくすぐったのは、森の香りと、柔らかなアロマの匂い。視界に飛び込んできたのは、部屋のあちこちに配置された大小さまざまな観葉植物だった。
(……なんだ、ここ。ジャングルかよ)
白衣を着た小柄な女性が、ちょこんと椅子に腰かけていた。ミルクティー色の柔らかなパーマに、大きく丸い瞳。ふんわりとした空気をまとっている。
「……やっと、来てくれましたね!」
どこか懐かしさを含んだ眼差しが、まっすぐ俺に向けられた。
「……王子谷くん?」
予想外の呼び名に、思考が数秒フリーズする。こいつ、今……なんて言った?
「は、? ……誰?」
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#独占欲
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